政の日記。
やれやれ、観客復帰作は結局「トム・ヤン・クン!」になった。
買った券は無駄にしたくない。
都内の興行は近くの別館に移動していたはずだが、なぜか元の小屋に2日間だけ戻っていた。リニューアル工事等のためだろう。
ウイークデーの夜でも十数名の観客が居る。内女性3名程。
象泥棒、追う飼い主、動物虐待や寺院襲撃への怒り爆発、という直線的な筋立てはムエタイ・ファイター映画だからいいのだが、観ながら興奮と脱力感を交互に覚えた。
理由は勿論、がっくりの終盤展開によるところも大きいのだが。
途中で画面の流れと色調に断層が出来ているのも原因。
ブルース・リー映画にジャッキー・チェン映画をつないだような印象なのだ。
中盤のバイクスタント集団のシーンなど特にそう。
少年時代シーンの情緒性、<水掛け祭り騒乱><邸宅殴りこみ>や<モーターボートレース>シーンのにぎやかさと有無を言わさぬスタント、そのアクティブなるエネルギー。
ここらまでは快調だったのだが。
シドニー・ロケのカーチェイス周辺からガタッ、とテンポが落ち、間延びしてしまった。ダレ場パートがやや長すぎる。
敵地店内でトニー・ジャーが悪党達を蹴散らしながら階段を上ってゆくシーンでは、キャメラの視線が遠すぎ。距離感が悪い。アクションの印象が薄まってしまう。
身内にも残忍で憎々しき不気味悪女役・チン・シン。ひでえやつ。(「ウルトラマンメビウス」の宇宙悪女に似て見える。)
ジョニー・グエン、ラティフ・クロウダーや巨漢達刺客とトニー・ジャーの格闘シーンは至極優雅、かつパワフルに魅せる。舞踊、といってもいい。主人公の怒りが入るごとにその力強さはヒートアップする。
それだけに。
なぜ、その撮り方と勢いで全編を押し通せなかったのか。
痛快さでは「マッハ!!」や「七人のマッハ!!!!!!!」に惜しくも及ばなかった。実に勿体無い。
ペットターイ・ウォンカムラオ(「マッハ」に出演)の警官が出るのは今回も軽くユーモラスで、救いだった。
以上。
しかしまあ、小象のそばで銃ぶっ放したり、突き飛ばしたり。
あれじゃ後で使い物にならなくなるんじゃ?と余計な心配をした。
動物虐待を描くための芝居とはいえ、ちと気の毒だった・・・。
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- 2006/05/24(水) 02:30:44|
- 劇場用映画
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