主水日記。
6/9、月曜夜、20時半少し前。
買い物の後、シネマアートン下北沢、レイトショーへ。
半ば、おそるおそるだが。
あの、80&90年代、自主映画界で暴れまくった、
福居ショウジン監督の最近作、
「出れない」と「the hiding 潜伏」を、観るために・・・。
2本とも、フィルムではなく、DV撮影。
しかし、手だれの福居監督、
メディアや画質の違いなど、軽々と勢いよく、あっさり飛び越えて、
しっかりと恐い、サイコ・ホラーを、生み出してしまった。
(そりゃ、こわくなけりゃ、ホラーじゃねえや!の声・・・)
結論からいえば、2本ともサイコ・ホラーとして、
十分、上出来の部類に入る。
心配したゲロゲロ・シーンも、
今回は比較的に抑え目で、正直ほっとした・・・。
2作とも、
それぞれの理由で、閉所にひきこもっている人物達の、
不本意に味わってしまう恐怖を、
思いっきりなおびえ方を見せつける、主役の演技と、
やや大きめな、しつこい位の、効果音やBGMの断続的連打によって、
つとに強化している事、
時制すら越えた反則技?な場面展開へと、観客を導く事、などで、
題材と手法が、概ね、共通している。
「出れない」では、
主役がひきこもっている室内と、外部世界との関係性が、
サイバー妨害、毒ガス等の介在で、寸断されたことにより、
わずかなる外部とのつながり具合が、
幻聴らしき状況とあいまって、サスペンスを生む。
終盤は、
なぜ誰も、それまでそのビデオの存在に、気づかずにいたのか?
という疑問も、若干残るが・・・。
貴方はひとりじゃない、という外部からの呼びかけと対の、
関係性寸断の象徴として、とらえておこう。
「the hiding 潜伏」では、
乱暴な、「マトリックス」風の女逃亡犯が、
脳波直接読み取り、らしき能力を、主役に対し発揮する。
キャメラ自体を、全方向大回転させた撮影シーンを、
めまぐるしく細かいカットつなぎで、要所要所に効果的に配し、
めくるめく迷宮シーンを、超ハイスピードで、
竜巻化してみせる手腕は、文句なく、見事なり。
そうそう、80年代のPFFなどには、
こういう編集の物凄さがもたらす、
超ハイスピードな見せ場を含んだ作品が、
一体、いくつあったことだろう!
とついつい、登場人物の脳裏のごとく、ハイスピード回想してしまう。
「出れない」の、比較的セオリー通り?なラストに比べ、
「the hiding」のあまりにも、ぶっきらぼうなラストには、
正直、唖然とさせられるが。
あの超ハイ!な迷宮の果てとなれば、
最早、整合性すらどうでもいい、
酔えれば、ええんじゃ!状態と、なるのであった・・・。
とにもかくにも、<映画>として、
すこぶる面白い事は、保証しておきたい。
以上。
このわずか4日後に、
シネマアートン下北沢が、急に閉館するなど、
この場にいた誰が、予想しえただろう・・・?
翌週以降のプログラムも、この時点までは、
HPに、アップされていたはずなのだが・・・。
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- 2008/06/03(火) 01:39:18|
- 劇場用映画
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