主水日記。
「UDON」、思っていたほどには、巷ではいまいち、ヒットしてないようだ。
公開一週目、平日のシネマでは20代女性メインで、40名ほど入っていたし、反応もそう悪くなかったのだが・・・。
食わず嫌いは勿体ない。
市民を巻き込む嫌な犯罪がらみの予告編で、観る気が失せた「踊る大捜査線」スピンオフ・シリーズなどよりは、よっぽど、楽しい映画なはずなんだが・・・?
(それ、食わず嫌いやんけ!の声)
別チームながら同様に<TVスペシャル・ドラマ>的演出世界の「県庁の星」では、文字通り無駄を省いてさっぱりすっきり表現、テーマをくっきりと示すスタイルをとっていた。したがって<映画>としての過剰さにはやや欠けていた。
その欠けていた部分を「UDON」では、フルコースでたっぷりと盛り立てていく。
主役達の出会いを過剰にコメディ演出したり、ドラマとドキュメンタリーの混濁、あわいを意図的に混ぜたり、画面も多重に細分割したり、架空漫画ヒーローのCGアニメを出したりと、とにかくあの手この手で表現アラカルトの過剰さが目立つ。
かなりの大サービスで、もう、お腹いっぱい。
(そのくせ、観終わった後につい、カップうどんが食べたくなる・・・!の声)
ややTVドラマくさい?演出や画面が多少、気にはなるし、過剰なエピソード群のおもしろさがやや拙速に流されている感もありだが、全体としては結構、おもしろい仕上がりになっている。
「ゲド戦記」に行く位なら、こちらにしたほうがよろしい。
祭りとブームの終わりは、必ず来るもの。
その後に地域密着型産業ゆえの、じんとくるエピソードを持ってきたのが、なかなかニクい展開なり。
いかにもファミリー層向けだが、いい話。
ところで。
周囲の自主映画イベント・ラッシュは、今年の5月に有楽町シリーズを休止した頃までをピークに、その後はPFFや単発企画はあったものの、一時期と比べればどうやら沈静化してきた模様。
祭の季節は、終わったのだろうか?
映画館やイベント会場の景色も、あれから随分、変わった。
今や新宿ファンタも休止、松竹会館は建て直し中、東宝系もシネコン進出と引き換えに2館が閉鎖決定。
三百人劇場も年内で取り壊しと聞く。
「トレポネマ」やENBUゼミ作品など、数々の自主レイトショー祭りを観てきたテアトル池袋も、ついに終わった。
シネマキャバレーにいた人々の姿を、その周辺に見る事は、無かった・・・。
かつて各所の名画座や自主映画イベントで見かけたり、お会いしたりした後、最近、消息を聞かない、あの人々は・・・
みんな、今、どうしているのだろう?
新宿のビートたけし展で出会って、亀有名画座が閉じてからはどこかの田舎へ引っ越していった、常連客の大先輩・Sさん。
そこのロビーでミニコミ誌の感想を訊いてきた、編集コンビの方たち。
ちょっと気持ちが落ち込んでるときに呑み会で<ゴールデンエクストラフィルム>時代のお話をして、元気付けてくださった、Aさん。
未完成に終わった作品のロケで、休憩時にタップを踏んでいたCさん。
現場に半日?遅れてきた助監督、他ではチラリ出演もされていた、Iさん。
シネマキャバレーで、数多くの監督・出演者を招き、特集上映を企画・運営されてきたS監督や、打ち上げ会御出席の楽しき皆様。
ある作品上映会では作品評価が合わずに激論となり、またある会のとある作品では意見が一致したりした、いろんな方々。
あの人、この人、あんな人・・・。
やっぱり、祭りの終わりは、いつもどこか、寂しいもの。
人との別れがあるから。
それじゃあ、又、といいながらも。
彼等との再会の日は、又あるのだろうか?
いつの日にか・・・。
ささやかな祭は、これからも時折、あるのだろうけれど。
以上。
小生の生きている間に、「MILKMAN2」、完成バージョンは、観られるのだろうか・・・?心配です。
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- 2006/09/05(火) 22:41:03|
- 劇場用映画
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