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シネマ旅の途上にて

自主映画ウォッチャー、アWorkerのブログ。

歌謡の謎を探ります

計4時間弱のフジ系ドラマスペシャル、「ザ・ヒットパレード」(前篇・後篇)をおもしろく観た。
ドラマだから結構美化してるんだろうなあ、と思いながら。
でも夫人役が常盤貴子なのは、正解。どんぴしゃ、だった。

全体は芸能プロ社史。
米軍キャンプ経由のジャズ・コンサート・ブームと、それに続く洋楽ロカビリー歌手のブームが、今のJ-POP世界のオオモトを形成してゆく過程が大体わかる構成。
サウンド自体が聴いてて結構、新鮮だったりする。
<必殺>サウンドも、平尾昌晃やあの辺のロカビリーな人々が、後に作っていったのだよなあ・・・。「仕掛人」BGMだってジャズ調入ってるし。


ロカビリー・Yの移籍騒動などはちょっと出ていたが(相当ショックだったんだろうな)、日テレ・サイドとの確執、キャンディーズの詳しい引退理由等はかなり省かれ、戦後TV番組製作とプロダクション成立の歴史を大雑把に流した形になっていた。
後半は政財界との交流と業界地位向上努力、組織拡大、若手社員とのギャップ、病気療養等のエピソードも盛り込まれる。
いわゆる社史寄りだから、まあ、そういうものなのだろう。

とにかく、不安定な状況下で、全く新しいショーとスターを草創期のTVから作ろうとする人々の創意工夫と意気込みは、十分に伝わってくる。インパクトのあるバンド名、キャッチフレーズ発案には長けていた人々なのだ。
(そうか、宮川泰やすぎやまこういちって、「ヤマト」以前からあんなに意欲的に挑戦してたんだ・・・。)

吹き替えが多いとはいえ、ジャズや懐かしの歌謡曲がふんだんに流れ、松竹京都の<三丁目>風なセットや遊ぶ子供達などとあいまって、時代のムードはまずまず出ていた。
(もっとも昭和32年には小生はまだ誕生していないため、時代考証となるとはなはだ、心もとないのだが。その辺の検証はリアル世代にお任せしたい。)

接待の場でクレージーキャッツがからまれ、ナイス・フォローする陣内孝則の植木等もいいが、指揮者・スマイリー小原役の人も跳ねるように動き、目立った。あれには驚いた。
植木家親子(父役は伊東四朗)の歌詞をめぐる生真面目な対話が可笑しく、笑ってしまう。
谷啓役の人が風貌そっくりで、また笑ってしまった。
欲を言えば、コント再現のシーンをもうちょっと、きちんと見せてほしかったな・・・と。今見て面白いかどうかは、わからないけど。

柳葉敏郎扮する主人公の、軟派なTV局員に対する怒りようは、そのまま、今のTV界にも通じるものではないのか。
人材・技術・予算・演出、どれが欠けても、大掛かりなエンタメはできない。
だが、真に視聴者に向けてエンタメする<心>は、今、足りているのだろうか・・・?と考えさせられるドラマでもあった。


以上。
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  1. 2006/05/31(水) 00:22:37|
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