秀の、日記。
8日、土曜。
昼まで仕事、和風弁当昼食。
午後は、渋谷へ向かう。
ついに、この日が、来た・・・・・。
「Happyダーツ」:
アミューズCQN、公開初日。
既に事前予約で満員の、2回をやり過ごして、
次の回に、そっと観てきた・・・。
(やっぱりかよ!の声)
入り、20~30代男女多く、50人位。
オープニングから、画面編集が突っ走っていて、
早くも、乗せられた。面白い。
ダーツ初心者にもわかりやすい、ルール解説を心がけていて、
なかなか、親切丁寧な作り。
主役をはじめ、皆、投げポーズが、キマッてる。
後半でライバル役その1の、強豪女性が、特にすごい・・・。
これは、半端じゃ勝てん!と思わせる迫力。
(よく、出てくれたなあ・・・の声)
精神集中力がものをいう、勝負の連続は、
さすがに、手に汗握る展開・・・。
進行のテンポも、解説マンも、快調。
「美しきチャレンジャー」という、
強引・豪腕な、女子プロボウリング・ドラマを、思い出した。
男目線・女目線のギャップ込みで、
恋や女性像に関する、
こわ~い、えぐ~い心理分析を、
さらっと漫画チックに、ギャグ仕立てにしているのは、
いかにも、松梨監督流。
いいぞ。
主役・辺見えみりのOLが、どぎまぎしつつ、
男性と坂を歩くシーンなど、
どのシーンも、いちいち、可笑しい。
相棒兼アドバイザーに、「あすか」の(!)佐藤仁美を、
持ってきたのが、ぴったり。
名コンビ結成に、成功している。
しかし、コミカル・ドラマ的展開とはいえ、
あの人達の尾行姿は、あまりにも目立ちすぎだぞ。
刺客に暗殺を頼む、お代官様か!と、苦笑。
小生ならばもっと、暗めの色で、
全員揃いで、地味な忍者風の、尾行衣装にする・・・。
(それも怪しいだろ!の声・・・)
とんがったユーモアと、サービス精神が、
競技者ならではの、求道精神描写とともに、
主役にふさわしすぎる(!)終盤まで、しっかり貫かれ、
お見事、一本!なり。
客席やロビーには、
女性心理解説部分への反応だろう、
明らかに引いている、カップルや女性客も、
一部、いるみたいだったが・・・。
互いに懐が広くないと、恋は長続きしないものなり。
これも又、真理よのう。
人の及ばぬ夢に向かって前向きで、かっこいい加藤和樹でも、
モロボシ・ダン店長(渋い魅力!)でもない、男性諸氏は、
まず眼鏡の男性アドバイザーあたりから、基準にすべきかも。
(ただし、やりすぎない程度にね・・・の声)
でも、あれだけ夢中になれる事があるってのは、
ちょいと、うらやましくもあるな・・・と。
最もツボだったのは、自分でも意外だったが、
他流訪問試合の、衣装。
競技ものとはいえ、よく、OK出たなあ・・・と、
プロデューサーの心の広さに、感心したのだった。
夕方、自主映画イベント<SUPER-B-DASH>に、
挨拶がてら、暫時のみ立ち寄る。
松田彰監督の大転回作、「お散歩」(再見)のおかげだろう、
お客さんの入りが、とても良い。
高岡晃太郎監督の奇ッ怪作、
「心霊スポット」「世界保健体育BAR」(共に再見)の、
シュールさ、ナンセンス度の濃さに、再び笑いつつも、
後ろ髪引かれる思いを胸に、そっと退場す。
その、訳は・・・。
「プリュレ」:
朝刊で、林田賢太監督が、
1日に急逝した、と知り、大慌てになる。
たまたまだが、
舞台・映画方面を以前拝見した、さる演劇人の方が、
制作上関与している、映画なのだ。
これをそのまま、やり過ごす事は出来ない・・・・・。
異例だが、ユーロスペースのレイトショーを観よう、と決意す。
入り、30~40代男女中心、60人位。
反応は、悪くない様子だった。
別々に育った姉妹が、雪の田舎町で再会、
しばらく洋菓子屋に同居生活するも、
やがて、一人が、往年の放火癖を発動してしまい、
心の絆が深くなった2人で、一緒に逃げ出して・・・という、
哀愁の、ロードムービー。
(良い子のみなさんは、決して、まねしないようにね!の声・・・)
全体に、落ち着いた雰囲気で、
静かに2人の行動を、眺めているキャメラ。
広範囲でロケされた風景は、きれいに撮れている。
ヒロインたる、双子の17歳姉妹は、
今、どっちがどっち?という位に、よく似ている。
喫煙・放火こそするが、
相手を常に必要としていて、悩むいじらしき少女と、
ナイーブで病弱、清楚な印象が残る少女。
という2人の区別は、徐々についてくるのだが、
衣装を交換していたら、多分、
そこでは判別が、つきにくいだろう。
その辺はファンタジックで、
映画的には、微笑ましい光景。
脇の固めに、
味覚障害の洋菓子屋(無茶や・・・)や、
恋ゆえに?消防士志願の男子高校生、
骨折中のキックボクサー?と、
不器用さを抱えた、男性達が出てくるのも、
悪くない配置なり。
ただ・・・筋が・・・どうも、よくない。
納得できない箇所が、目立つため、
主役の双子姉妹が時折、
間が抜けて見えてしまうのが、欠点。
火付けの発端が、幼少時のアレなのは、わかったけど。
あれだけ連続で、放火犯やってて、いつも現場に居たら、
すぐバレて、とっくに、捕まってるはずだろ~!と。
警察の捜査網を、甘く見すぎ。
これじゃ、遠くには、とても逃亡できないよ・・・。
携帯使用で逆探されるのに、
気づくのがあまりにも、遅すぎるし。
「復讐するは我にあり」の犯人なら、
もっと用心して、策を講じるぞ!と。
(いや、比べられても・・・の声・・・)
繰り返し放火する少女は、もう、病気だが・・・。
それを、止めようとしているはずの少女も、
火災シーンの最中に、微笑みシーン、って・・・。
それは、おかしいんじゃないか・・・・・?
こちとら、そこまでの感情移入は、無理・・・・・。
なんだかんだ言って、
2人が自分達の世界しか、見えなくなっているから、
こうなるのだろうが・・・。
「いい子ぶるなよ・・・」の台詞には、唖然。
あんた達、とっくに道中で悪い事、しまくってるだろうが!
これでは、単に自分勝手で、
周囲にハタ迷惑な、怪しい2人にしか見えなくなる。
いいのか、これで?
と、つっこみどころは、一杯だが。
脚本家を一人付ければ、
筋の細かい是正は、十分、可能だったのではあるまいか?
(前にも、どこかの作品に対して、同じ事を言ったような?の声・・・)
ヒロイン達の、透明な存在感は、大いによろしいし、
澄み切った空気の、旅行風景は、よく撮れているし・・・
あれが、この映画のいい所なので、勿体無い気がする。
しかし、それらを伝えるべき相手たる、監督は、
最早、この世に、居ないのだ・・・。
リベンジ作品を、作る機会さえ、もう無いのだ・・・。
まさか、これが劇場デビュー作にして、遺作になろうとは・・・。
32歳・・・
これからまだまだ、新作を意欲的に、やるべきはずの人に、
突然の退場は、あまりにも、早すぎる。
せめて、作品を残した事が、
救いになっていれば、と、祈るしかない・・・・。
一観客として、合掌。
以上。
*追記*
土曜に、SUPER-B-DASH会場で、
水戸ひねき監督の、えぐいホラーコメディー「森のボンジュール」「恋は致命傷」、
飯野歩監督の、アクション痛快作「ハズしちまった日」をも、
ご覧になられた方は、間違いなく、大ラッキ-!でしょう。
エンタメ的には、すばらしいラインアップですよね。
9日(日曜)は、同じBABACHOPで、
午後1時半から、河野和男監督の春夏秋冬四季一巡映画、
「夜明けまで」も、観れますよ!
スポンサーサイト
- 2008/11/09(日) 01:33:44|
- 劇場用映画
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0