政の、日記。
じゃ、もう一丁いこうか。
「チェ 23歳の革命」。
キューバの圧制ゆえに立ち上がった男、チェ・ゲバラ。
そのゲリラ的革命戦は、
徹底した、戦地現場主義のやり方。
戦法上の合理性と、他所勢力との要求すり合わせ、
医療対応、国語浸透対策、志願兵指導、
革命成就後の理想追求予習、と、
若き日の革命家は、寝る間もない忙しさ。
いったい、いつ、寝ていたんだろう・・・?
基本的に、勝っているときの戦線状況だから、
後へ行くほど、観ているこちらは、
だんだん、気分が良くなってくるのだった。
それとは別に、
1本の<映画>としての撮り方が、なかなか、おもしろい。
映画の大半を占める、
革命戦初期の、森林や山村での野戦・進軍状況を描いたシーンでは、
キャメラは普段、ほとんど揺れないで、景色をゆったりと映し続ける。
内輪の違反から処刑者が出るシーンでさえ、
森林内の、日常的雰囲気の中で、
淡々と、厳しい<粛清>が行なわれている、という風に映される。
それらの、ゆっくりゆっくりしたような雰囲気が、
敵軍らしき唐突な銃声とともに、不意打ちで乱され、
味方の兵が次々と倒れ、にわかに緊迫感を帯びる。
その戦闘が一通り終わると、また、ゆったりした画面の流れに戻る・・・。
と、いうことが数度、繰り返される。
なるほど、これこそが本来の、<野戦>状況にちがいなかろう。
一方、それらの屋外カラー・シーンの途中には、
後年の、記者や大使とのやりとり、
国連訪問時の、大声での演説、等のシーンが、
白黒画面で随時、挿入される。
あたかも報道映像撮影のごとくに、
キャメラが前後左右に、せわしく動き、画面が揺れて映る。
戦地シーンとは、まったく対照的な画面処理。
2種類の画面のあり方が、
2つの世界を、同じ主義主張のもとで仲間と行動する、
主人公の姿と、状況に応じた行動の違いを、よりくっきりと、映し出している。
セミ・ドキュメンタリー・タッチの、二者のあいだには、
大きな温度差が、あつらえられている。
そんなあり方が、
丸っこい戦車や、赤い車のシーンまで、
引っ張られてゆくのが、つなぎ方として、おもしろい。
後編も、多分後日、観ることになるだろう。
以上。
これが、風邪休業の直前頃に、観ていた映画。
ゆえに、記事にした。
これをひそかに、キューバしのぎ、と云う・・・。
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- 2009/02/08(日) 14:03:10|
- 劇場用映画
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