半兵衛の、日記。
正月から、いつしか。半年。
とうとう、本格的に・・・夏。
7月2日、水曜。
平日には珍しく、交通のアクセスに恵まれて、。
フィルムセンター、18時の回に、ぎりぎり、間に合った。
またしても、約20年ぶりに、観てきた・・・。
よくぞ、フィルムが残っていたものだ。
「うしろあたま」。
斉藤久志監督。
1984年制作、翌85年PFF入選。
2巻、124分の長編。
初めに、監督の短い挨拶。
途中、掛け替えのため、10分程度空きます、とのアナウンスの後、スタート。
ロングヘアーを、ばっさり刈って、
ボーイッシュなショートヘアに変えた、女子大生が、主役。
乗った電車で、女子同士のたわいもない会話を聴き、
高校の同窓会では、皆と呑みつつ、
一歩引いたような視線を、垣間見せる、ヒロイン。
女子高生時代の回想シーンは、モノクロで、
ところどころに、フッと、挿入される。
京都での修学旅行、教室での友人・恋指南談義など。
過去と現在(ただし80年代)、いずれのシーンも、
セミ・ドキュメンタリー・タッチで、いきいきと描かれ、映し出される。
ぶーたれながらも?なんて、明るく、穏やかな日々であろう・・・?
過去のカットがフッ、と挿入される編集が、リズムを良くしている。
大学祭中に、「スターウォーズ」の殺陣を見せる、
忍術研究会?らしき者達の、姿も。
なんだろう、この明るい、晴れ晴れして、
閉塞感とは一見無縁な、
広々とした、空気は・・・。
万事がそのように、セミ・ドキュメンタリー風に進行していたが、
終盤、学園祭屋上での、学友との再会シーンの後、
ヒロイン一人になるや、
突如、画面が赤一色に変わり、
一転、フィクションの色が、急速に増してゆく。
そして・・・
ヒロインは、笑顔を作りながら、
服を脱ぎ始める・・・なぜか。
しかしやがて、困ったような表情をも、見せ始める・・・。
かなり、長い印象だが、
それほど古びた感じは、しなかった。
映画的描写自体に、自由な雰囲気とリズム、
学生期らしい息吹が、溢れているからだろう。
観ている間じゅう、
80年代の、キャンパスの空気そのものに、
どっぷり、つかっていた・・・。
無論、あんなに明るくナイーブな雰囲気だけの、青年時代でも無かったのだが。
少なくともあの頃は、世の中にはもっと、
根拠こそ無くっても、なにがしかの<希望>が、あった気がする・・・。
以上。
斉藤久志監督は、その後、商業系映画デビュー。
PFF出身組の、今やお家芸?ともいうべき、
極度の<キャメラ据えっ放し&長廻し>を駆使し続け、
その延長上にある、
PFFスカラシップ制作の「はいかぶり姫物語」(1986)、
劇場用映画「フレンチドレッシング」(1997)等を、発表した。
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- 2008/07/03(木) 20:51:06|
- インディーズムービー
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