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シネマ旅の途上にて

自主映画ウォッチャー、アWorkerのブログ。

必撮、名人死す

竜の覚え書き。


あらら、日活ロマンの田中登監督、4日に亡くなっちゃった・・・。
まさか動脈瘤が、できてたなんて。
新聞記事で知って、ショックです。

8月のラピュタ阿佐ヶ谷のレイトショー、芹明香主演「(秘)色情めす市場」関連トークでいらしてて、大阪オールロケの状況を詳しく語られてたんですよ。
思いきった企画で、製作条件がかなり悪くて、日数が無くて、もう、全篇ゲリラ撮影同然だったそうです。
物陰に重い機材隠して、早朝一気撮りしたり。その他もろもろ。
よくぞ、ちゃんと公開ができたものです・・・。スタッフ、タフです。

あの夜も、監督、ものすごくエネルギッシュだったのになあ。やる気満々で。
場内はほぼ満員、オールドファンだけでなく20代・30代の男女層もいっぱいで。毎週欠かさず来ていた人も多かったんです。
監督特集で頻繁に来場されてて、毎週、質疑応答で映画学校状態だったとの事。
それだけの活力と魅力が、作品群にみなぎっているのは、間違いないです。
東映やロッポニカの一般映画路線でも撮られてたけど、やはり日活ロマン路線の作品群のほうがずっと挑発的で、生き生きしてた。

うーん、いま一度、復帰してほしかった。
十分やれそうな感じだったんですよね。すごく残念です・・・。
ご冥福をお祈り申し上げます。


それと、漫画評論家でコミックマーケット準備会代表の米沢義博氏(53)も、1日に亡くなられたそうですね・・・。

古本屋でたまたま見つけて、ちゃんと通しで読んだ著書は80年代頃までを解説された「日本ギャグ漫画史」一冊ですが、初心者にも大変わかりやすい、変遷入門解説書でした。
それももう相当昔で。

シネマ秘宝館やごうわく監督、映像温泉芸社、その他関連のブースやイベントが無かったら、まず一生訪問する機会は無かったことでしょう。コミケの世界。
ものすごく遅い、来客デビューでした。

サブカルチャー・同人誌の会がまさか、あんなに大きな全国規模の祭りになっていたとは思いませんでした。
ちょっと商業系の入った文化祭、という印象で。
懐は、思っていたよりは、広い感じ。
いかに長いこと、コミケ自体への単純な違和感から発して<批判>をしてきた一部メディアから、一面的・皮相的な見方・論評しかされてこなかったかが、行って見てよくわかりました。
(発端になったであろう十数年前の主犯達?については、あえて書かずにおきますが、もう大体、察知はしているつもりです。)
いまだにそういう古い視野で見ている面が、メディアにはまだ若干ある、と思う。
わりと冷静、あるいは好意的な報道も増えたようですが。

要は、各作品や登場キャラクターをその深き愛好家として見るか、批判・批評する者ながらもファンとして見るか、というスタンスの違いが人によってばらついて在る、ということが大きいのだ、と理解しました。
そんな中でも人は、他者との共通了解事項を、趣味や話題のわかる前提条件を持った人を、求めるもの。
スター俳優や女優、イケメン・プレーヤ-や美人選手、マスコットガールなどなどのファンがいるのと、ほぼ同じ。
若干の気恥ずかしさを抱えながら。
「あいつならこうして、こうあってほしい」という意見交換。
ただこっちでは、架空キャラクターがメインだから・・・と。
だから直接的、かつ横断的交流の場としてコミックマーケットがある。
まあ、そういうことだったんですね。

しかし、もう最近の漫画のは、さすがに何のコスプレやら、全然、わからないです・・・。
初期ライダーとか、昔観てた番組関係のは大体わかるけど。
スピリッツの「編集王」あたりまでで週刊漫画誌も大半、一度離れちゃったから。
ジャンルがすっかり細分化して、全体像を追いきれなくなっていたし。
でも新撰組ネタらしい服装は何となく、わかる。
小生なら八丁堀同心か、鉄だろうな・・・。秀・政系列はちょっと無理。三味線屋は、ぎりぎり?

そういった意味合いでは、やっぱり、カルチャー的に表現と交流の場を与えてきた大いなる功労者、なんだろうなあ。米沢氏。
合掌。




以上。


亀有名画座に出入りしていた頃、「(秘)色情めす市場」が掛かっている週がありました。
観た後、50~60代くらいの見知らぬ男性客に「なんで、あそこで急にカラーになるんだ?」と真顔で質問され、色が映えるんです、と、黒澤明の「天国と地獄」を例に挙げて説明した覚えがあります。
厳密にはもう少し違う意味合いなのですが、あれが一番わかりやすい例だったので。


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  1. 2006/10/08(日) 07:17:27|
  2. 劇場用映画
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:3
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コメント

どかんとな

ちょうどここいらを書いている最中に、例の地下核実験のニュースが。
この間、割と似かよった?状況設定の、白黒の新東宝映画、観たばっかりなんだよね・・・。描写は思ってたより、ゆるいんで拍子抜けしたけどね。
あれ出来た頃は、米ソの冷戦時代だったから。
で、われらも含めた、世界各地の一般庶民は・・・
また、お国同士の喧嘩に、振り回されるだけなのか?
と、静かに、深き嘆息。



  1. 2006/10/11(水) 01:48:31 |
  2. URL |
  3. アWorker #-
  4. [ 編集]

13日より田中監督の故郷信州で特集上映をします。監督もお越しいただく予定でした。追悼上映になった事が残念です。ラピュタで未上映だった「牝猫たちの夜」も奇跡的ぐらい綺麗なプリントで上映いたします。お近くの方、お待ちしています。
  1. 2006/10/11(水) 21:45:27 |
  2. URL |
  3. 松本CINEMAセレクト #-
  4. [ 編集]

メッセージ、ありがとうございます。
あいにく遠方なのと、日程ゆえに伺えそうにないのですが。
松本の皆さんが特集してくださるのは、大変、ありがたい事です。近隣の方は是非、ご覧戴きたいです。
「牝猫たちの夜」は今は無き亀有名画座でも、感想を書くロビーの壁紙コーナーで、評判が大変よろしかったですよ。
大きなスクリーンで観たあの傘、あのシャッター、今も目に浮かびます・・・。
  1. 2006/10/11(水) 22:07:07 |
  2. URL |
  3. アWorker #-
  4. [ 編集]

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