シネマ旅の途上にて

自主映画ウォッチャー、アWorkerのブログ。

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夏から秋へ、その後のシネマ旅・・・そして

旅人、覚書。
その後の、シネマ旅。


8~9月のオフタイムは、
忙殺量の仕事や、歯科医治療の合間を縫って、
ほとんど、フィルムセンター通い、だった・・・。
(しかし、書く間が無かった・・・の声)

7月の「帝銀事件 死刑囚」、9月の「下落合焼とりムービー」以外にも、
なんとか観れたのは、以下のごとし。


「ジャンケン娘」:
1955年、東宝。
美空ひばり・江利チエミ・雪村いづみ主演。杉江敏男監督。
ハンサム青年役・山田真二、追悼の上映。

あの男っぽい役が多いひばりが、
純情で泣き虫な、女子校生役なのが、今観ると不思議。
芸妓の水揚げ騒動がからむのだが、
貞操観念論が、今どきとは随分・・・違うなあ、と。隔世の感あり。


「その場所に女ありき」:
1962年・東宝、司葉子主演。鈴木英夫監督。
ヨコハマ映画祭でも知られる、名プロデューサー・金子正且氏の追悼上映。

昭和版、大手広告コンペ界のキャリア・ウーマン、集団ドラマ。
男に尽くしすぎた、破滅型のOLが、強烈な存在感あり。
山崎努や浜村純が、
こんなにドライで <進歩的>な役柄を、演じていたとは・・・!
ちょっと、驚き。

「黒の報告書」:
1963年・大映東京、宇津井健主演、増村保造監督。
同僚検事役・高松英郎、追悼。
裁判員制度スタートの時節柄?約十数年ぶりに、観た。

地図に出てくる舞台が、どうみても、
わが幼少時、住まいの街近辺そっくりの、昭和30年代風景なので・・・。
なんだか、とてもいやな感じだったのを、覚えている。

主役検事が、まっすぐすぎなその分、
状況次第でコロコロ、法廷で裏切る連中が、リアルだ・・・。
2度寝返り?した人物に、「遅い!」と言いたくもなろうよ。
まったく世の中、甘くないのう。


「爆弾男といわれるあいつ」:
1967年・日活。
小林旭主演の、クライム・アクション。
脚本家・下飯坂菊馬氏の追悼上映。
その後、長谷部安春監督も、故人となられた・・・。

基本的な筋は、見事な、男のハードボイルド。
女に弱いのも、つぼを押さえてる。
弟分がお涙派のコメディアン・ぼん太なのと、
ロケ地のタイアップ・観光案内が、目立つ事により、
前半のハードさが、ややゆるんでしまったのが難点だが、
その制作条件下では、よくやっているよなあ、と感心す。

(今じゃもう、やっちゃやばそうな、
観光シーンも、あるかもなあ?の声も・・・)


「君待船」:
1954年・大映東京、西村元男監督。
長谷川一夫御大が子息、主役の林成年、および出演の高松英郎、追悼上映。

大映得意の、いわゆる、すれ違いメロドラマ。
黒髪の南田洋子が、ぴったりのヒロインを、好演。

船長役は、初代「ウルトラQ」の博士、かな?
高松英郎は、再就職先の、配送トラックに乗った男で登場。
割といい役。
しかし・・・もっと早く気づけよ、田端義夫の世話人男よ!
と、ついつい、つっこんでしまうのだった。


「弥次喜多道中」:(本当は旧漢字なんだが、うまく、出ない・・・のつぶやき)
56年、大映。
市川雷蔵が弥次さん、「君待船」の林成年が喜多さん。
ドタバタ珍道中もの。

斎藤寅次郎監督の喜劇なので、
江戸時代なのに、昭和の<現代語>台詞がびっしり。
お前キュリー夫人か?とつっこみたくなる、蘭方医も登場。
「太陽族や!」「処刑の部屋や!」「真昼の暗黒や!」等の台詞に反応した、
高齢層や邦画通観客が、爆笑に。

三味線を流しのごとく弾き、歌う田端義夫。
花菱アチャコの岡っ引きが、マンボを踊ったり。
互いを狐の化かしと勘違いし、歌舞伎の振り付けでバトルする弥次喜多。
もう、めちゃめちゃ。終始ふざけっぱなし。

せちがらい世の中、たまにはこういう、
柔らか頭ので気晴らしも、いいかな~、などと。


<逝ける映画人を偲んで>が終わり、彼岸花が咲き、季節は秋に。
次に来たのは、<生誕百年 映画監督 山中貞雄>シリーズ。

ほんとうにこの時期は、都内だけでもあちこちで、同様の特集上映が、
自主上映会ともども、ラッシュになっており、
時間・予算・体力的に、とても、すべてに手が回らないのだ・・・!

とりあえず、どこかに行く時間が空けば、何か観れる状況というのは、
勿論、まことにありがたい事では、あるのだが。
選んで、観る作品をしぼるだけでも、結構大変なのだ・・・。


さて、故・山中氏自身が監督したの長編映画で、
現在、一応ちゃんとした形で残っているのは、

「丹下左膳余話 百万両の壺」(注X)
「河内山宗俊」(注Y)
「人情紙風船」(注Z)
・・・の3本だけ。

この現状は、初めて小生が、これら3本を、
アテネ・フランセや、大井武蔵野館で、あいついで観ていた頃から、
まったく、変わっていないらしい。
名作ぞろいとはいえ、これだけでは、
とても、長期にわたる特集上映は、できない。

それでは、と、フィルムセンターの特集では、一計を案じていた。

クライマックスの殺陣(たて)等、
ごく一部のシーンのみ、フィルム残存のものや、
大阪芸術大学の研究所で復元された、<玩具映画>のチャンバラ・フィルム映像、
宣伝用の想定?スチール写真紹介を含めた、撮影史記録映画、
脚本参加作品や、脚本を原作に後世、リメークされた作品、
果ては、監督が学生時代に、愛用の辞書の端に、黒く描いていた、
殺陣(たて)のパラパラ漫画(!)を撮ったDVまでもが、
後世のリメーク版長編に、付け合わせる形で、引っ張り出されてきたのだ。

まあ、よくぞ、これだけ・・・!
実にもう、貴重な映像ばかりではないか・・・。
もしかして後世、当人が監督した長編が、
また、ひょんな所から、全篇、出てきたなら?
などと、つい、期待してしまうではないか。
がんばれ、ゆけゆけ、フィルムセンター!



で、脚本参加作や、リメーク作などで、
今回観れた、長篇は・・・。
  

「戦国群盗伝 (総集篇)」(1937年版):

東宝の前身、P・C・L制作。滝澤英輔監督。
当時の、京都の若手映画人達、<鳴滝組>による、
共同脚本の筆名が、<梶原金八>。

輸送中の献上金を奪う、野武士強盗団。
弟とその家臣の陰謀で、御用金横領の濡れ衣をかけられ、
居城から追放された長男武士が、
やがて、皮肉にも、彼ら野武士団の首領となり、
厳しい掟を制定、裏切り者を討ち、
仲間たちとともに、城へと仇打ちに向かう・・・。

父殿や、ヒロインの、悲壮な運命に涙しつつも、
馬賊を思わせる、いきいきと、豪放な、自由な空気がみなぎる、世界観。
何なのだろう、この、のびのびとした、どこかすがすがしい気持ちは?

こまごま、せかせかした日常をもふっとばす、
痛快、爽快、戦国アクション大作。



「その前夜」:1939年 、東宝。萩原遼監督。
山中の原案を、仲間の脚色で、完成。

幕末の京都、池田屋騒動前後の状況を、
すぐ向かいの、別な旅籠屋一家の視点から、
ホームドラマ的人間模様中心に描いた長篇。

歴史的人物像経由の俯瞰議論ものが、多数ある中で観れば、
結構、異色作。
染物屋をやめて、新撰組向けのクリーニング屋を開業する長男が、たくましい。
やんちゃ二女の高峰秀子、長女芸妓の山田五十鈴が、若い。
父と長女、親子呑みのシーン、ちょっといい味わい。
終盤、画家先生シーンの、
三段アタック!撮り手法に、やられたぞ~。



「むっつり右門捕物帖一番手柄 南蛮幽霊」:

1929年・東亜キネマ京都。山中脚本。
白黒サイレントの、探偵もの。
長くて、かなりダレていたが、
終盤の弾むような、大きく振りかぶっての殺陣は、さすが。
助手役が、困り顔で慌てたり、刀を数える等、
目立つ役どころで、ポイントを稼ぐ。


「恋と十手と巾着切」:
山中脚本(1932年)が原作、野上竜雄脚本でリメーク。
1963年、東映京都、井沢雅彦監督。
山城新吾版。
(この人も、逝ったな・・・の声。)

子どもや茶店のヒロイン、老岡っ引きと、付かず離さず、
軽妙な動きと、口八丁手八丁なしゃべくり、もう確立してるね。
結構、ウケてた。

二つの手掛かり品が、人から人へと移動し、
定番、すれ違いの喜劇に。
証書の字が読めない人って、昭和40年代には周囲に、もう居なかったな・・・。
途中で、茶店姉さん、
子どもの心配はどこ行ったの?ってな、つなぎなのが、ちょいと気になった。


「江戸遊民伝」:

1959年・松竹京都、萩原遼監督。
「河内山宗俊」のリメーク。

殺陣では評価が高い、近衛十四郎が、おなじみ宗俊に。
仲間の、用心棒浪人が、宇野重吉。
渋い。そして暴れる。かなり。

原節子の役が、青山京子。
先に原節子のを観てるから、
どうしても、あの可憐さと比べて、
ちょい大人っぽく、見えんるんだな・・・と。


しかしまあ、今回も基本的にまったく、同じ話ですから。
集金の景とか、逃走・潜伏劇とか、みんな一緒。

ヒロインAの弟めが、ああだから・・・
せこいご注進屋が、あんな事をするから・・・
ヒロインBの、やきもちが、こうだから・・・
親分が、あれだから・・・
あ~あ、ほんまに、もう・・・!
懲りない人達だなあ、まったく!と。

山茶花究(さざんか・きゅう)の小柄と、大芝居の話も、
大体、わかっているけれど、
それでもやっぱり、笑っちゃう。
最早、古典落語だ。

なぜ、ここまで、あの女達に、献身的になれるんだ・・・という位、
終盤の宗俊、すげえ。すげえよ。
大体わかっていても、やっぱり・・・ね。

走れ、駄目男よ!反省しながら。


以上。

注X:時代劇ヒーローものとしては、異例の、
   のんびり、のほほんとした、市井的喜劇。
   以後、映画・TVでの丹下左膳リメーク、というと、
   これがまず企画で出てくる、という逆転現象も起きた。

注Y:原節子の可憐さと、
   彼女に献身的な、男たちの言動・殺陣が、注目された。
   「江戸遊民伝」は、これのリメーク。

注Z:ある人物の喫煙シーン(観ればわかる)が、笑えるものの、 
  再就職も楽じゃない、浪人侍の悲哀、
  全体に暗いムードが、身につまされる・・・。
  完成・公開直後に召集、戦死した、山中監督の遺作。 


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  1. 2009/09/27(日) 13:30:18|
  2. 劇場用映画
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1
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コメント

さらば名女優・・・

女優・南田洋子、10月21日午前、逝去。
76歳。合掌・・・。
  1. 2009/10/21(水) 23:48:36 |
  2. URL |
  3. アWorker. #-
  4. [ 編集]

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