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シネマ旅の途上にて

自主映画ウォッチャー、アWorkerのブログ。

懐旧の名女優

主水日記。


9/3(土)のテアトル新宿での<追悼オールナイト>以後、都内各所(渋谷シネマ・ラ・セットを含む)において継続されてきた女優・林由美香の追悼特集上映企画<由美香OhMy Love!>シリーズが、26日(月)夜19時半よりの新生アップリンクファクトリーにてのトークイベント付き上映でほぼ、終わった。
後は29日(木)までの同所、ドキュメンタリー「由美香」断続リバイバル上映を残すのみとなった。(ただし、他にも予定されている単発企画が来月初めと12月頃、ある模様なり。)

小生が時間をとって伺えたのは3日夜の新宿オールナイトと26日夜のアップリンクのみだったが、このAV・ピンク・刑事まつり(2本出演)にまたがる活躍を見せてきた稀有なる女優の魅力をあらためて振り返りつつ、満喫することができた。同時代に生きた喜び、今不在の寂しさを同時進行で素直に噛みしめている。

ピンクの主役かつ遺作となった吉行由美監督「ミス・ピーチ 巨乳は桃の甘み」は3日夜に観た。
ピンク映画史的には飛びぬけた作品ではないものの、もう若くは無い、と自認している元不良少女のキャンペーンガール(というよりはレディか?)をめぐるトップ栄誉争奪戦のドタバタ話が適度に明るく描かれ、林らしいのほほんとした味わいを含んだコミカル娯楽作に仕上がっていた。勝手に力んで妨害工作するライバル候補役女優も善戦している。(林の同居人がゲイ男性、というのも吉行監督らしい設定なり。)
池島ゆたか・渡邊元嗣・荒木太郎といった監督群によるコメディ・タッチの作品群が一番、女優としては柄に合っていた様に思われる。
でも1993年・幡寿一(=佐藤寿保)監督作品「痴漢電車 いやらしい行為(原題:誕生日)」での、東京湾岸で家庭崩壊青年とダイナマイト心中を図る少女役も忘れがたい。人間、20歳で死ぬ気だ、とか何とか普段言ってても多分ブツクサ言いながら今も生きてるよ・・・という台詞のやりとりが今見ても泣かせる。


26日の夜は一本目、平野勝之監督が彼女への思いのたけを当人主演で表出しまくったセミ・プライベートVTR「愛しのAVギャル~林由美香編」を新宿オールナイトと同様に上映。
自転車旅行記「由美香」撮影の約2年後、1999年の交流記録。ゲストトークによれば素の本人も全くあのまま、あっけらかんとしていたそうなり。
続いてAV監督・カンパニー松尾氏の手による生誕から小・中・高校時代、バイト・六本木での水商売やディスコ出入り(「この時代からの友人が一番多い」と本人ナレーション)経由後<アイドル的絶頂期>までを回顧する特別構成作「YUMIKA1989-1990byカンパニー松尾」が上映された。
ラストの歌入りVTRに感極まって涙する人も・・・。上映終了時拍手起きる。
最後のAV出演作品(助演、婦長ナース役とのこと)を撮ったサカイ・コウジ監督とともに「顔刑事」監督・デモ田中氏が代打ゲスト。現場や呑み会での交流エピソードに花が咲く。
好みのタイプではない、とクールに言いつつも「もっと出しとけばよかった・・・」と惜しむサカイ氏。「同年組だけど、姉貴みたいな人・・・」と思い入れたっぷりに語る田中氏。
でも皆印象が大体一緒なんだね、いまだにどこかその辺で自分達と一緒に観ている様だね、とゲストや司会の人々は語っていた。まったく同感なり。
あらためて女優として稀有な存在だった人、と実感するのだった。


以上。


お引っ越しした渋谷アップリンク、また随分と、明るく垢抜けた内装とロビーに代わったなあ・・・。ドリンクカウンターも健在です。
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  1. 2005/09/27(火) 00:54:51|
  2. 劇場用映画
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