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シネマ旅の途上にて

自主映画ウォッチャー、アWorkerのブログ。

王子か女帝か背徳か

旅人、覚書・秋の特別篇、その弐。


連休中は、イベントを巡る日と、
心身の体調をゆっくり整える日とが、必要である。
何しろ、どこもかしこも、
魅力的なイベントが、重複しあっているので、
絞るのが、大変である。

特に、<タクラビジョンvs韓国まんがまつり>に行く時間と、
体調を、キープできなかったことには、
大いなる後悔が、残っている・・・。
両者に関しては、面白さが保証つき!なので、
次の訪問機会を、待ちたい。


連休以外にも、観ている日時があったのだが、
先に、短編上映会関連より、記述する。



9月23日、日曜夜、16時前より、
下北沢近辺の、代沢、ラ・カメラ。
イメージリングス・<背徳映画祭>。

なぜ、あえてこの連休中間日の上映を、選んだのか?というと・・・
相当、どぎつい作品が混じりこんでくる、
という風評を小耳にはさんでいたため、なのだった。
(<ガンダーラ映画祭>とかいう企画の、延長上らしいし・・・の声)


たとえもし、そのどぎつい作品で、ダメ-ジを食らった!としても、
その後、丸1日休みが残っていれば、
心身のリカバリーは可能であろう、と念の為、用心したのである・・・。
思い切って、自ら決意した<お試し>体験とはいえ、
こちとらは、あくまでも<休暇中>、なのである・・・。
戦々恐々たる気分で、入り口の階段を上り、
ミニホールの椅子に、着席した。

休憩と入れ替え時間をはさんで、3プログラムを、
C~B~A、の順に、一気に、観た。

そして・・・事前よりの予感は、
Cプロの2つの作品に、いささか戸惑わされた、
という事に関しては、当たっていた。


まずはCプロ、<第2回背徳映画祭セレクション>より。
再上映のせいか、観客は男性十数名ほど。


大西健児監督「ブルーマックス」
小口容子監督「ワタシの王子」
吉行由実監督「メイド探偵」
村上賢司監督「拝啓、扇千景様」

立て続けに観ることが、いかにしんどい4本立てか、
昨年までに観た人ならば、よく、わかることだろう。

男女の肉体キュビズム、
(なぜ、牛肉のぶつ切りみたいな、局部的撮り方で撮るのだろう?
画面の流れに波、うねりというものが無く、ちょっと、肩がこる感じ)

理想の男性像を求める女性の本音吐露、
(アパート前で、主演自ら体を張って・・・風俗電話利用もいとわない、捨て身撮影ぶり)

躁(そう)状態のアイドル・プロモ・ミュージカル、
(ライト・ピンク映画流、ただひたすら明るく
、楽しげに跳ね回って、ダンス!
客席で皆、大いに笑うも、その次の作品が・・・)

骨肉燃焼・激烈炎熱スタント&恐怖の男女サドマゾ?監督の、
8ミリ映画談義ドキュメント。
(親の火葬撮影が、美しい、って・・・?やっぱり、グロイヨ!)

これで、心身にまったく変調をきたさなかったとしたら、
その人は相当、強靭なるなツワモノ、である・・・。
作品ごとの、イメージの触れ幅が、大きすぎるのだ。
特に1本目と4本目が、
アート慣れしていない?小生には、やや戸惑わされるものだった。

4本目の主人公監督にいたっては、
彼一流の<撮影快楽原則>そのものが、あまりにも強烈に過ぎ、
一応常人?寄りらしき小生から見ても、
もう、人間的についてゆけん!
と、さじを投げざるを得なかった。
虚構とドキュメントの狭間、というものを、
経験上よく把握しつくしている人物、といった印象。

観終わってから、刺激的映像群による悪酔いをさますべく、
会場近辺を、あてどもなく?フラフラと、ほっつき回った・・・。


気を取り直して、18時からのBプロに移る。
ここから今年の新作中心なので、関係者・訪問客が、どっと増える。
たちまち満席に。
反応もきわめてよい。
関係者の知人出演が多いためもあるだろうが、
知らなくても大丈夫、じっさい、作品がなかなか、おもしろい。

神農了愛監督「にょろにょろとうごくもの」
前田弘二監督「遊泳禁止区域」
いまおかしんじ監督「金鮎の女」
村上賢司監督「フジカシングルデート」

まずは、巨大な性器が女優にからみ、
不条理でエロティックな空気を醸し出す、
和風異形C級ホラー・モンスター調?ぬめりファンタジー、
ぐにゃぐにゃした、そのゆがみ方、ぬめり、うねりこそが、
女優の魅力アップにも、つながっている。
(何で作ったんだ?あれ・・・の声)

次は、
呑み会明けの朝、男女数名が会話しつつ、
住宅街をそぞろ歩きするだけの小品ながら、
ほぼ徒歩シーンを正面から撮るだけで、
ドラマと独特のリズム感をちゃんと形成している、
撮影の原点に帰った佳作。
(公園シーン、やばい撮影?の声)

3本目は、
主人公たる独身男性と、
いきつけの風俗嬢との、ミニ・デート撮影を監督がもくろむも、
代表代行登場?のユーモラス小品、
ポイントはカラオケと、釣堀・・・?
代理のことは、早めにいってくれないと、
途中までわからない人も出るのでは・・・?アンフェア寸前かも。
でも、なかなか楽しそうなデートだった。
(というか、ずっと付いてってるんだよね、監督・・・の声)


4本目が、
デジタル処理にミクシィ全盛の今日、
かつて隆盛を誇っていたメディアたる、
8ミリフィルム映画の存在意義は?と自問自答しつつ、
妻子もちの男性が、これまたデート企画?するという設定の、
デジタルカメラ入りのミニ・ドキュメンタリー風小品。
恋愛モードと、ファミリーモードが、交互に入る構成。
「拝啓・・・」ほどには、グロくない。
ただ、ナレーション部分の解釈にもよるだろうが、
作品撮影の都合上、ある程度、虚実混濁があるだろうとはいえ、
これって、やって大丈夫なんだろうか?と、
ちょっとだけ余計な心配を、してしまうのだった。


さらには、20時からの、Aプロ。
このときが一番、客が入っていた。
おそらく大半が、作品関係者と知人であろう。
ピンク映画関係者の姿も、目立っていた。


中野貴雄監督「欲情仮面ヒトヅマン」
村田兼一監督「迷宮の眠り姫」
吉行由実監督「ミルキー・オーディション」
しまだゆきやす監督「京都売ります」


1本目、タイトルどおりの、
ドタバタ、ホームドラマ&主婦変身アクション。
(観てないけど、似たような番組が、
ごく最近まで、テレビ東京にあったような?の声)

陽気で脳天気な、主婦役のお色気モードに、
ムチムチ女怪人達との、女子プロレス・バトル満載で、
画面前へと、押し出してくる。
戦闘中でも、姑レディーとの電話合戦が絶えないのが、
「ダブル・キッチン」みたいで、笑わせる。

もう一人の変身ヒロイン、お手伝いロボット「ズベロボ」も含めた、
予告編?数編も、あるでよ。
しかし、<ズベ公>って今、言わないよなあ・・・。
<スケバン>も東映映画より、桜塚やっくん?の時代だし。
ああ、昭和よ・・・。


2本目、これは暗い屋内で、ひたすら悶々とする(?)、
陰ある表情をたたえた、女優の魅力、という事に、尽きるだろう。
能天気なコメディーの後だけに、
濃厚な味わいが・・あるのだった。

3本目、またしても吉行流、アイドル・プロモ調炸裂。
自らの青春期にイメージを重ねたとおぼしき、
80年代ロック歌手と、とある4人組への、オマージュ作品。
思い入れが、強いのだろう。
(そういえばこのメンバーで、
オーデション関連の劇映画が、あったっけな・・・の声)
主演女史が、とんだ姿で踊るシーンなどが、場内爆笑。

ラスト一本、
とある大物音楽家(故人・音楽番組司会者)を偲ぶ、と銘打った、
今回最も、静寂なる作品。
京都周辺の森林や寺社、庭園をバックに、環境ビデオ的雰囲気。
裸女が一人、アーティスト向けのポーズで、
周囲の風景に溶け込んだ形で、出てくる。
風景撮影の流れがゆったり、ちょっと、長い・・・。
市川昆監督や、「往生安楽国」等の、高林陽一監督の作風に、近い感じ。
リラックス・ムードに、なった。


すべてが終わった後は、
さすがに、スタミナが消耗していた。
やっと完走した!という余韻と、
くらくら、ヨイヨイの酔い加減のまま、
下北沢駅へと、歩んだのだった・・・。


以上。
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  1. 2007/10/04(木) 19:15:12|
  2. インディーズムービー
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