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シネマ旅の途上にて

自主映画ウォッチャー、アWorkerのブログ。

刺客人マキ・四「屍、拾う者も無く」

主水日記。


24日、日曜午後、16時以降。
前日に引き続き、<東宝アクション>特集、2本。

谷口千吉監督、「遥かなる男」
・・・は、牧場で流れ者の男(池部良)と、
移動中の養蜂家(田崎潤)親娘と、牧場主親子と、
定住者の牧童頭らの間で、いざこざが起こる、
いささか、かったるい白黒映画。

どうにも、間延びしていて、
活劇シーンも鈍重、弾まない。
東宝青春映画と、日活高原アクション路線を、
一緒にしたような感じ。

田崎潤と、憎々しげな牧童頭が、
目立つ演技を見せて、全体を支える。
当時新人の家田佳子、
泣き方が、吉永小百合に見えてくる。

状況が変わると、
ころっと態度が変わる牧場主に、場内大笑い。
追っ手の悪役・平田昭彦らは、
あまりにも、見せ場が無かった・・・。


福田純監督、「血とダイヤモンド」
・・・は、これぞシビアなる、宝塚映画版ハードボールド。
神戸の研磨所から、高額のダイヤを強奪したギャング四人組。
主犯格が脇腹に被弾したまま、一同逃亡。
彼らを追う、別のギャング一派と、警察捜査チーム。

犯人一同は、
遠くへ動けないまま、夜中の某所に隠れる。
仲間の2人は、近所の医師親娘を、
リーダーの治療のために、取り押さえてくる。
そこへ更に、海外系保険屋の下請け契約を取っている、
クールかつドライな、探偵が割り込み、状況は錯綜する・・・。

とにかく、犯人もギャングも、ブローカーも保険屋も探偵も、
出る奴出る奴、人間不信がひどく、打算的で、ルール無用、
人格が、最低な奴らばかり。

互いに、あいつなんか信用できねえ、と始終警戒、ころころ裏切る。
皆、自分の利得ばかりを勘定しており、
いけ好かない奴らばっかりで、全く、へきえきする。
当時新人・石立鉄男の青年など、まだしもましな方。

医者親娘がいなかったら、まるっきり、
後世の「レザボア・ドッグス」や「SCORE」、そのものになる。

そのあげくに・・・
あのむごたらしいラストは、皆、天罰であろう!
やけっぱち度の描写は、
深作欣二監督の「白昼の無頼漢」などより、やや落ちるが。

筋と出来は、きわめて良いのだが、
やはりいい気分には、なれない。
ちょいと、胸くそ悪い気分で、劇場を後にした・・・。




以上。





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  1. 2008/02/26(火) 00:54:36|
  2. 劇場用映画
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