政の、日記。
27(水)と28(木)、フィルムセンター。
水曜、晴れ。
「吸血鬼ゴケミドロ」。
東映の佐藤肇監督と、脚本家・高久進が、
松竹に出張って撮った、異色のパニックSF映画。(注1)
これも、大井武蔵野館(注2)で、初見だった。
高英男氏の、追悼を兼ねての、再見となった。
額が裂けて、ドロドロドロ・・・。
ごうわく監督の、「恐怖の未知無知生物X」(注3)が浮かぶ・・・フッ。
パニック映画だから、当然のように、登場人物は皆、パニクる。
政治家も、兵器会社社長も、宇宙生物学者(サンプルはあるのか?)も・・・。
社長の妻は、最初から、少しおかしいのだが・・・。
皆、彼らのあまりな言動に、場内、苦笑漏れる。
わざとらしく、落石が起きたり。
絶海の孤島?かと思ったら、案外、だったり・・・
このB・C級チープ感も、なかなか、悪くないね~。
ラストの台詞のインパクトは、ある意味、
「日本沈没」の、「何もせんほうが・・・」に匹敵する、かも。
60年代、ベトナム戦争時代の制作とはいえ、
この時代と今と、なんだか又、似てきてないだろうか・・・?と。
木曜、本降りの、雨。
とうとう、梅雨の季節に。
SF特集の、最終回は・・・「宇宙からのメッセージ」。
ロビ-も、座席も、大賑わい。
やはりというか、映画ファン方面での知人の姿も、数人見かけた。
松田寛夫脚本、深作欣二監督。
出演俳優・スタッフとも、仁義無き!東映京都カラーで、
近未来宇宙戦争ワールド(!)を、
「里見八犬伝」プラス「スター・ウォーズ」的イメージ含みで描いた、大作。(注4)
「惑星大戦争」よりは、翌年公開された元祖?SWに、
かなり近づいた、造形と画面。
クリアーなセット撮影、派手で一直線な展開、
テンポのよさ、編集のキレ。
ロクセーラ(成田三樹夫)の、堂々たる悪役ぶり、
ビッグ・モローの騎士道的決闘に、
JAC集団アクション、
盛り上げる音楽、
もう、すべてが・・・サイコー!ブラボーっ!
しかしまあ、ばあちゃん役2人が、男!
天本英世(注5)と、三谷昇(注6)ですぜ。
あれは、シュールだ・・・何度観ても・・・。
アレの配役に比べれば、ハンス王子は、まともだ・・・。
まあ、でもあのカンカン帽子の兄ちゃんが、
<勇者>な世界、だから・・・ありなんだ・・・ね?(注7)
それと宇宙空間遊泳では、ちゃんとヘルメットしろよ~!と。
エンドマーク、一同、拍手喝采す。
以上。
注1:
このコンビ、後にTVで活動、
「キイハンター」「アイフル大作戦」「バーディー大作戦」「Gメン’75」等で活躍。
監督追悼時の「映画芸術」記事等によると、
制作当時の松竹に、この手のパニック・SF映画が、
わかる人がいなかった為、外から2人が呼ばれた模様。
なお、共同脚本名義の小林久三氏は、
当時松竹側の所属で、現場のお目付け役。
後に、推理小説作家として、名を成す。
注2:
80年代、東京都内の大井町駅近くにあった、通好みの名画座。
2階建て、スクリーンは洋画・邦画の2つあったが、
終わりごろは、1つだけになっていた。
今のシネマヴェーラ渋谷に、近いスタンスのプログラムだった。
岡本喜八・大林宣彦・石井輝男監督等の、特集上映が多く、
故・石井輝男監督がよく、ゲストで来訪した。
注3:
そういうエンタメ系自主映画が、あるのだ。
仕掛けは、まるで違うのだが、何となく連想してしまった。
注4:
「里見八犬伝」も、同じ深作監督で、角川映画化された。
あちらはちょっと、場面展開のせっかちさが目立ったが・・・。
注5:
東宝映画「殺人狂時代」の悪役よりも、「仮面ライダー」の死神博士で知れわたっている。
注6:
「ウルトラマンタロウ」の終盤で、副隊長を演じた。
注7:
この映画には、萬画(漫画)家・石ノ森章太郎先生が参加、漫画も存在する。
石ノ森先生の劇画「009ノ1」に、この人物と似たようなキャラクターが、居る。
まさか宇宙ものにも、出てくるとは・・・。
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- 2009/05/28(木) 23:27:25|
- 劇場用映画
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