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シネマ旅の途上にて

自主映画ウォッチャー、アWorkerのブログ。

ザ・マーキュロ!*21「俺たち、自由な扮装者」

秀の、日記。


5月23日、土曜午後、
15時より、neoneo坐。
3プログラム拝見、各回1000円。

各回とも、20数名の訪問者・観客が集まり、
結構、にぎわっていた。
懐かしき70~80年代自主映画から、90年代の逸品まで、
思い返しつつ、堪能す。


まずは、<8ミリ駄菓子映画/幻活のリョーキの世界>。

幻活「特報!幻活映画予告編特集」:

洋画風なロゴマークから、すでに大いに遊んでいて、じつに楽しい。
みんな、本編を観てみたい作品ばかり。
でかい乾電池を背負ったヒーロー?などには、笑った・・・!

赤土輪監督「実録猟奇娘・激突!蛇婆ァ」:

ナンセンス劇画の絵を、基にしたとおぼしき、切り絵アニメ版。
夜中に、黒いコスプレ衣装のヒロインが、猟奇を求めて徘徊するが、
警官がまるで怪しまないのが、すでに変。
東京コミックショーが混じった、怪人蛇婆、それなりに薄気味悪い。
ここぞ、というときに、憧れの男性先輩仮面?が助けに来るなど、
アクション・ヒロインものとしてのツボは、
しっかり押さえているのが、律儀というべきか。
やや成人枠向きの、紙芝居として見れば、面白い。


同・監督「走れロマンよ!実録猟奇娘」:

オール実写版、黒いワンピース衣装のヒロインが、
偏平足マスクの水虫仮面と、
たわいもないギャグをやりながら、無邪気に戦う!
4人の水虫手下男に取り囲まれたり、まるで女仮面ライダー。
ヒロインが突っ走るすぐ横を、小学生の列が通るので、なんとも可笑しい。


これらに加え、今回は、8ミリではないが、
実写版「猟奇娘」シリーズ・主演女優女史が、
その後、海外滞在時に撮影した、周辺記録映像が、おまけ上映された。
「実録・リオの子供たち」。

貧しく、犯罪も暴動も頻発する、という街で、
しかも周囲の住民は皆、不法建築住まい、という地域でありながらも、
何なのだろう、あのひたすら前向きな、活気にあふれた雰囲気の世界は・・・?

青年達は、木材を仕入れては、観光販売用の楽器を作り、
子供たちは年中、サンバの延長で、歌ったり、踊ったり。
何だか、ものすごく明るい、陽気な、たくましい子供たちだな~、と。

なお、なぜか日本のマXX大使(!?)が突然、登場する一幕もあって、笑えた。


次は、17時より、
<幽閉された女の怨念・岩瀬美穂VS内向王子・太田智丈>。

岩瀬美穂監督「でたら女連歌」:

もしも故郷の、桜の木の化身が、あなたの母親だったら・・・?
という、和服で和風な、ひと時のおとぎ話。


同・監督「九十九里浜の女」:

夕陽にきらめく海、漁師の地引き網、波の音。
もしも、かつて男に裏切られた女の怨念が、
魚のいわしに乗り移って、その男の元にやってきたら・・・という、
ちょっぴり、こわいナレーション入り。
さばかれてゆく魚まで映す、丁寧さ。
昔話に、ぴったり?


太田智丈監督「シオマネキ」(再見):

アテネ・フランセ?だったか、初見時には、
あまりの内容に、ちょっとたじろいだもの。

TVやエンタメ系映画に慣れきった目には、
落ち葉や水や、草木を映してゆく画面は、ある種近視眼的で
テンポがのろく、ナレーションも無く、
男の身体部位接写?等もあって、
かなり、しんどい映画なのだ・・・。

だが、しばらく辛抱して、じーっと眺めていると、
バラバラのピースだった、場面の数々が、
徐々に、ある共通の光景へと、つながってゆく事に気づく。

一例を挙げれば・・・
最初のほうで、
この霧で曇ったような景色は、何だ?と、いぶかって見るうちに、
やがて、それがどうやら、窓ガラス越しの風景だった事がわかってきて、
あ、なるほど、と思う。

また、やはり最初、よくわからないラベル表示付きの箱が出てきて、
人体のヘソを、指でしつこくいじるシーンが頻発し、
それらの、よくわからなかったシーンが、
ヘソの尾と写真で、ようやく、無言のストーリーに、つながっていく。

木の枝になる、柿の実と皮の変貌は、
小さな連続ドラマのようにも、見えてくる。
(あたかも「鴨川ホルモー」の、栗山千明の変化のごとく・・・?の声も)

50分間、<局部~周囲視野~全景>という、キャメラ視点のとり方によって、
しんどさ・脱力感と、異例の面白さとが、同時にじわじわとやってくる、
不思議な味わいの、アート・フィルム。


その次が、19時よりの、<眼差しと、その力>。

竹平時夫監督「デッドエンドレス」:(おそらく・・・再見)

工場前?で遊んでる、普通の子供たちを、なんとなく?撮っている、初めと終わり、
都電の往来を、短いカットで編集したシーンなどが、印象に残る。
そして、キャメラに向かって、ガラスを割る・・・度胸、というのか、驚いたものだ。
この時代(‘83)の自主映画は、BGM選曲のセンスが、いいのが多い・・・。


山川直人監督「自己と他者」:(確実に・・・再見)

トリウッドで観て以来。
気がついたら、折に触れ、10年に1度は?上映を観ているような。
中盤の音声が機材の関係が、若干聴きにくかったが、
映像はそれほど、劣化していない。

この映画で、真っ赤な上着の室井滋は、
あれからもずっと、若い・・・。
<起承転結>や、赤文字の英文等の字幕も、
男女関係を問う台詞の、理屈っぽさと青臭さも、
今や、懐かしい感じが・・・。

独白劇する白塗り青年は、寺山修司映画のよう。
でもあちらよりはもっと、アメリカンな洋画・洋楽寄りの、
当時としては洗練されたイメージが、ある映画。

自転車のスローモーション・シーンに、ドラム音楽がかかる辺りは、
今観ても、驚き!なり。
NG集?も音声入りで、楽しめる。


上映終了後、十数名と残り、1000円、
交流会にて、食事あり。
皆で大いに、語らうのだった。


以上。

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  1. 2009/05/26(火) 07:26:23|
  2. インディーズムービー
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1
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コメント

覚書・・・です

6日の土曜に、<co2 inTOKYO>レイトショー。
大盛況の中観た「そうなんだ」は、かなり面白い・・・!
機会があれば、後日記す予定、なり。

でもまず、早く家のPC、直さないと・・・。
ずっと止まってた、部屋の空調は、
やっとこさ、直ったんですが、ね。
  1. 2009/06/08(月) 20:02:23 |
  2. URL |
  3. アWorker. #-
  4. [ 編集]

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