鉄の日記。
やれやれ、土曜の夜にやっと観たぜ。
「猫目小僧」。
ロビーで整理券順に入場。
受付には、ねじ巻きの<猫目小僧>人形が、あった。
それと<猫目まことちゃん>人形も。笑っちゃったよ。コアな通人が買いたそうだな。
70人以上入ってた。10代・20代の男女が多い。30代以上もちょびちょび。
ゲスト・トークが松尾スズキ氏、というのもお得感ありでな。
客席の何%位が、原作漫画家先生のファンなんだろう?
それと、入り口でオロナミンC、配ってた。スポンサーか先生関係だろう。
(それはいいんだけど、ビン捨てる大き目の箱、置いとけよ!ビンがロビーに溢れてたぞ。)
いや、思ってたより面白かったよ。結構。
井口昇監督定番のゲロゲロ・シーンでみんなが引くんじゃないか?てえのを一番、心配してたんだけどさ。津田さんの出るあたり。
(だって、あの「アトピー刑事」の監督だよ!警戒するだろ!)
幸いにも、というか、わりと早めに短く終わってたから。やれやれ、助かった。
あまり長くてどぎついと、気分悪くなるからな、あれは。
円谷で制作したから、幾分<節度>はあったのか?と。
本筋は勿論、不気味な<人間変化>と妖怪退治の伝奇ホラーなんだけどさ。かなりの力作で。
田舎の閉鎖的な社会で、通りすがりのブータレ悪ガキ坊主が思いっきり、いたずらして、友達できてしばらく遊んでる、って話だな。
<映像温泉芸社>や<シネマ秘宝館>メンバーズが、真っ先に喜ぶような内容なんじゃないか?こりゃ。
いたずらっ子のシーンは男女ともに、大ウケだったよ。
猫目小僧は自由奔放、だけど腹は減る。盗み食い常習犯。
大人の人間達からは、妖怪なんで、差別・軽蔑されてる。
ゆえに孤独な旅人。
冤罪でとっつかまり、迫害されたりもする。(このシーンは涙、涙。)
だから、逆に一時でも、欲しいんじゃないかな。
お友達や、好きな女の子が。
その孤独さってえのは、猫目クンと敵対してるはずの妖怪側も、実は殆ど同じなんだけどさ。
そこらがちゃんと、ドラマになってるのがよろしい。
しかしやっぱ、悪びれてても、子供だよな。猫目小僧は。
女に関しちゃ、まだまだウブだった。
スクリーミング女優の石田未来、よくがんばってるよ。
男心の痛い所、よ-くわかってる台詞、多いな。
驚いたのが元・デカレンジャーレッドの青年。
少女マンガ枠にはありがちな役とはいえ、あんな形で出てくるとは・・・。儲け役とも云う。
竹中直人は・・・何をやってもやっぱり竹中直人、だった。
笑っちゃうのが、いじわるなライバル女子高生役。
やることなすこと、もう、デタラメ。自爆しまくり。
(なぜ、パンなんだ?なぜ、ぞろぞろ付いてくんだ?)
走る動きがそれこそまるで、まことちゃんだ。
それだけにラスト近くのあれが空振ってて、ちょっと惜しいな、と。
老人達の、とあるシーンはエグくて、かつブラックな可笑しさに満ちている事を、そっと付け加えておこう。
で、かんじんの猫目小僧なんだけどさ。
いいんだけど、ちょっと、まるっこいんだよな。原作のキャラよりも。
でもまあ、身振り手振りにコミカルな味が出ていて、なかなか面白いよ。半分サイレント・コメディみたいで。
観客には「猫目、かわいい!」って、概ね好評だったし。
てなわけで。
軽い気分で行けば、観といて損はないよ、と言っとこう。
上映後のトーク(プロフェッショナルOL風?の人が司会)で云ってたけど、井口監督は以前、松尾スズキ氏関連の舞台に役者で出てたらしい。
「猫目小僧」では芸人のつぶやきシローを、笑わさない役で出すと田舎の兄ちゃん風に存在感が出る、というお話に、なるほど、とうなずいたね。
ロケで人数が少なめでも、そういう人が居ると<村が在る>らしく見える、というわけ。
後、びっくりしたんだけど、<主役>の猫目小僧、最初は35歳の阿部サダヲに猫のメークをさせて、って案もあったんだって。
だけど、原作者先生に「大人の俳優に、こどもの役やらすな!」って言われたんだって。
結局、女優さんがスーツで演じて、頭部の動きはロボット(?)で別に撮ってたとか。
ま、そりゃ、そうだよな。
舞台劇じゃよく素顔のままでランドセルしょった大人の俳優・女優が出てくるけど、映画じゃ無理、無理・・・。
大人がピノッキオ演ってる映画みたいになっちゃうもんなあ。
そう考えると、ああいう怪獣映画みたいな撮り方にしたのは正解だったよ。
じゃ、猫又、じゃないや。又な!
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- 2006/06/27(火) 20:45:15|
- 劇場用映画
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浅野忠信ファンも、「乱歩地獄」観た人も、まだこれから観る人も・・・
映画が2倍楽しめますよ!視点が変わる。
ポレポレ東中野の福島拓哉監督レイトショーは、必見だ!
- 2006/07/02(日) 09:29:58 |
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