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シネマ旅の途上にて

自主映画ウォッチャー、アWorkerのブログ。

ハナコス・7「はるばる、おいでやす」

鉄の、ぼやき。


ピンク映画、埼玉県の殿堂、
大宮オークラが、今月17日までで、閉館だってよ・・・。
今まではちと遠いんで、行った事はなかったんだが、これは残念だな。


で、監督特集で、土日に舞台挨拶があるらしい。
それゆえに、はるばる、この劇場を、見に来たのだ・・・。

大宮駅東口周辺を、散策。
初めて見る町の、なにげない通りや、
アーケードの風景などが、なかなか、おもしろい。

銅像のある東口から、すぐ前の通りを、
北の方向へ4分ほど行った先の、左に折れた目の前、
ひっそりとした街角の中に、大宮オークラの看板は、あった。
すぐ隣の1階が、ゲイシネマの、大宮オークラ小劇場。
ここも、17日で閉館だとか。

ピンク映画の受付とロビー、スクリーンは、階段を上がった2階。
階段の途中に、一部の主要人気女優の、写真展示がある。
3人ぐらい、わかる・・・。

自販機で、1500円の切符を買い、
受付で切ってもらい、ロビーへ入場。
映画は既に、始まっていた。
20人から30人位の、
白髪交じりの中高年男性、女装男性、一般女性など、
幅広い層の観客が、常時、座っていた。

休憩時間、明かりが点灯すると、
何というのか、懐かしさが、こみあげてくる。

そうだ、このピアノ上の曲がった屋根、
木造りの舞台や、茶色の内装は・・・

亀有名画座。
両側の壁は若干違うが、
それ以外は、雰囲気がとても、近い。
よく似ている。
あの頃の感覚が、よみあげってきたようだ。
やっぱり、来てみてよかった。

さて、上映プログラムだが。
80年代から90年代の、なつかしの作品が多い。

初めて読む人には、毎度馬鹿馬鹿しい?タイトルかもしれないが・・・
あれはあくまでも、営業用に後から付けられた配給タイトルであり、
作品によっては、内容や脚本タイトルとは、まったく別物だったりするので、
くれぐれも、ご油断なきよう・・・。
一度観たものもあるようだが、あえてそのまま、紹介。


土曜プログラムは、<山崎邦紀監督セレクション>3本立て。

「愛人秘書 美尻蜜まみれ」:

バリバリの、青年ワンマン実業家、
シビアな競争社会での激闘論者、
リストラ御用、軍隊式訓練導入・・・。

その分、敵も多く、棒術使いの女刺客が年中、襲って来る。
そこで雇っているのが、
<僕>言葉を無機質に話す、
中国服の、女ボディーガード兼秘書。

社長宅では、バレエの練習、
でも一人になると、宇宙へ向かって、
「この星の人間が嫌いだ・・・早く、助けに来て・・・」とぼやく。

一方、兄の社長と同居する弟は、気弱で優柔不断、
出来ることなら、卵のように生まれ変わって、自分を変えたい・・・と、
ベッドを共にする女にもぼやく日々。

やがて、この人々に、ある心境変化の季節が、訪れる・・・。

尻に卵を突っ込むなど、
変な弱気治療法が、のんきな感じの、エロスシーンあり。
アクションとしての、迫力はいまいちだが、
SFと女カラテ映画がミックスされていて、
両方好きな人には、ちょっといいかも?


「視線スト-カー わいせつ覗き」:

女性精神医学者に、半ば観察・研究の対象として、診察を受けている、男。
伯父の遺産として、屋敷を一つ、相続した。
で、よせばいいのに、各部屋に盗撮ビデオカメラを設置、
部屋を貸した住人たちの私生活を、丸覗き・・・。

それを、伏せたまま、
一人の女性と、直接に接触をする彼。
だが、やがて住人たちに、すべてがばれて・・・。
結局、男はすべてから、自らを開放する道を選んだ。

住人の、妙な茶髪クリスチャン・コンビも、
ちょっと妙な生真面目さで、存在感あり。
説明台詞が、ちと多くて、
ピンク枠としては、やや固すぎる印象も・・・。


「淫女乱舞 バトルとわいせつ」:

ピンクの天敵?エイズ対策のSF話。

医学界を追放され、助手と独力で、エイズ対策ウィルスを発見する博士。
だが、落雷の影響で、変化したウイルスにかかった助手が、急死。
なんと、感染後一週間以内に、
未感染の誰かとセックスしないと、死亡するウイルスだった。
(そんな、むちゃくちゃな・・・ありえねえよ・・・!の声)

既に感染していた医師は、感染症状の進行で、
脳内に、サルの鳴き声が、響くようになる・・・。

かくて、風邪を他人にうつして治ろうとするがごとくに、
多人数の間で、バトンタッチ・ウイルスの順繰り感染とSEXが、
状況説明をする、博士の携帯電話とともに、次々と、リレーされてゆく・・・。
(劇とはいえ、まだ、エイズの原因が、
よくわかっていなかった頃に、制作されたのだろうか・・・の声)

となれば、当然、
最後の人物が死んだら、すべてが終わるはずなのだが。
最後の3人で、にわかに様子がおかしくなり、皮肉な決着が・・・。
いくらなんでも、そんなアホな。脱力・・・。
出番が遅い、里見瑤子が、救いだな。


日曜プログラムは、<加藤義一監督(X岡輝夫脚本)セレクション>3本立て。

「痴漢電車 ゆれて密着おしり愛」:

痴漢しつつ遊び人してる、兄貴分と弟分。
ある日、引退した近所の金持ち親父さんが、
弟分に、「息子にならないか?」と誘ってくる。

妻・長男・長女役を募って、擬似ファミリーを結成、
長男は嫁を呼び、一家共同で新生活を始めたが、
お父さんの持参金は見つからず、
弟分は長男役になじみ始め、
残された兄貴分は、やきもき・・・。

擬似家族ゲームの、ピンク版コミカル・ホームドラマ。
妹役が、長男役より、明らかに年上なのが、苦笑。
昔の松竹喜劇あたりで、やりそうなお話。


「スチュワーデス 腰振り逆噴射」:

金持ちの、条件イイ男性を、
一日も早く選んでゲット!することしか頭にない、
合コン命の、スッチー(後のフライト・アテンダント)と、
医者の友人で自動車修理工の青年との、つかのまの交流。

偽者医者を演じてまで、彼女と触れ合おうとする青年には、
ある哀しい理由が、あった・・・。

故・林由実香嬢が、珍しく、修理工助手役で、
かいがいしくも、ボーイッシュな魅力を見せる。
運転手姿も、意外に似合っている。

しかしまあ、この主人公の合コン相手や、モーションかける相手たるや・・・
医者に、弁護士に、アラブの石油王に、映画俳優に・・・
かつて言い寄っていた、つぶれた大銀行の男にストーカーされても、懲りない・・・。
あんた、節操無しかい!
ええ加減にせえや!もう、勝手にせい!


「絶頂スクープ 生出しレポート」:

これが今回、一番おもしろい。
某民放テレビ局をイメージさせる、
女子アナウンサー業界の、成り上がり物語。

ある先輩女性アナウンサー・Aにあこがれる、
深夜でバラエティ要員活動中の、新人女子アナウンサー・Pが主人公。
報道カメラマン男性のQと、同棲中。

ある日、男性プロデューサー・Gから、
色じかけでニュース番組アンカーの座を得ようとした、
先輩ベテラン女子アナウンサー・Fが、屋上から転落死。
屋上で彼女と喧嘩し、もみ合っていたのは・・・
アンカーを目指していた、A。

偶然、現場を目撃してしまったPを、
Aは、出世バックアップを条件にまるめこみ、
Fの死を強引に、美談化演出。
半ばマジで?泣いて見せる、P。

Aは、FとGの関係をネタに、
Gをも体技攻略、好条件を引き出し、
A&Pコンビは局内で、天下を取る。

G・A・Pの体制は、
その後発生する、放送事故スキャンダルさえ、
軽々と踏み越えて、
最早、盤石かと思われたが。
特ダネのニュース解説権をめぐって、内部トラブルが発生、
思わぬ結末が、待っていた・・・。

白い着ぐるみスーツの、<すりすり>バラエティ&ベッドシーン、
インタビューする野球選手の黒塗り(!)などが、馬鹿馬鹿しくて笑える。

終盤は・・・まあ、こういうもんでしょ、と。
当初の時点で、気づかなかったんか?Aよ。
俺でも分かるぞ、やれやれ・・・。


15時の舞台挨拶は、
土曜が山崎邦紀監督・佐々木基子・里見瑤子・ささきふう香。
最初に司会者男性が、音響が、これが限界ですみません、と謝っていた。



日曜のゲストは、二転三転?の末、
加藤義一監督・小川真美・ほたる(葉月蛍・改め)・華沢レモン、となった。

時間を30分取って、大蔵・小川監督組の現場の話など、
たっぷりと、貴重なトークが聞けた。
2月と5月中に、上野オークラで、加藤監督の新作が公開されるので、
そちらの出演者PRも、兼ねていた。

そして、小川真美女史は、
ずっと現役、
今や、大蔵映画のおふくろさん、であると感じたのだった。

是非、この日のメンバーで、1本、撮っていただきたい・・・。


以上。
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  1. 2008/02/11(月) 02:33:19|
  2. 劇場用映画
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