主水日記。
チバテレ、平日14時台の、時代劇枠。
月曜の「女ねずみ小僧」、
決死の江戸城潜入作戦で、終了。
次は、「伝七捕物帳」に。
一方、水曜枠は、「必殺橋掛人」が、既に終了。
最後は、子連れ狼!との対決、
龍次が、男の子と、自分の元妻?を引き取って、
後妻・小娘とともに、平和な家庭を作って・・・終わり!
珍しいんですよ、こんなに穏やかな終わり方の、必殺シリーズは。
らしくなくて。
で、今週水曜からは・・・やっと来た、「必殺仕事人」第一シリーズ!
ファンの間では知られた話だが、
この「仕事人」シリーズのスタートには、有名なエピソードがある。
制作当時、
前番組は、「跳べ!必殺うらごろし」(注1)。
<オカルティックな、金にこだわらぬ、正義の味方>という、
斬新なコンセプトで始まった。
だが・・・
ユニークな内容にもかかわらず、いやユニークすぎたがために、
<金を貰って、許せぬ悪人を消す>、という、
従来のハードボイルド路線好みの、必殺ファン(特に男性)層からは支持が薄く、
視聴率が低迷、短めで終わった事に、
制作側の危機感が、つのっていた。
で、その次では、<必殺の原点回帰>を目指して、
最終作覚悟の状況下で、新作の「仕事人」が始まった、という・・・。
それがまさか、メンバーチェンジ等、様々な変化のうちに長期化し、
70年代から80年代にまたがり、84話も、続く事になろうとは・・・!
当時売り出し中のイケメン俳優・三田村邦彦氏(注2)演ずる、
<飾り職人の秀>が初登場した事で、女性必殺ファンが、急増したのである。
「新必殺仕事人」からは、中条きよし氏扮する<三味線屋の勇次>も登場、
その後の<必殺ブーム>に、いよいよ、火がつくのである・・・。
中村家のやりとりを、合間と締めに据えた、ホームドラマ的設定(注3)も、
主婦や中高生、サラリーマン層に、よりなじみやすくなり、
ハードボイルドさを残しつつも、ファミリーで観るドラマへ、という、
必殺シリーズ開始時には、およそ予想し得なかった状況と、
時代に則した、TVバラエティ的色合いへの変化が、始まっていたのである。
記念すべき「仕事人」第1話、サブタイトルは、
「主水の浮気は成功するか?」。
しかしながら、本筋上では、主水の浮気のウの字も、出ないのだ・・・。
悲恋を味わうのはむしろ、秀。
つきあいのあった女店主が、
高額の強請(ゆすり)を繰り返す、武家兄弟のせいで、
自殺したのだ・・・。
主水は、最初は任地の八王子で、
せん・りつと共に、のんびり暮らしていたのだが。
勘定奉行の呼び出しで、急遽、江戸詰めに戻される。
わざわざ奉行を動かして、主水を呼び戻したのは、
将棋会所の主人たる、江戸の老元締・鹿蔵(中村雁治郎)。
その一方で鹿蔵は、
妻子持ちの逃亡浪人・左門(伊吹吾郎)を、
一仕事10両で、仕事人として雇う・・・。
一度は、主水を追っ手の男と勘違いした左門が、
主水に斬りかかる一幕もあったが、
やがて、鹿蔵と2人は顔を合わせ、
連絡係の半吉(「笑点」ざぶとん・山田隆夫)を含めた、仕事人チームが結成。
強請屋兄弟を始末中に、突如、
投げノミで乱入したのが、秀だった・・・。
初期「仕掛人」等をほうふつとさせる、かなり、ハードな立ち上がり。
「今、江戸に仕事人は、一人もいねえ!」
「みんな、死んでった・・・」
と、過去を振り返り、復帰を渋る主水に、
「地獄へ持って行く、手土産は、あるか?」
「この手は、xxxxを殺した手よ・・・」等、
迫力ある説得をする元締。
二人のアップも入り、なかなか、こわい。
この初期「仕事人」、
高校時代にも,土曜の午後、
テレ朝の再放送で初めて、観たもの。
金曜22時に、「必殺仕舞人」や「新必殺仕事人」を、
リアルタイムで観ていたのと、前後する形で、
「仕事人」の始めのほうを,観たのだが。
初期の秀、
若くて荒っぽく、血気にはやる感じの役で、
服の色も、赤茶色っぽい。
後の落ち着いた、ややストイックな感じとは、大分違う。
使う仕事道具が、かんざしではなく、
細工物を削るノミなので、初見時はびっくりしたものだった・・・。
中盤より徐々に、変化してゆくのが、わかる。
ここ当分は、まず、
水曜のこれを観る事に、なるだろう・・・。
以上。
注1:
役名は、
旗の柄を投げる、行者の中村敦夫氏が<先生>、
撲殺技の和田アキ子氏が<若>、
刃物を使う<家政婦>?市原悦子氏が、<おばさん>・・・絶句もんだ。
世間的には、若の<頭部半回転撲殺>技が、VTR紹介で有名。
注2:小説「限りなく透明に近いブルー」の映画化に、出演。
注3:「仕置人」「暗闇仕留人」「新仕置人」の大半など、
締めが必ずしもホームドラマ部分では無い回も、シリーズ当初から結構多かった。
「新仕事人」頃までは、
締めが主水と妻・りつの<夜の床>直前シーンで終わった回も、まだあった。
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- 2008/03/19(水) 20:14:38|
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