政の、日記。
27日、土曜、その後。
夜は、渋谷へ移動。
ユーロスペース、レイトショー。
<GEIDAI#3>初日上映&トーク。
東京藝術大学大学院映像研究科、映画専攻第三期生、修了制作展。
院生を作っている、HD撮影の5本を、日替わりで金曜まで上映中。
2作品のみ、2夜上映もあり。
昨年も、同様の上映企画に伺っているので、
進行の要領は、大体、わかっている・・・。
今宵の1本は、
十文字香菜子監督、「セジと少年合唱団」。
タイトルを見て、PRチラシの解説文を読んで、
まさか、「独立少年合唱団」(注1)みたいな、いたましい話じゃ、ないだろうな!?
と、観始めるまでは、大いに警戒もしていたが、
幸い、杞憂だったようだ・・・。
幼少時に父母が離縁したため、東京で母と暮らし、
成長した青年が、31歳の音楽書籍営業マンに。
ある手紙の存在がきっかけで、
会社の営業拡張と、里帰りを兼ねて、
ずっと会っていなかった父との、3週間同居を始め、
徐々に、母との思い出話を、語り合ってゆく。
やがてそこへ、青年の彼女が、やってきて・・・。
・・という設定なのだが、
東京のシーンが、明らかに、横浜周辺ロケ入り。
ドラマ上、それほど気にはならないのだが。
(大学院が、横浜にあるためだろう・・・の声)
お父さん役が、とても、いい。
柔らかな表情の良さ、徐々に聞き取れてくる東北弁等、
なかなか魅力的存在感。
近距離でで密度の高い、親と子の関係性とは又違った、
不思議な心地よさすら、垣間見えて感じられ、おもしろい。
ロイストン・タン(Royston Tan)監督の短編「Sons」(注2)で、
何も語り合わないが、何となくお互いを理解しているような、
父と子の関係性の話を、観たことがあるが、あれをちょっと思い出した。
主人公と交流を持った、地元少年の一人がつぶやく、
「大人の都合・・・」「大人の、わがままだよな・・・」には、
一瞬どきっ、とさせられる。
言いたいことは、親にもちゃんと言おう、という教え、
まさに、その通り!なり。
父・息子・少年と、三世代の関係性が、
老師・師匠・弟子、みたいで、ちょいと微笑ましい・・・のだった。
又、ヒロインと青年が、言いたいことを互いに言い放ちつつ、
夜の小川を走るあたりのシーンが、泣かせてくれる・・・。
父母世代のトラブルから、今の自分が抱く心配、
他人事ならず?心にしみてくる・・・。
手紙文の内容を、後に回して出したところと、
トンネルの前で止まって、振り返るシーンが、
ああ、一つ山を越えた、という気持ちにさせてくれて、よろしい。
いい余韻を、残す作品。
上映後、筒井広志監督の司会、諏訪監督のコメントにより、
5作品監督との、作品批評トークに。
しかし、こちらはまだ、1本目しか観ていないので、
どうも、わかりにくいのだった・・・。
これは、やむなしか。
と、ここで、またしても、仰天す。
院生修了製作監督の、5人の中に、真利子哲也監督が、いるではないか。
既に、「刑事まつり」シリーズまでやった、
あの監督が、なぜ、ここに?
何でも、ドキュメンタリー調の作品を、多く撮ってきたので、
今度は、ドラマ(劇映画、という意味らしい)を撮りたいから、
学びに来ていた、というのだ。
感心なことであるが、さて、成果は、どうだったのだろうか・・・?
もしかすると、次回に・・・つづく。
注1:緒方明監督作品。以前も少し触れた。
ドラマの重心が、音楽から離れていって、
昔の社会派ATGっぽい、組織論作品になっていた・・・。
注2:
ラフォーレ原宿で開かれた、
<アメリカン・ショートショート・フェスティバル2001>で、上映されていた。
ロビーには、無料のジェリービーンズがいっぱい置いてあって、
食べ放題だったなあ・・・。
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- 2009/06/28(日) 02:45:06|
- インディーズムービー
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