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シネマ旅の途上にて

自主映画ウォッチャー、アWorkerのブログ。

ビーグル75・揉事名采配

主水日記。


森田芳光監督の、リメイク版「椿三十郎」、
公開終了寸前にようやく、観れた。

都心部の劇場には、平日ながらも、
老若男女、40人くらい、入っていた。

で・・・難聴者向けに、字幕入り版なので、最初は少し戸惑ったが。
じきに、気にならなくなった。
むしろ、クロサワ版を観たときに、聞き取りにくかった、
一部時代劇用語が、とっつきやすくなって、助かってしまった。
後の筋は、白黒版のを大体覚えているので、追うのは気が楽だった。

全般的な出来は、なかなか良かった。
カラーにした意味は、庭のシーンで、十分に出ているし。

ただしラストの、アレを除いては、という条件付きだが・・・。
ノスタルジー交じりで、
おお、やっとるやっとる、とばかりに、眺めてきた小生は、
そこのアレで、がっくり、となってしまった。

織田裕二の三十郎、力んで、若干固い感じもあるが、
ぶっきらぼうに振舞いつつ、リーダーシップを執る姿が、
なかなか好ましく、ちゃんと、様になっている。
三船敏郎の堂々とした印象よりは、
調子のよさと機転のまわり様、血生臭さを嫌うキャラなどが、前に出ていた。

周囲の若侍達のわいわいやってる様子や、敵方の侍の大集団ぶりも、
大手の時代劇らしきにぎわいを見せていて、いい。
家老一家のキャステイング、まるっこい感じが結構、合っていたし。
押入れの男の役など、ドンピシャで、
OL層には特に、ウケていたのが、ほほえましい。


さて・・・
おそらく、多くのクロサワ映画ファン、特に男性層が、怒るであろう?!シーンは、
あの、ラストのアレ・・・だろうな、と。

いや、あのね・・・
前のと、まるっきり同じでなくても、
すごいインパクトが、無かったとしても
それなりに、作劇上の解釈で、納得できる演出だったら、いいんだよ。
前の時のアレだと、織田ファンの女性層は、引いてしまうかもしれないし。

ただ、あのつなぎ方だと、
少しばかり、くどい印象、というか。
凡庸に、見えてしまうんだな。
もうちっとばかり、緊張感から、一瞬の技が、
ピシッと決まった、という印象で、締めてほしかった・・・と。

単に無難な、完全リメークをするよりは、
たとえ壮烈な失敗?と見られても、大胆な挑戦をしているほうが、
それはそれなりに、見ごたえはあるものだが。

あの終幕の、描き様がために、
クライマックスを、やや欠いた感は、やはり否めない。
そこが、惜しい。
何か他の、新しいキメ方は、無かったものか?

しかし、とりあえず、
大掛かりな名作時代劇を、思い切って作った事自体は、
大いに、評価すべきだろうな、と。



以上。
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  1. 2008/01/17(木) 23:50:29|
  2. 劇場用映画
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