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シネマ旅の途上にて

自主映画ウォッチャー、アWorkerのブログ。

猛者達の饗宴

主水日記。


「駄目ナリ!」シリーズの話をまだ書いていなかった。

これは以前、下北沢トリウッドで連続ドラマ式に順次公開された「演じ屋」シリーズ(全9話)の俊英、野口照夫監督が制作の<主力会>(学生時代よりの演劇仲間主体、だそうです)よりの出演メンバーズとともに、よみうりテレビ(関西、日テレ系列局)深夜枠の連続ドラマに挑んだものである。脚本も野口監督が兼務。
(したがって本来はTVドラマなのだが、短篇映画館トリウッドで上映されたので、当欄にては劇場公開映画、としてひとまず分類しておく。)

夜間の売り上げが最低の、とあるコンビニチェーン店。
そこに夜な夜な集う店長、店員、お客、探偵、そしてふらっと現れる訪問者達の織り成す、ちょっといい話の数々。

とにかく出演メンバーがすごい。

「演じ屋」からシフトの元バリバリ不良男のコンビニ店長役・笠原紳司(「タイムレンジャー」のタイムファイヤー!)。
「演じ屋」では弟分役、今回は警官役からスタート、他人のプライバシーに口を突っ込みまくるお騒がせ男役・今井孝祐。(既にチームのまとめ役。<うっかり八兵衛>的役柄。時代劇に出してみたい)
破門された元やくざ青年役が「牡丹と薔薇」(!)の白川裕二郎。
すぐくよくよ悩む研修医出身の店員が「マックス」の人、青山草太。(漫画「テニスの王子様」のミュージカルもやっていたそうです)
ひょんな事からこの店に関わり人的交流が始まる女子高生がアイドル路線で売り出し中の杏さゆり。
重城一馬、足立広紀ら「演じ屋」チームもしっかり参加。(オカマバー兼務?の店員とやたら雑学知識に詳しい秀才店員がそうみたいで・・・。)
しかも。
毎回、翌朝の昼番メンバー、渡辺えり子&女性店員約1名が「ゆうべは一体、何があったんだろ?」といぶかるシーンからドラマが始まり、時刻が前夜に戻ってエピソードが語られる形式。
これで、毎回、何も起こらぬはずはないではないか。

店舗立て直し屋社員・津田寛治(ここにも登場!)の二面性ぶりもおもしろいが、アンガールズの金欠兄弟役とわがままボンボンに手を焼く青山店員の回(少しだけ見直したぜ、アンガールズ)、長谷川初範(「ウルトラマン80」主演)の心配性な父親役の回なども泣かせるいい話なり。店員達の似顔絵が出る回のオープニングには笑わされた。

終盤3回で、そこまでかすかにほのめかされて来た伏線をテコに一気に状況は急展開、「演じ屋」と双璧のとんでもないラストへと突入する・・・。
これが又、涙モノの引き締まり方なのだ。
ワル役もワルなりの人間不信をともなった存在感をきっちり示している。

店の外にいてぎくしゃくしている者の来訪に対しては「来る者は拒まず」、けれどもその一方で「外は厳しい。ここにいればとりあえず楽しい。けど、相変わらずずっと、何も変わらない・・・。」と十分に知ってもいる店長達のジレンマにほんのちょっとだけ、共感。
人生の交差点で出会い、それぞれの行く道に次第に気付いてゆく人々。
野口監督、こういう「探偵物語」風な人間くさい話がお好みと見える。やはり、男よのう。

これ、全話DVDセット出てます。
最終日に行ったら舞台挨拶で「トリウッドに置いてあったDVD買うために観た人達が銀行でお金をおろして、戻ってきた」という状況を聞き、仰天。
しかし、後半エピソード群を観ただけでも、確かにそれだけの価値はある面白さなのはよくわかる。ああ、前半も観たい。
最近ちょっと人生に迷ってる人も、是非観るべし!


以上。
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  1. 2005/08/10(水) 17:41:07|
  2. 劇場用映画
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