順之助の、日記。
7日、土曜夜。
早稲田祭の賑わいを確認した後、
とりあえず、渋谷へ。
いくつかのレイトショーが、鑑賞可能だったため、
検討の結果、
ユーロスペースの「代行のススメ」を、観る事に決めた。
「おくりびと」、「沈まぬ太陽」に出演後、
今年の7月26日に、がんで他界した、
俳優・山田辰夫、実質最後の主演作となった映画。
ただし、物語の主人公は、
産休の代理小学校教師・木村カヨ(藤真美穂)。
交代でお別れの挨拶時に、
生まれた子を抱えた、担任が帰ってくると、
子供達は皆、そっちへなびく。
ここは観ていて、何とも、寂しいものだ・・・。
しかも、それと同時に、夫とも離婚。
夫は、前の彼女と、よりを戻してしまった・・・。
自分は、逃げていた彼女の、代わりだったのか・・・?
と、そりゃ、がっくりもくるだろう。
山田辰夫氏は、カヨの父親役。
実家で運転代行業の、渋い中年男性・和志。
地方にある、酒場の帰りなどに、
車を代わりに運転してくれる、サービス業者。
仕事仲間は妻、つまりヒロインの母(円城寺あや)と、
もう一人の、訳あり中年男性助手。
この助手に協力させて、
仕事中にちゃっかり、浮気の工作をしている、和志。
山田辰夫の、浮気シーン・・・。
割と想像しにくかったので、ちょっと珍しく見える。
父母の実家に帰って、教師正規採用を目指すカヨだが、
母はある日、病に倒れ、
やむを得ず、カヨが仕事を、一部代行することになる。
車の運転代行、だけではない。
実家の代行業にも、いろいろ、あるようで。
宿題の代行、レンタルDVDの返却代行、墓参りの代行、などなど。
教師の勉強をしながら、正規採用の試験を受ける、カヨ。
もう誰かの代わりなど、ごめんだ、というわけ。
その会場で、一人の若き男性と、知りあいになるのだが・・・。
ここでとんでもない、いかにも作為的?偶然、というやつが・・・。
いいのか?そんな展開入れて・・・と。
あれは、いらないんじゃないか、と。
泣かせるものがあるのは、中年男性助手のエピソード。
ここで泣けない奴は、男じゃない!
という気にも、なる話。
この人、結構大切な役どころなんだが、終盤は姿を消している。
あれからどうしたのか、すごく、心配になるのだが・・・。
全篇にわたり、頻繁に登場する、食事シーン。
人がいないと、とたんに手抜きお膳になるのが、いかにもリアルで、微笑す。
上映後、監督&出演者トークあり。
30数名残っていた、観客。
司会他の「それでは、アットホームな感じで・・・」挨拶に、
皆、軽く笑う。
やはりというか、故・山田氏の思い出話が、多くなった。
トークによると、「代行」撮影の現場では、
最初は、「とにかく、山田さんを、怒らせないように!」という空気だったのだが、
山田氏が女優さんと、娘のように接してくれていたのもあって、
次第に現場の雰囲気は、ほぐれていった模様。
半日がけでまとめて、食卓シーンを撮影したそうで。
リハーサルから、よく食べる人なので、
本人の体調が、やや不良な事(病気の事は、殆どの人がまだ知らなかった)と、
「消え物が、あまり減ると・・・」という事で、
スタッフが焦る、一幕もあったとか。(注)
観客代表代行?としては、
いろいろ、いい話を聞いたな、と言う感じだった。
東宝封切り時に観た、「すかんぴんウォーク」での、
「てめえら、ちょっと待ってろ!」が、
一時、マイブームになった者としては、
まだまだ、活躍してほしかったな・・・と、惜しむものである。
以上。
(注):
報道によると、2005年6月に、胃を全摘出。
「代行のススメ」の時点には、もう・・・。
今思うと、何ともいえぬものが・・・。
最後の出演となった、「沈まぬ太陽」の関係者でも、
今年4月の現場で、
山田氏の病気を知っていたのは、若松節朗監督一人だったそうである。
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- 2009/11/10(火) 22:59:55|
- 劇場用映画
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