秀の、日記。
29日夜、19時頃より、六本木界隈。
ヒルズの下では、春の屋外アート展が、花盛り。
梱包用の発泡スチロールをつないで、
白いキリンや和室?を組み上げてあったり。
筆と墨で、希望者に巻物の掛け軸を、描いてもらうコーナーがあったり。
プロジェクターで、床の足元に動めく映像が、投影される所も。
なぜか・・・服脱いだ男性達の、はいつくばる背中姿が、いっぱい・・・。
あの場では、ちょっと、えぐい眺めかも・・・?
丸いステージには、メタルで出来た、ベビーフェイスのロボットが、
鉄人28号のごとくに、そそり立ち、
左右に向きを変えて動き、時折口から、火を噴く!
それを大勢の見物客が,写メール等で撮っている。
ゴジラかウルトラマンを、呼びたくなる光景。
つい、ほくそえむ。
中庭の池に、スモークの雲海が出来ていて、ライト・アップされていた。
まるで、「西遊記」のOP、ちょっと空中浮遊な気分だ。
その横を、白い風船を持った人々の行列が、ぞろぞろと歩んでゆく・・・。
さて、シネマート六本木、レイトショー。
今夜は、お待たせ!の、<女子女子over8>。
女子2名が主人公、という条件で制作された、
自主映画監督8人の、新作短編映画8本、一挙上映。
今回は東京・名古屋両エリア周辺の、出身監督が出品。
3週間公開予定。
20時40分からの、レイトショー初日は、
既に立ち見状態の、大入りに。
やむなく、数人と共に、中央の通路部分に座って、観る。
終わり頃には、さすがに体力が尽きて、ぐったりに・・・。
せめて、5本目の前に、休憩を入れてほしいのだが。
でも、観た作品群の仕上がりは、なかなかよろしく、充実感があった。
まだ体力が残っている人々は、その後の記念オールナイトで、
「自由」や、PFF入選の傑作「筋肉インフルエンザ」等を、観てゆくのだろう・・・。
非番日の昼間だったら、後半の未見作群を、絶対、観るんだけどなあ・・・。
作品、簡単に紹介。
皆、10分から14分程の、DV短編。
なお、各作品のつなぎに、
角隠しの花嫁が車の男を追って脱走、
バイクで走り回る、線画アニメが入り、ちょっと愉快。
しかし、あられもないなあ・・・。
西條雅俊監督「土井さんの不幸」:
人の不幸は、蜜の味!とばかりに、
そういう筋ばかりを書いている、小説家志望の女。
いきつけの喫茶店で、周囲の人々を観察、
投稿小説のモデルとして、アレンジするのだが、
編集者には、どうも受けが悪いようで。
ある日、書いてる小説に似てきた状況が?
目の前で、別バージョン展開を・・・。
大人向けの、いわば読み聞かせ。
ナレーションと文字が一杯、
文庫本小説を、さ~っと読んでいる感じで、
気楽に観れる、一本。
山田光栄監督「ramify」:
都会で服飾デザイナー志望中の女子学生、のどかな正月里帰り篇。
正月明けに、地元出身の若い男女で、バーべキュー新年会。
近況報告の話に、花が咲く。明るいな~。
大根おろしを出す、おばあちゃんがユーモラス。
明け方の畑道で、将来の事など会話し、
時に一人で空を見上げる、
友人女子2人が、さわやかで、いい。
酒井健宏監督「街の右側」:
アパートやショッピングセンターで、集団強盗チームをしているらしい、男女。
最初出てきたフードの人物、
男か?と思ったら、だんだん、女とわかる。
あるアパートで、先客?に縛られていた、
おびえる女性を、アジトに連れてゆく。
やがて女2人で、ドライブしつつ、
服や化粧等の事で、つかの間の交流が、芽生えるが・・・。
台詞が極度に少なく、途中の展開が説明不足なせいなのか、
ところどころで、筋がよくわからないのが、難点。
終盤のドカン!が、やや唐突な感じも。
女優コンビは、役がそれらしくて、まあ、いい感じ。
ナリオ監督「記憶という名のバスと真冬のリディム」:
田舎のローカル・バスに、小学生少女が乗ると、
初対面の女性乗客(謎の女優・まちゃまちゃ)が、
隣席の少女に、妙な事を訊きだす。
「鳴るの?鳴らないの?」などと・・・。
最初、観客同様、質問の意味がよくわからぬまま、
そっけなく、大人の(?)対応をしていた少女だが、
後から次々と、風変りな乗客が、増えてきて・・・。
結構根源的なところを突いている、問いの意味が、
ようやく判明する、活気ある終盤が楽しい、
とだけ言っておこう。
今回、一番面白い!と小生も、太鼓判。
正しく人生は、旅。
鎌田千香子監督「月照の歌」:
アコーディオン弾きの男と、河原で暮らす、
麦わら帽子の少女(というか、こちらは大人の女優)が、
壊れたはずのTVに映った、ロングへアの少女(女優・・・)に気づき、
会いに行こう、と一人旅に出る、のどかなファンタジー。
道中、「アタックNO・1!」みたいな一団が、揃って行進したり、
墓地で、黒の組織?がくねくね踊りするなど、
寺山修司の舞台を、中京の郊外で撮ったような、
ちょっと不思議な光景を、楽しめる。
河本隆志監督「アメリカ女」:
日本人の妊婦女性が、自分の出産準備中に、
同居中の、日系ペルー人女性の、恋の心配をする話。
自分の過去のような、男関係での失敗をしないだろうか?と、
妊婦はあれやこれやと、気をもむのだが、
相手の男性と、荷物を動かしている日系女性は、
当人は、「あたしは、あなたでは無いのよ!」と言い返す・・・。
案ずるより生むが安し、案外、そういうものかも、という話。
妊婦女性の弟が、ちょっとパンク?な感じで、目立つ。
世話見のいい、弟だな~。
佐藤良祐監督「ライツオブリトルタウンズ」:
最初、湿地帯の森の中で、女性が水に浸かっている。
同じ森らしき場所が、
TVやプロジェクターがある部屋の、大きな画像に映っている。
赤い画面、暗い部屋のソファーに、OLらしき女性が寝て居て、
もう一人?の女性が、ドアの前を這って、屋外へと出てゆく。
(後で思うに、おそらくここで<分離>があったのだろう、の声)
黄色いマフラーをしたまま、地下鉄に乗ったり、夜の街中を出歩いたり、
再び森の中で、沼地に沈みかけて・・・と、さまよう。
(愛知万博、なつかしいな・・・の声)
徐々に、2人が、同じ顔の人物?らしい事、
昼夜のシーンが交錯している事などが、見えてくる。
その後になってから、2人がはっきりと<分離>するシーンが来るので、
ああ、なるほど、そうか、となる。
(附:初見時に、この部分で、ちょっと混乱?したので、
後日もう一度、確認に行ったのだった。)
しかし、冒険心を持ちながら、なかなか「えいやっ!」とは踏み切れない、
現代人にとっての、ささやかな夢というか、ちょっと楽しい発想。
自室に居ながらにして、どきどき感が味わえそうだ。
毎晩だとさすがに、落ち着かないだろうが、
まあ、時たまならば、と。
それにしても、あの袋を2つ持った、夜道の人は、いったい誰・・・?
それだけは、ついに、わからなかった・・・。
(何しろ、夢だからなあ・・・の声)
有馬顕監督「やまないカーテンコール」:
バーにて歌う、不倫美女歌手の、迷い道くねくね騒動喜劇。
不倫相手の一家を殺して、その後、死を選ぼう・・・
と思いつめ、ついに決行。
滅びの美学に酔いつつ、死地へと逃亡すべく、
つっけんどんな女性ドライバ-の、タクシーに乗るが、
次々と、歌手の美学を崩す、番狂わせな展開が・・・。
見所はずばり、女の名コンビによる、戸惑いと叫び。
それこそが、テーマそのもの。
身もフタもない台詞の応酬に、随所で、笑わされる。
MIKA&中原翔子の、派手なわめきまくり演技を、
最後の最後までたっぷりと、堪能できる・・・!?
初上映終了後、舞台挨拶あり。
大半の監督と、一部出演者により、
にぎやかに、明るく、執り行われたのだった。
満員の場内は、暖かい拍手に、包まれていた・・・。
以上。
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- 2009/03/29(日) 09:02:47|
- インディーズムービー
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