fc2ブログ

シネマ旅の途上にて

自主映画ウォッチャー、アWorkerのブログ。

ビーグルGメン・合戦

主水日記。


日曜の、終わり。
微妙に違う種類の、脱力感を、連続で味わった・・・。
両方ともある意味、
表現上の工夫に、意欲的な時代劇では、あったのだが。

大河ドラマ「風林火山」の最終回と、
テレビ朝日系スペシャル「敵は本能寺にあり」。


「風林火山」最終回は当然ながら、クライマックスが、川中島の合戦。
しぶどく演技し続ける、山本勘助と、平蔵。
よくぞ、しつっこいまでに、ねばった・・・。

しかし、存在感で大いに、合戦場を食いまくったのは、
あの長髪の、上杉謙信だろう・・・。
兜着用なしで乗馬し、戦場を疾走する様は、
大将としては無茶だが、絵にはなっており、
スターとしてのオーラは、間違いなく、あった。

それにしても、合戦場の野原が広い割に、
両軍の人員配置がばらばらで、
武将や足軽の人数が、何だか、少なく見える。
予算の関係、だろうか・・・?

上杉方、参謀役の宇佐美も、声が枯れてないか・・・?とか。
なぜ、信玄たちが、サッカーでもやるような円陣組んで、
「えい、えい、お~!」なのか?とか。
ひっかかる所も、多々あるが。

それでも、いつぞやのテレ朝版よりは、
ずっと、まともな仕上がりといえるだろう。


これにひきかえ、テレ朝系の2時間SP「敵は本能寺にあり」は・・・

とにかく、全体に、
人物達の、長台詞会話による説明がやたらに多すぎ、
印象が冗長・散漫にすぎる。
表現に動き、勢いといったものが皆無で、何とも、だらしない。
これは繊細なる、「天城越え」の名匠・三村晴彦監督の、手に余る題材だったようだ。

CG合成で、安土城を建てて見せたり、
京都の朝廷の前で、
ファッションショー?みたいな信長行列を、練り歩かせたり、
金のふすまを立てた前で芝居をさせたり、
と、絵画的に凝っているのは見えるのだが、
いかにも、悪い意味で作り付けの印象が、拭えない・・・。

その場その場の、台詞と絵巻物の羅列から、
めくるめく渦巻く画面の勢いへ、という表現レベルまでには、ついに至らない。
ようするに、アクションが、形成されていないのだ。

かんじんの、本能寺の変の合戦シーンも、
始まり方からして悠長な会話入りで、
前述の「風林火山」の合戦に比べても、いささか、張りにかけるきらいあり。

一応の主役である、明智光秀の娘婿が、
手下を使って、秀吉か家康の動向に気を配り、
かつ、秀吉(またしても、竹中直人!)が高松から、
早駆けで飛んで返して、迫っているというのに、
動機はともかく、信長や光秀の言動に、
なぜか切迫感と、説得力が、薄い。
家康の深慮遠謀ぶりには、まあまあ、納得させられるが。

焼け落ちた本能寺の遺体捜索、弔いシーンなども、
急変事にもかかわらず、
光秀サイドの皆が、あまりにも、
のんびりとくつろいで、対話しているため、
彼らの言動が、どうしても悠長に、見えてしまう・・・。
(京言葉の、土地柄からか?の声・・・)

そもそも、この手の話は、今年、
「信長の棺」という、ほぼ同じような背景・設定の企画でも、
既に描かれているし、
悠長なテンポなのも、殆ど一緒だったはずではないか?
このデ・ジャ・ブ感・・・。

かくて、感情の高まりの頂点たるはずだった、ラストの馬のシーンも、
これだけドラマ描写に力が無いと、腰砕けになる・・・。


題材は意欲的ながらも、
料理法を間違えた、という感じであった・・・。

次回は、このスタッフ・キャストで、
千利休の話とか、平安時代の貴族社会あたりの、新解釈展開ををやってみたら、どうか?と
監督の美的感覚が、もっと合った作品に、なるのではないだろうか。


以上。
スポンサーサイト



  1. 2007/12/16(日) 23:48:15|
  2. 時代劇
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<ビーグルGメン・強化 | ホーム | ビーグルGメン・見参>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://aworker.blog15.fc2.com/tb.php/444-a2d1c4eb
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

アWorker

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する