主水日記。
12月2日、日曜。
昼下がりの、ラピュタ阿佐ヶ谷。
<ダイニチ映配>特集、2本のみ鑑賞。
ダイニチ映配とは、70年代初期、
大映・日活ともに、経営的危機に瀕し、
窮余の一策として、ごく一時的に、
両社作品の共同配給を行っていた、その配給会社名である。
しかしまもなく、両社とも息切れ。
大映は倒産、日活も製作停止状態に。
日活は文芸・アクション路線から、
ロマンポルノ路線への転換を余儀なくされる・・・。
これは、そんな狭間の時期に咲いた、あだ花のような、
力作・珍奇作ラインアップ中の、2本である。
「流血の抗争」(‘71、長谷部安春監督)
・・・は、宍戸錠、佐藤充、藤竜也、沖雅也、梶芽衣子らが出演。
全く、タイトルどおり。
地方の街で、同盟関係の侠客2組の間に、
東京から来た、大規模近代組織の勢力が、割って入っており、
そこへ出所してきた、宍戸。
近代組織は、旧勢力両者を、巧みにいがみ合わせつつ、
兵力投入で、潰しにかかる。
かくて3者、ドスとドス、血で血を洗う抗争劇に発展。
かつての恋と別れ、再会をからめて、
後は、お定まりのパターンへ。
知的悪役・内田良一が、目立ってクールに、
かつ憎憎しげに、動き回る。
拳銃使用が、たった一丁だけ、ってのが、
さすがに、古い感じなんだが・・・。
しかし、仲間の仇討ち、といったって、
そう毎回都合よく、的がそこに居るとは、限らねえ。
そこで、最後に打ち入る、生き残り2人が、
とにかく、ねばる、ねばる、ねばる・・・。
ここが、見もの。
よくぞ、の頑張り・踏ん張りに、ただ、脱帽。
「喜劇 男の顔は人生よ」
・・・は、
<てんぷくトリオ>の重量級コメディアン、故・三波伸介が主演。
三波は手形落ちの借金で、ガソリンスタンドを失いかけている店長。
原因は、砂塚秀夫の、金にだらしない軟派男。
三波が、すっからかんの砂塚をとっつかまえた所で、
奇妙な儲け話を持ち出して、2人をその仲間に誘うのが・・・
またも出てきた、内田良一の不動産業者。
この一攫千金トリオ(3人組)が狙うは、
ベトナム戦争で忙しい、立川米軍基地の近所に残る、
旧家に住む老主人が持つ、土地の権利。
三波か砂塚を、そこの娘の嫁に・・・という、老人の頼み。
そばに仕えて、あきれ果てている女中が、
あの・・・夏純子。
そこへ地元のギャング達も参戦、一同が大ドタバタに。
ワル役で鳴らした内田が、
意外や?正反対な、せこい小ワル役を好演。
当時の他の映画ならば、とても想定できない(!)役だろう。
おいしい場面を、さらいまくっていた・・・。
12月4日、火曜。
地元にて、買い物。
ケーブルテレビの店が無くなっていて、驚く・・・。
時代劇チャンネルの画面とか
ショーウインドーのTVに、連日映し出していたのに・・・。
勿体無い。
同じく地元のシネコンで、「ALWAYS 続・三丁目の夕日」を観る。
どうにか、公開中に間に合った。
いきなり、東宝らしい派手なオープニングで、おおっ!となった。
やってる、やってる。ちょっと、うれしいぞ。
あの原作漫画だからこそ、これ位の洒落っ気は、出すのではないか?
寅さん映画に、よく夢オチ話が入っていたが、
これはもしや・・・続々編希望?
事前に一部周囲で、不評も聞いていたが。
続編としては、まずまず、悪くない出来だった。
おそらく、一部で不評の原因は、
芥川賞志望作家と、同居少年がらみの、話の展開のシビアさにあるのだろう。
だが。
そんなに、悪い話だろうか?
予告編の段階である程度、予測できる展開ではあったが・・・。
子役や六ちゃんの、なりきりぶり、心憎いばかりではないか。
こういう話は、東宝映画に限らず、
かつて数多くの邦画・洋画で、
メロドラマの<定番>として、ずっと、やってきていた事ではないのだろうか?
こちらも、そういう、メロドラマを観る心構えで、
普通に観れば、いいのだ。
その分、欲を言えば、
前篇から引っ張っている、部分的笑いのシーンを、
もう少し入れて欲しいのと、
後、できれば高速道路の想像シーンを、
この前の未来小説みたいな、絵にして出してほしかった・・・。
それと、もし普段、
食い物やお金を粗末にしてる、という人が、周囲にいたらば・・・
ただちに、この映画を、観せろ!
大いに、反省するぞ!きっと。
と、そんな感じ、なり。
さて、「新・三丁目の夕日」は、ありか?
やるとすれば、レギュラー・キャラを一新して、
まったく別な話をやってほしい・・・。
たとえば、茶川先生の作か夢、という形で、
オール古典SF調のやつを、数本つなげて、実写化する、とか・・・
オムニバス方式で、どうだろうか?
以上。
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- 2007/12/05(水) 01:03:13|
- 劇場用映画
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