主水日記。
その土曜の昼間15時頃、小生は西荻窪にいた。
西荻勤労福祉会館。
なぜか?
完成したから、である。
ジーコ内山劇場・<さそり>監督、「天才馬鹿」が。
先に、出演者達によるミニ・ライブフォーマンスが始まった。
主演の男女ライブコンビ・アーバンギャルドの歌。
赤色主体、大写しのPVバックにものすごい早口ソング、
何を歌ってるのかよくわからない・・・。
でもサイケな?迫力は十二分。
やがて、文字だらけの「天才馬鹿」予告編が、ハイライトらしきシーン中心に映し出されてゆく。
それからは、同作品助演の芸人達による、笑わせライブの連打。
吸盤を使った坊主頭<宇宙人>達のコントが、まずまずおもしろい。
やや下品ないでたちに、ただ呆れる電車車掌の客いじり芸人、
やたらに長いつなぎの、謎の親父殿のカラオケ歌唱、
(まさかフルで尾崎xxx歌うとは・・・の声)
おなじみ夜の蝶?芽衣子様によるヨイトマケの歌、
その独特の色気あるシャンソン、
・・・等々。
その後、おもむろにプロジェクターによる上映が、監督の指示する声の下、半ばあたふたと始まった。
オール・デジタル撮影の、手作り映画。
きわめて名前の近しい某古典ギャグ漫画に似て、
野放図と稚気と遊戯にみちた、ユーモラスな映画。
変な、奇妙な、文字通りクレイジーな者達だらけの、映画。
それでいて、どこか落ち着いて、可愛らしさがあって、
かつ、のほほんとしている映画。
ありていにいえば、こんな映画。
紅い眼鏡を掛けた主役青年、先刻の<アーバンギャルド>の男性。
上野・不忍池で、
爽やか系詩人との<朗読勝負>に見事、敗れたのをきっかけに、
男の永遠のテーマ?たる<モテ方>のコツを求めて、
下町を、アパートを、河川敷を、新宿駅前を、高円寺の商店街を、
あてどもなく聞きまわり、さまよい歩く。
途中、変なホームレス風の舌ったらずな男に怒られ続け、青年はおそらく訳もわからぬまま、謝り続ける。
他にも、謎の双子兄妹、「魂のアソコ」のぶるぶるぶるぶる云う男(なにわ天閣!)も登場。
皆、どこかクレイジー状態のまま、次々に羅列されていく。
変な呪文を唱えて女の子達と輪になって踊ったり、各人の奇妙な打ち明け話を聞いたりしている坊主頭の教祖氏(ジーコ内山)と出くわす青年。
両刀使い?ぶりをも披露、カラフルで可愛らしいいでたちの女の子達を呆れさせる。
青年はなぜか年中、自分の好みではないらしい?不思議の国のアリス風的少女にそこらじゅう追い回されており、見つかってはすぐ逃げ出す。
やがて、やばい名前の女(放送禁止!の声)を連れた中年マッド・サイエンティストに出会う青年。
この新宿周辺ロケシーンは、明らかに約一年前、
懐かしの?「PSE法反対!」市民デモの真っ只中で撮影されている。
(中古の音楽用機器のリサイクル利用に関わる商売を、妨げかねない法案だったのだな・・・の声)
それ自体混乱をきたした実際の日常世界と、虚構世界のクレイジーな主人公達がごく自然にすれ違う、
という愉快な二重性、越境性をシーンが帯びており、
劇中で実質的には、一つのハイライトとなっている。
こういう興味あるシーンがふいに現れる事こそ、<映画>の面白さだろう。
そこの女に誘惑されかかるが、それは博士の陰謀なのだ。
彼の陰謀的実験によって青年は急激に天才化、とんでもないキューピー人間(!?)を作ってしまい、ついに<モテ方>を得るのだが、
その発明をめぐって博士とホームレス男が、路上バトルになる・・・。
で、いちおう、平和なオチに。
ラストもとんでもないコスプレ・ロケだが、
これでいいのだ、と。
これにて一件落着、どんとはらい。とっぴんぱらりのぷう。
以上。
ああ、「新宿コンフィデンシャル」・・・。
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- 2007/02/04(日) 22:09:27|
- インディーズムービー
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