政の、日記。
10月31日、土曜。
午後より、早稲田松竹。
横浜聡子監督・2本立てに、寄ってみた。
「ジャーマン+雨」&「ウルトラミラクルラブストーリー」。
ちょうど、監督トークが、終わったところだった。
ロビーは学生風の男女層で、かなりにぎわっていた。良い事なり。
ロビーにはしっかりと、
PFF出品の自主映画・「夢の島」の、各地公開案内が、貼ってあった。
監督が、この映画館こで働いた経験者なのだ。
大いに、プラスになったことだろう。まずは喜ばしい。
1*「ジャーマン+雨」
渋谷で公開時、
何だ?この小難しい、哲学者みたいなタイトルは?と、いぶかったが。
登場人物の中に、ドイツ人がいるため、とわかった。
しかし、雨はあまり、出てこない気が・・・?などと。
ぶーたれてる、やけっぱちでわめいてる、
ガテン系?ヒロインの、存在感。
周囲でふざけてるワルガキ達の、無邪気さ、罪悪感の薄さ・・・。
この年齢、この時期のでたらめなエネルギーに、抗しているとしたら、
主演ヒロイン、ただ一人、だろう。
松田彰の「餓鬼の季節」を、なんとなく思い起こす。
笛塾内で、ワルガキ達が部屋に落書きし、
屋内が変わってゆくあたりが、特にユーモラス。
でも病院内で、おいたは、いかんなあ!と。
それと主人公よ、歌手はやめて、
作詞家と作家、コラムニスト方面を、目指しなさい!
2*「ウルトラミラクルラブストーリー」
最初のうちは、津軽弁がよく聞き取れず、少しじれったかったが。
これはリズムのついた、英会話のヒアリング(昔はリスニングをこう呼んだ)なんだ!と思って、
いきいきと弾む会話に、とりあえず、耳をそばだてていたら、
次第に、周囲の状況がらみで、大体わかってきた・・・。
前作の、ワルガキ達の一人が、
体だけ成長して、松山ケンイチになった?みたいな感じで。
前半は、そういう子ども時代の続き、という印象。
その無邪気さ、いたずらっ子の部分は、
次第に、ヒロインの勤める幼稚園の子どもたちが、担ってゆく。
(こいつら、携帯持たして、大丈夫かいな?の声・・・)
途中から松山の青年は、子ども意識を引きずったまま、
徐々に大人っぽい面を、垣間見せてゆく。
人あたり方面で、だんだん、ド-ピング?な進化を見せてゆくのだ。
まるで現代人の、象徴?と、とれなくもない。
そして・・・。
農協風倉庫や、列車内の芝居練習等、
長まわしで引っ張るテクニックは、よく出来ている。
夜、2人で歩きながら、
ふと遠くの花火に気付くシーンなどは、ちょっと、いい感じだった。
畑の、あのシーン(爆笑)以降は、
まったく、サスペンスフル、だった。
更に衝撃!の、あのシーンの後もなお、
もしかして、今にも又、
超サイヤ人や、ハカイダーみたいに、
いきなりバージョンアップとか、ただいまっ!とかするんじゃないか?
などと、何度もハラハラ、ドキドキだった・・・。
あのヒロインの台詞じゃないが、
それ、薬とかに頼ることじゃない!かもしれないな・・・などど。
人との関係性作りって、
まず自分が動いて、相手に対応してかなきゃ、進まないんだからね、と。
波打つような、くにゃくにゃの道の途中で、
いわくつきの人物(?)が、登場するシーンでは、
もう、何でもありだな、と観念していた・・・。
(タイトル、ウルトラQ、って事か?の声)
そしてあの、驚愕のラストは・・・。
勿論、あの場において、<あれ>を使うのは、
とっさの判断なのは、わかる。
周囲の者達の事まで考えての、究極の判断であり、
これを、くれた人のおかげで・・・という事なのだろう。
が、しかし、それだったらなぜ、
すぐにその場から、この人物は、皆と逃げないのだろうか・・・?
と、余計な心配をしてしまう。
その逃げない理由が、あるとすれば・・・。
一番大切な、思い入れのある<もの>を、
あえて、投げ捨てるような、ふっきり方。
あの人物が、あれこれ愚痴っていた前半よりも、
潔い、というべきなんだろう。
やっと過去をちゃんと、ふっきれる、
もうそろそろ、大丈夫かな、という。
もしかして、それもちらっと、あったのだろうか?
でもそれだったら、やっぱり、逃げるはず・・・。
それとも、農家の世界だから、
あの人の思いは、やっぱり、
土に還したい、循環させたい、ってことか?
そう考えれば、あの人物ならば、あれもあり、だな・・・と。
ちょっと、あぶなっかしいけども。
他の観客は、どう解釈したんだろう。
あれは、あいまいなままのほうがいい、という人も、いそうだが、さて・・・?
う~む、横浜イズム、あなどれず。
未見の諸君、一度、観とくべし!
以上。
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- 2009/11/01(日) 01:04:23|
- 劇場用映画
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