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シネマ旅の途上にて

自主映画ウォッチャー、アWorkerのブログ。

さらば、ヤマダくん・・・

主水日記。


ついに、一昨日、観てしまった・・・
「ゲド戦記」。
見てはいけないもの?だったかも。劇場では。
はっきりいって、TVに出るまで待っててもさしつかえない程度の、凡作でございました。
かなり不評が伝えられてましたが。
あのスカスカな出来では、当然でしょう。


竜が真正面から登ってくる冒頭部のみが「おおっ!」と思わせたが、感銘はそこまでだった。
タイトルバック以後、とたんに絵にダイナミックな動きも何も無くなり、つまらなくなる。
イメージのふくらみ、飛翔というものが全然無く、絵巻物のだらだらした羅列にとどまっている。
筋といい、救出劇展開といい、<過去のなぞり>以上のものが見えず、まるで新味が無い。
ゲドは王子の補佐役とはいえ、全然戦ってないし・・・。

ジブリアニメ作品群の残滓、残骸を見せられている気分。
スルメの横に干したミイラのようないびつさ。終盤の、奇人の姿がその象徴。
画面のアクション、迫力、といったものが全然無い。
ところどころに入る粘液どろどろの表現、竜の出現シーン、ああいう感じでなぜ全体を貫き通さなかったのか?


声優が合わない、という声もあるようだが、大雑把に聞いてる小生はさほど気にならなかった。
歌が挿入されるのも、ミュージカルによくある手法だから、ありだとは思った。
世界の均衡が崩れて人心が荒れている、というメッセージもジブリアニメならばよく出る<自然環境>視点のテーマに基づくもので、それほど違和感は無い。
しかし・・・画面表現があんなに腑抜けていては。伝達力は明白に弱められる。
ラジオドラマに紙芝居を付けた印象。
劇場用映画としては・・・ダメ。

2時間半、じつに、かったるかった。
周囲のファミリー客・女性客(30数名)もほぼ、同感の様子。

映画表現としては実写版「デビルマン」や「ダヴィンチ・コード」はおろか、ショートコントの羅列に終始したジブリ最大の不評作「となりの山田くん」にすら負けている。
突っ込みどころの少なさレベルですら。
この3作のほうが凡作(ないしは失敗作)ながらも、まだしも見どころがある・・・。
原作を消化しきれず長すぎ感をかもしだしている点では、3作と
「ゲド戦記」は共通しているが。

TVオンエアでは30分弱ずつに区切って、「カルピス名作劇場」やNHKアニメ劇場位の枠で連続放映にしたほうが、よくないだろうか?
これは、その位がちょうどいいだろう。
次回作、監督交代、ほぼ決定。



以上。



9/2(土)付記:

「となりのトトロ」や「もののけ姫」や「平成狸合戦ぽんぽこ」の線を求めてではなく、アッパス・キアロスタミ監督の「オリーブ林をぬけて」みたいに、<癒し系>映画のつもりで眺めていれば、失望は少なくてすむかも・・・?と。



アニメ映画のメッカ・テアトル池袋が、8月31日でついに、閉館決定。
土曜オールナイトで「アキラ」「老人Z」等、ここらしいラストプログラムが。
しかし昼間上映の最後が「森のリトルギャング」じゃ、ちょっと寂しすぎる・・・。
レイトショーのアニメ版「時をかける少女」が、最後の意地?

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  1. 2006/08/25(金) 07:52:03|
  2. 劇場用映画
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

『ゲド戦記』、つまんなかったですか・・・・・(`.`;)?

 そーすか。つまんなかったですか(T_T)。円谷もそうでしたけど、やっぱ息子はダメですか(;_;)。ご愁傷様ですm(__)m。
  1. 2006/08/26(土) 20:21:34 |
  2. URL |
  3. あいかわ こうた◎ #mQop/nM.
  4. [ 編集]

飛ばない豚はただの豚だ、という「紅の豚」の名文句そのまま、でした。
「猫の恩返し」も、スレスレなんですけど・・・ね。
  1. 2006/08/27(日) 00:53:31 |
  2. URL |
  3. アWorker #-
  4. [ 編集]

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