主水日記。
世間は、連休前半。
でも、こういう日々の中でも出番があって、
仕事人してる(ぱちんこ仕事人、ではなく・・・)人々が、
いっぱいいる事を、小生も知っている。
合い間合い間で、休みが取れる小生の生活、
その人々のおかげなり、と、感謝しなければ。
さて、29日(日)。初めての<昭和の日>。
といっても、小学生時代には<天皇誕生日>だった人間だから、まだ、ピンとこない。
<みどりの日>だっていまだに、どうも、なじめないのだ・・・。
そのうちに<三丁目の夕日>に、なるんじゃないのか?
さて、この日曜は、新宿ロフトプラスワンにて、
<シネマ秘宝館32>に昼夜、どっぷりと漬かるのであった。
午後1時からの昼の部に、少し遅れて入場。
5時頃に一度外出し、夜7時の部に改めて並び、再入場した。
最近、一部では、内輪だけのものじゃないのか?とか、
レベルダウンしてきてないか?等を懸念する声なども、
時たま、複数、耳に入ってはくるのだが。
(どきっ!まさか・・・の声)
作品と笑いの質・センスを問われるイベントだからこそ、出る言葉なのだろうが・・・。
毎回、選者たる主催者の嗜好が大きくからむラインアップとはいえ、
あれは元々が、一様なセンスではない者の、集まりだったはずでは、ないだろうか?
作り手側、受け手側も、人によっても、受け止め方にばらつきは出るもので、
あれが合う人、合わぬ人が出てくるのは、実は本来、至極、当たり前の事なのではなかっただろうか?
世間様の男女全員が<現行シネ秘ファン>だったとしたら、
むしろ、気味が悪いはずなんだが。
とはいえ、その事で一抹の不安を抱えつつも、
いつもどおり、どお~んと、いや、そお~っと、行ってみよう、と・・・。
(欽ちゃんかよ!の声)
シネ秘元締・斉藤館長&広報秘書コンビの、
のどかな、ふんわり漫才?トーク姿を壇上に見つけると、
まずは、ほっとする。
さて・・・?
ご案じめされるな、レベルダウンどころか!
数段、上がってるじゃないか!
意欲的なラインアップが、たっぷりと集まっている。
旧作以来、シネ秘に縁の有るメンバーの作品や、
ベテラン復帰組作品の魅力は勿論の事だが、
今回は若手や新規参入組も多かったし、これが又、えらく面白い。
作品集めの大きな成果が、十分に現れている。
(実は、ここや他所のイベントで、何となく観た覚えのある作品も、幾つか含まれている。)
かつて常連客だった人々が壇上デビューしたり、
外部の学園祭方面から持込があったりして、
ちゃんと若芽は育っていたのである。
しかも、作品がちゃんと面白い。笑える。
一見してデタラメ、むちゃくちゃな発想の作品でも、
<身の回りの物と人体で工夫する>
<強引なテロップを入れる>
<落書き感覚のシーンを生かす>
<お店の人に好意的に協力してもらう>
<「終」、でさっと逃げる>など、
基本線は存外、きちんと(?)踏まえられているのだ。
学んでいる。いい意味で。
前回と比べても、当たり!の印象が、より強かった事は間違い無い。
大丈夫、観客も皆、盛り上がってるぞ!
さあさあ、心配御無用!観なきゃ損、損!なり。
とばかりに、入りもかなり良く、上々の部類。
ご存知の、シネマ関係者諸氏の姿も多い。
夜の部は、たちまち、満席に近い状況になった。
作品短評、各2~3行予定で、いざ。
なお、昼の部のみ、夜の部のみの上映作品が、各1本ずつ含まれる。
括弧内は監督名と上映時間。
<第1部 短篇作品・どーんと上映!!>
「ばくはつ五郎」&「ばくはつ五郎ZZ(ダブルゼーダ)」(高田勉、2本で1分):
どかん!わはは。まんまだね~。
池袋シネ秘のときも始まりは、サライ・ドカン!だったような。
SFと打ち上げドカン、最早ここでの定番なり。
「将軍暴れ旅」(高橋亨、5分):以前<賛否両論>サイトで配信したもの。
劇画時代劇調。宮川・赤星・松本・ザンス氏といえば・・・似合いすぎ。
ふんどし技、ロケット技、大いにウケる。<ガンコン>参加も可能?
ラストで、やっぱり場内、「え~!?」の嵐。
してやったり、<プロペラ>メンバーズ4人衆。
「充電池人間」(内田清輝、5分):高校生チーム作品。
メタルUFOがもろ吊りで、笑う。適度な脱力感がいい。
星人はきつね面、冷蔵庫からつなぎ服の人造人間が。
カラフル落書き、8ミリ全盛期を思わせるビーム描写、手描き感いっぱい、だしぬけな終わり方。十分、シネ秘の仲間入りだ。合格。
「ロサンゼルス物語」(天野力栄、13分):学生時代のサークル作品。
なぜか寿司屋の親父さんが、とんだ格好で握ってる。
からしの付け所(!)がチャームポイント。大ウケ。
でもちょっとだけほろり、ないい話。まんまな芝居も笑って許せる?
父子鷹、いや、乳子鷹。
「僕のスカイライン」(安原伸、4分):再見。
男が新車に乗って、車は・・・。
ワン・アイデアでこれだけ可笑しくできる、というお手本。
ナンパ時の反応に爆笑。
ドライブスルーも、マニュアル対応なのが笑える。
80年代、おおらかな一篇。
「明治天皇宇宙の旅」(安原伸、8分):再見。
え、え~と・・・タイトルそのままの、物語。SF冒険ロマン。
ぎりぎり、すれすれ、昭和の作品。
造形等からして、SWと「宇宙戦艦ヤマト」の線かと。
大変のどかな世界なり。
<第2部 気合い入った中篇作品!!>
昼の部のみ:「蛇閣童子」(内田伊久、19分):
ガンコン常連、バトル野郎な男が、監督で帰ってきた。
「スターブレーザー」おおなりてつや氏も、協力。
冒険ドラマへの原点帰り、
森のクールなカンフーヒーロー、大蛇退治のプロ、なかなか、やるねえ~!
ポーズも音も、ピシッ、ピシッと、キマッてる。
息が既に怪しい追い剥ぎ兄ちゃん達も、形無し。ビビる芝居もそれらしく。
自信満々な野郎だが、謎の美女には・・・崩れた。油断大敵。
とんだギャップがちょいと愉快。男ツンデレ?
そこら辺のコミカルさも含めて、画面に活劇らしきリズムがみなぎる。
ただ~し!
OP映像は、タイトルバックを除いて、予告編の後ろに廻すべし!
本編中盤まで、大蛇と女の姿は伏せておいたほうが、
一体どんなのだ?とじらされて、よりハラハラさせるぞ。
じらしも技、引っ張りも又、技。これ、連続活劇の奥義、なり。
さらにアクションと技でヒートアップして、
イキのいい続編、もう一丁!待ってるぜ。
夜の部のみ:「愛すれば」(金大錘、25分):
ゲイバーのストリップ・ダンサーと、新人サックス奏者、
踊りながらの、恋の顛末。優しい感じ。
以前、別スレでレズ・ゲイシネマ方面の特集上映について、ほんの少しだけ触れたのだが。
はじめからボーイッシュな色白の人物が女っぽく見えるのは、こういう映画には割とよくあるパターン。
そこら辺がちょっと弱いのだが、
こちらは、見ていて、切なくもすがすがしい。
そっちの気がある人には「違うよ~!」なんだろうけどなあ・・・。多分。
上野の某ハッテン場上映だったら、「ちょっと待て~!」な展開かも?
独占欲の強い支配人役が、一番しっかりと目立っていた事を、付け加えておこう。
昼・夜両方上映:「クライシス 北の国から」(田口清隆、27分):
昼・夜とも上映の前に、
「かなり激しい撃ち合いや、血が飛ぶようなシーンがありますので、多少きつい、という人もおられるでしょうが、ご了承の上、ご覧ください・・・」
との前置き説明がなされた。
ブラックな笑いを含みもつ、かなりシビアな、平行世界SF。
東西北海道統治分離、市民自衛団結成、
東京ミサイル空爆、隣国通信傍受、情報合戦、
内戦状態勃発、国土分断・・・と、
キナ臭い、血生臭い設定の自主戦争映画。
脚本に関しては、おそらく相当緻密に、書き上げられている。
深作欣二が撮ったのか、と思わせるまでの緊迫感と疾走の連続、
観ていて、いたたまれなくなる程。
内地のやつらは知らん顔だ、と室蘭の人物達がぼやく台詞には、正直、少しつらい気持ちになった。
こんな設定設定自体、シミュレーションのみであってほしいものだ。
銃撃戦シーンは、とにかく、ど派手!!痛みが伝わって来る。
こんな切迫した状況の合間にも、
<カニの刑>、カニの匂いでターゲットを嗅ぎつける、等の遊びが挿入され、一時笑わせるが、
すぐさま、次の悲劇がせわしく襲い来るため、
全体の痛ましさを「M*A*S*H」のごとき悲喜劇に転嫁するほどの中和作用には、ならなかった。
つい今しがた、笑ったのは、なんだったんだろう、と・・・そういう気持ちになるのだ。
ミリタリー・マニアの人なら、早めに設定ゆえの弱点が割れて、すぐ笑う方に回れるかもしれないが。(あえて書かない。)
それにしても、<証言者>の正体には、唖然とした・・・。
なんで、その人だったの!?反則だよ~。
ともあれ、とても正月帰省時期中心で撮った映画とは思えない、力作である。
<第3部 とっておきの作品上映!!>
「スペースネコシアター」(青木純、8分):芸術大学、卒業制作アニメ。
パンフの印刷が間違っていたが、スペースコタツネコ、ではない。
(スペースデンキネコでもない。)
大人の?エロネタをかますネコが、ウイスキーを。おっさんと呼ぼう。
テレビ・ショッピング、高級ネコ世話用品の売り方がいかにもで、軽く笑わせる。
授業シーンにも笑う。
欽ちゃんの教室コントで、「おはようございます!」「元気いいねー!」「はい、景気づけです!」っていうのが、あったな・・・。
「いちごチャンネル」(金澤 信、22分):シネ秘常連観客3人組で制作。
以前どこかで観てる?
2、3行じゃ、まともな解説は不能・・・・。
と、書くこと自体、むなしい。おかしさを十分に伝えきれないから。
なにわ天閣監督やタクラビジョンのインスパイア?風な、物体と音楽・音響の使用タイミング、
ローラー、スケボーでの横滑り運動、キック等の繰り返し(アタック!の声)、
落とされるタイトル版、
すっ飛ばされる昔話キャラのメンコ、
座頭市の真似で一人何役もやる人、
母親役?らしき人形首キャラの動き、
TV中継に混じるミニチェア、
けだるそうで語彙の不足した天気予報士、
しつこくいたずらばかりするTVジャーナリスト、
アバウトすぎる星占い、黒板で怒るドXXXん・・・・・。などなど。
ノンシャラン、軽妙洒脱、末梢・反射神経的、
自由奔放すぎるぞ!このメンバー。
こりゃ、和製ミニ・ジャッカス・チームか?
80年代のナイロン100℃の芝居観てるみたいだ。
ゲストでも出演者達が来てたが、あのまんまだな~。
彼等同士でマイペース、内輪しゃべりしながら館長とトーク。
良くも悪くも、今のTVバラエティー&シネ秘育ち、なのだろうか。
ラスト上映作*「響け協奏曲」(天野力栄、4分):
またしても、寿司屋のおやっさん登場。
人工呼吸になぜ、バターを・・・。
女の子と犬が来た時点で、何が起こるか、わかった。
大笑い。ひでえな~。とんだAED。
元ネタは「新造人間キャシャーン」らしいのだが、知らなくても無問題、で笑える。
以上。
この記事を書いている最中に、ネットのニュースで、
社会的話題作「バベル」を鑑賞していた観客7人が、
名古屋と四日市市の劇場で、
吐き気などの体調不良を訴えていたことが、報じられた。
銃撃・血糊シーンか、言い争いのシーンが、きついのか?と思いきや、
どうやら、女子高校生がクラブで踊るシーンで、クラブの照明が1分ほど、早い点滅を繰り返すため、らしい。
このシーンになったら、適度に目をそらすか、直視しないように・・・という注意書きが、急遽、配られることになったそうだ。
つまり、例の「ポケモン」放映時の点滅刺激騒動と、同じことの模様。
では、観るときには一応、用心してかかるとしますか・・・。
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- 2007/04/30(月) 11:44:14|
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