主水日記。
8月17日、金曜夜。19時~22時頃。
池袋のミニバー・ブラックシープ。
<VECHERINKA!>なる、謎の名称の、
新作短篇上映付き、サマ-パーティーがあるというので、観に伺った。
主催・司会は、P-kraftの福島拓哉監督。
ワールドプレミア、お披露目新作・「知識人とは何か」の監督は、
同じP-kraftの音楽担当・関口純氏。
会場に行ってから知ったのだが、
このたび、その関口純監督が、
仕事の都合で急遽、約2年ほど、
ロシア(カムチャッカ方面?との事)へ赴任することが決定。
今回はその送別会を兼ねた、呑み会となった。
店長をはじめ、在留各国人の人々(フランス人多し?)が、
知己の日本の人々(ミニ映画関係者・監督が多い)と混じって、
大いに、交流に花を咲かせていた。
20時半過ぎ頃まで、
タマホーム、じゃなかった<ミニホーム>?なる、
女性ボーカル&若年男性2人のギター・ドラムによる、洋楽ライブ。
なかなかム-ディ-、声がよく通り、音質がよろしい。
歌手とは本来、こうでなくちゃいけない。
聴きながら皆と歓談、バドワイザーをしこたま呑む。
やがて、福島氏による解説付きにて、液晶画面による上映が始まった。
関口純監督の最新作、
「知識人とは何か」(2007年・21分・DV・カラー)は・・・
同監督が、誰かの書物に、触発(インスパイア)されて、撮った作品とのこと。
タイのバンコクで、P-kraft一行が映画祭来場のときに、
福島氏を主演の<教授>に見立て、
知り合いになった他国の人々(欧米方面も多し)をも出演者に、
撮影された、珍しい小品。
お金と人間の関係論を、
ドキュメンタリー・タッチの芝居、
車内での録音トーク、
各国語の入り乱れた台詞、黒い画面に入る字幕など、
正にご存知、ゴダール調で描く。
「お金が無ければ、生活は出来ないし・・・」
というシンプルなナレーションから、
議論と考察は、短時間内なりに、
更に<哲学>的に、広がってゆく。
夜、水の自販機を見据えた<教授>が、
「なぜ人は、これに、お金を払うのだろうか?」などと、
哲学的にぼやくシーンは、
いかにも<学者のぼやき>風だし、
夜目には白っぽく髪を染めたミュージシャン?みたいにも見えて、
ちょっと面白い。
廊下で助手?としゃべるシーンの音声が、
もう少しよく聞こえると、さらにいいのだが。
(なにしろ今回は、酒盛りしながら観てるからなあ・・・の、声)
選挙がらみの対話など、日本国内だったら普通のシーンだが、
異なる国情なので、こういう撮り方が、必要だったのだろうか?
そう考えると、ちょっと、緊張させられる。
ホテルの、各国からの泊り客が、
ワインクーラーの変な名前(なぜか<白スパイ>・・・)に気づき、
次々に電話で、フロントに問い合わせるだけの珍シーンも、ある。
断片の寄せ集め的描写・編集で、若干荒っぽさはあるが、
小規模なりに、ポップコ-ンの弾けるごとく?軽快な画面と、
身軽そうな人物達のフットワークが、いきいきした魅力を放っている。
よくある、徹頭徹尾生真面目な<社会派>的映画ばかりが、
劇映画やドキュメンタリーでは、ないはず。
こういう、ユーモアを交えた、ゴダール・オマージュ的表現手法も、
まだまだ、有効な議題アピールの可能性を、秘めているのではなかろうか?
という意味を含めて、概ね、好感を持った作品であった。
なお、続編は、既に撮影されており、
ロシアで残りの編集をする・・・そうである。
乞う、ご期待。
以上。
さて、短篇連作集上映企画の<over8>、
もう、第2弾が、待機中だそうです。
今回はずばり、<裸>が、テーマとか・・・?
何が飛び出すやら、これまた、楽しみですね。
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- 2007/08/19(日) 10:50:39|
- インディーズムービー
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