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シネマ旅の途上にて

自主映画ウォッチャー、アWorkerのブログ。

ビーグル警部は、いつまでも

看取ってきましたよ。小雨降る中。
浅草東宝のラスト・プログラムを・・・。
結局4日間、通ってしまいました。


「風林火山」(1969年。こちらは三船敏郎主演版。信玄は錦之助、由衣姫は佐久間良子。裕次郎の謙信、数秒間?登場。隊列の空撮が長い)と「東京オリンピック」(1965。はだしのランナー・アベベや円谷幸吉が出ている。ドキュメンタリー)を時間の都合で初めから観れなかったのが心残りですが。

「日本海大海戦」(1969。三船敏郎が東郷平八郎。結構策士だ。ちゃんとロシア兵が出る。宮古島のイケイケ・シーンだけがひっかかる・・・)
「クレージーの怪盗ジバコ」(1967。植木等が谷啓に・・・!スパイダーマンもびっくり、のんきな追跡劇。スモッグ問題があの時代らしい)
「軍閥」(1970。戦時統制下で陸軍・海軍・新聞社の言論大喧嘩。特攻隊員・黒沢年男の台詞は、あの時期にはまだ出るの早い気が・・・?戦後なら当然言うだろうけど)
「山本五十六」(1968。三船が逆立ち。空中戦シーン多く画面明朗。米兵が全然出てこない。出演者ロールに池田秀一、の名が。まさかシャアの?)

・・・が結構良好なプリントで観れたし、まあよしとするか、と。
「日本沈没」だけかなり、黄ばんでたけど。(火と水の特撮はひたすらど派手。前半の学者解説等が長くて、待たされるのが難点。老人の横の女性は最初、愛人かと・・・?)

6時過ぎに行ったらもう、自販機撤去作業やってました。3台中2台は土曜から既に壊れてたんですけど。
(だって、ミルクセーキのカップが倒れて出てきてたんですよ!上から150円のミルクセーキがジャー、とかかりました。)
だからお客さん、ドリンク持参率高かった。
緞帳(どんちょう)もここ数年ずっと、降りなくなってたそうです。
来るものがきた、というべきか。よくもった、というべきか。
ロビーでは記念撮影に来たらしき人々の「TVも記者も来てないなー」「ああいうのって銀座までだったな」などの声が。

60人近い観客は「東京オリンピック」のマラソンランナー達がドリンクをもう一杯(余計に)飲もうとするシーンに、「日本沈没」の田所博士が暴れるシーンに、笑っていました・・・。

ここが今後どうなるのかは、売店の人も知らないそうです。
近所の名画座群はずっと、もつのだろうか・・・?
さらば、浅草東宝。



で、だしぬけに主水日記。

思えば前週日曜に野方で、さいとうりか監督4年ぶりの自主新作「寅蔵と会った日」を観れたのも何かの縁、だろうか?

オール浅草ロケ。名所風景は殆ど網羅している。
片や主役青年と地元の名物らしき白髪男性のにわかコンビ、片や青年とのデート予定をすっぽかされたヒロインの双方が晴天の下、浅草の名所界隈をさまよい、駆けっこし、互いにすれ違い、いろんな通行人達に出会い、その後再会?する、というだけのシンプルな展開で、それ以上に何か特殊なものがある、というわけではないが、のどかでのんびりとした全体の雰囲気にひと時、心がなごむ。

青年は玩具入りの袋を持った駄々っ子のごとき老人(寂しがり屋なのだろう)の散策につきあわされてデートをすっぽかし、老人はヒロインへの接し方、謝り方を<寅さん>のごとく伝授する。
ヒロインはお洗濯の後、青年と一度は落ちあいそこね、隅田川のほとりにて持参弁当がらみで子供連れの男女に出会う。
最初は出会って3年目位のピンチ・カップル?とも思われたが、どうやら子連れ夫婦らしい。(気づくまでしばらくかかった。)
鈴木明日香がおなじみのユーモラスな味を出す。子役達、なんだかとても楽しそうにはしゃいで見える。(はじめは近所の子か、従兄弟あたりの子ども?かと思っていた。)
和服の山内洋子、近所のおっさん風の石川謙がゲスト的に出るのも微笑ましい。(あの石川登場シーンが浅草東宝周辺である。すぐ後ろがJRAウインズなのだ。空気に溶け込んでる・・・?)

途中の交番、および終盤夜景の<音声>吹き込みシーンについては人により解釈が分かれるところ。
観てから小生も、いろいろな可能性を考えてみた。
(もしやいわゆる幽霊が出てて、交番の人も知らずに居た、とか?の意見も。)
だが、よくよく考えるに小生はやはり、あれはシンプルに当の人物が物陰から指南をしている、と解釈して良いと思う。そのほうが自然である。お節介焼きでもシャイな所があったんだ、という風に。

後味のよろしきお散歩中篇。
浅草のくつろいだ一日、のどかな休日をありがとう。


以上。








浅草東宝の<興収ベスト10>(なのか?2本立てはどう扱ったんだ?の声)。
プログラムを見て、つくづく、終戦x0周年・x5周年企画大作は集客力があるもんだなあ、と。
戦中派も反戦派も相互ディスカッションのためにとりあえず、観るのだろう。今の角川版「YAMATO」もそうなんだろうな。
後、昭和40~45年度の社会的話題性、が大きく作用してる気がする。<ノストラダムスの大予言>ブームとか。日本だけだったらしいけど。
80年代以降のはフジテレビ大宣伝のファミリー向け動物映画「タスマニア物語」だけだもんなあ。
アニメが入ってなかったけど。浅草ではやらなかったのかな。
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  1. 2006/01/31(火) 23:47:30|
  2. 映画(全般)
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:3
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コメント

お疲れ様でした

浅草東宝も、僕にとっては思いで深い映画館でした。だだっ広い場内で、古い映画のオールナイトはこんな今の今まで、よくぞやってくれたなあっていう思いでいっぱいです。

それにしても・・・本当、ここ10年ばかりで一体、幾つの映画館が幕を閉じたのでしょうね?

惜しいと思いつつも、これだけ巷に廉価なDVDが氾濫してしまっている現在では、映画館が生き残る術は非常に厳しいものがあるのかもしれませんね。
  1. 2006/02/12(日) 02:41:35 |
  2. URL |
  3. シネマ秘宝館斎藤館長 #-
  4. [ 編集]

時代かな・・・

最近は、あそこでしかかからない東宝旧作が結構多かったのですが。
土日は各所のいろんな特集上映やイベントと重なりまくってて、オールナイトに全然行けなかった、それがくやしいです・・・。
シネアートン下北沢やラピュタ阿佐ヶ谷がやや近い日中プログラムですが、浅草東宝オールナイトはつくづく安かったなあ・・・と。

ちょっと前まではスクリーンで試写会的に観てからソフトを、という人が結構多かったですけど。
今は初めから自室で廉価版やレンタルソフトを観る人が増えてるようですね。他人に気を使わず気軽に観れるからでしょう。
作品DVD化ごとに単発イベントやるほうが人が集まるみたいだし。
画面の大きさと迫力、ムード、客席のライブ感を楽しむスクリーン派との接点が少ないんでしょう。ちょっと寂しいことですね。
あれはあれで、ロビ-でのカンカンガクガク聞くのが楽しいんですけど・・・。
亀有にはMOVIXが出来るとかで、スタッフ募集してるみたいですね。



  1. 2006/02/12(日) 16:47:58 |
  2. URL |
  3. アWorker #-
  4. [ 編集]

ふゆのそら

しかし、それにしても・・・
最近は空いてる日の夜でもオールナイトに行ってないなあ、と。ついついやりすごしてしまう。
よほど必ず観たい!という作品が来ないと重い腰が上がらないです。

冬場のオールナイトって行くのは外が寒いし、中ではあったかいんですけれど、真夜中頃や明け方はどうしても・・・眠気が・・・。
気合と対策、が要るんですよね。

それだけに一本でもちゃんと観れたときの喜びは、はかりしれないものがありますよ。ほんとに。
集中して観るのには、やっぱり小生は映画館やホールのほうがいいです。
  1. 2006/02/12(日) 17:08:10 |
  2. URL |
  3. アWorker #-
  4. [ 編集]

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