はぐれ仕事人・壱の、ぼやき。
チー坊・・・石立鉄男アニキが、とうとう、逝っちまったよ・・・。
三枚目の男達にとっちゃ、理想の人、だったよなあ。
しかし、あれだね、
しょぼい生き地獄と、ド派手な死に天国ってのが、
並ぶってことも、あるもんなんだな。世の中って奴は。
・・・え、何のことかって?
決まってるだろ。
渋谷で「赤い文化住宅の初子」観た後、同じ日に、
<水族館劇場>の舞台公演を、観たからだよ!と。
「赤い文化住宅の初子」は、
「モル」と「タカダワタル的」のタナダユキ監督の新作なんで、観に行ったんだけどさ。
とにかく、寒いんだ。わびしいんだよ。
延々、ずーっと。ドラマも画面も、ペッタンコしてて。
全体に、くすんでて。
一番遠い映画だよ、渋谷界隈と・・・。
地方都市に、女子の中学生がいてさ。
何だか、うすぼんやりした感じの子で。
短くぼやくときだけ、本音が見える、みたいなキャラ。
両親いなくなってて、
住んでる文化住宅には、テレビも電話も無くて。
電気も、よく止められてて。周囲はサビ色だらけ。
高校中退の兄貴とバイトして、
でも要領悪くて、クビになったりして。
つましい、すさんだ貧乏生活してます、って話一色でさ。
昔よくあった「ガロ」漫画の世界、そのまま。
100円玉、支払い別にツーって分けてるところで、
ツーンッ、って、わびしさがつのったぜ。
「必殺仕業人」、浮かんじまったよ。
後、赤毛のアンと自分の生活を対比するところ。
王子様がいなくても、近い人がいれば何とか、自分を保ててる、って感じだな。
ああ、いじましい・・・。
その女の子、ほんとは、好きな男の子と高校進学したいんだけど。
金が無いから一緒に行けない、って彼に言えないんだよ。恥ずかしくて。
兄貴からも協力断られてて、切ないぜ。「就職しろ!」って。
男の子も、鈍くてさ。
気付けよ、家へ行ったときに!
担任の女先生が、また、ひっでえの。
指導いいかげんで、風俗も兼業してて。
そりゃ、いくらなんでも傷つくよな。生徒も。
てなわけで、あんまり、心ときめく所は、無い映画なんだけど。
どぎつく悲惨、ってほどでもない描き方だな、一応。
本屋の10円玉シーンと、
宗教家の所にとんでもない人がいるシーンだけ、ちょっと笑った。
親父がらみのあたりは、エグくて、さすがに引いたかな~。
もしや、やるんじゃ?ってことが、そのまんま・・・。
「隼」のごちゃごちゃした部屋と比べれば、
ずっと、すっきりとした、貧乏描写なんだけどね。
お掃除、してるせいなのかな。
「モル」の生活観の延長線、ってことで、いいのか?
でも、やっぱり最後まで、徹底的に、わびしい・・・。
干物、のようだったなあ。
あれを観ちゃった後だと、<水族館劇場>とのギャップは、すごいよね。
時空を超えた、生き生きした地獄絵図、って何だかおかしいね。
じゃ、又な!
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- 2007/06/03(日) 01:08:09|
- 劇場用映画
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