帰ってきた、鉄の日記。
2月22日・火曜。
実はこの日の夕方、ラピュタ阿佐ヶ谷へ行っていた。
19時より、増村保蔵監督「最高殊勲夫人」。
大手会社の、サラリーマンとOL達の、
今で言う、就活・婚活をめぐる、
本音が次々と、ぶちまけられつづける様は、
軽快なるテンポの、喜劇仕立てとはいえ、
正直、あまりいい気持ちには、なれなかった・・・。
出てくる奴ら、皆、現実的でドライなのはいいとしても、
条件的には、恵まれすぎておるのに、
皆、贅沢ばかり、言いすぎ。
いい気なもんだ、お前ら、勝手にやってろ~!
という反感を、ひたすら、抱くのみであった。
ただ一箇所、脇のある人物が、
ロカビリーで、うさっぱらしするシーンにのみ、
共感を、持った・・・。
この映画は、30年早く、観ておくべきだったのかもしれない。
そのまま、21時より、レイトショー。
「ある女子高校医の記録・失神」。
シリーズ3作目は、
九州から、修学旅行でやってきた東京で、
逃亡・一時自由行動する、5人の女子高生が主役。
それぞれに、目的があった・・・。
地元から持ってきた、ヒスイの原石を商売ネタに、
各人、泊る家探し。
知恵が回る。
学生言葉の解説入りも、定番化。
教頭・殿山泰司、目立って活躍。
ストリップや、ゴ-ゴ-・バーや、マッサージ店で、
あたふたする姿が、かわゆい。
ねずみ、と呼ばれて憤慨する男性校医、結構純情な一面が。
気をきかせる女子高生たちも、ユーモラスで、
なかなか、いい奴らだった。
2月23日・水曜は、有休。
2Fの地デジ化対策作業・その一、ひとまず完了。
チューナー5000円、新録画機に3万円、分波器と配線に3000円。
TVkは圏外で受信不能、チバテレがかなりの受信不良だが、
今のTVで、観れる間は、
意地でも、使ってやるぞ~!と決意。
2月26日、土曜。
半日の仕事。
午後、ただちに、上野オークラ(新館)へ向かう。
15時過ぎより、池島ゆたか監督のトーク付き、舞台挨拶あり。
この時期、上野オークラでは、
3週連続で、さまざまなゲスト・トークショーを企画しており、
この日は、2週目。
今回も、意欲的なる支配人と並び、
イ幸田李梨(こうだりり)・日高ゆりあの両嬢、登場。
最早ここのイベントの、ライダー・ディケイドと化した感もある、2人。
琥珀うた・三上夕希・望月梨央・なかみつせいじ・竹本泰志ら、
男優・女優、ずらり。
これから新作の出演になる女優も、一人登場。
池島監督とともに、脚本家・五代響子女史の姿も。
毎度ながら贅沢な眺め、なり。
あいかわらず、客席の高齢化は進行するも、
ゲスト一同の、明るく愉快なやりとりに、
常時笑いの絶えぬ、場内。
この人達がわざわざ、劇場まで足を運んで、観たくなる映画は、
ここ以外では今、どれだけ、やっているのだろうか・・・?
いまや寅さん映画も、「釣りバカ日誌」も、
新作は、無い。
トークの内容を、思い浮かべつつ、
池島作品2本を含む、3本を、拝見。
旧作2本は、以前、観た覚えのあるものだった。
うち1本は、
浜野佐知監督の旧作。以前観たものだった。
エクセス映画・「告白羞恥心 私が痴女になった理由」。
(当然だが、TVの羞恥心は、出てこないよ・・・の声)
フィルム画面(デジタルに落としてる)が、全体に明るく、白っぽい。
映像の編集は皆、VHSビデオテープで、
ワープロが白いボディーで、でかい。
80年代後半から、90年代前半頃の作品だろう。
TVで女性層に人気者の、
女性フラワーコーディネイタ-女史(本田聖奈?)。
彼女を取材で撮影した、女房もちの男性カメラマン。
彼女との一体化願望?が高じて、カメラマン氏は、
よせばいいのに、彼女の自宅を盗聴、
恋人らしきTVプロデューサー男性との会話をチェック、
合い鍵まで作って、留守宅に出入り。
やがて、かつての遊び仲をタネに、彼女をゆする人物が出現。
密かに、これを撃退するも、
ある日ついに、一連の行動が、当人にばれてしまう・・・。
不運にも、そのとき彼女は、
TV番組から、失脚していた・・・。
とにかく、このカメラマン氏の無茶な行動を、
ずうっと、ながめる為の作品。
今観ると、ドラマもテンポも随分と、のどかなものだ。
(真似しちゃだめよ~!家宅不法侵入だからね!の声)
もう1本は、
某ヒッチコック映画を意識して撮った、という、
2007年・池島監督・五代脚本のサイコ・サスペンス作品。
新東宝映画・「連続暴行犯 熟れ妻狩り」。
これも、再見。
冒頭からカメラ目線で、
日高の人妻が、やられるシーンが・・・。
今見ても、やっぱり、こわい・・・。
(トークによると、かなりの力演になったそうな。)
犯人がだれかは、途中であっさり、観客には明かされるのだが。
犯人側の犯行、証拠処分、車内行動等は、
観ていて、かなり危なっかしく、無茶すぎ。
まっ昼間から、そんな事やってたら、見つかっちまうぞ~!と、はらはらさせられる。
女性探偵と、ちょっと抜けた?男性弁護士は、
くされ縁のやりとりが、面白い。
そして、ダメ押し。油断ならないぞ~。
さて、3本目。
こちらが池島監督の、目下の最新公開作。
オーピー映画・「いんび快楽園 感じて」。
冒頭、漁港らしき景色を前に、
お嬢様(琥珀うた:注1)と裏組織の男性の、許されぬロマンス劇が、
映画館のスクリーンに、映写されて、タイトルとなる。
不忍池で、ホームレスの仲間に入れてくれ、と言って、断られる人物。
35歳を過ぎて、何ゆえか突如、大手会社をリストラされ、
肩書き志向の、恋人OL(日高ゆりあ:注2)に、
手痛い言葉とともに、見捨てられた、
再就職もままならぬ、青年・・・。
降りしきる雨の中、彼がひとときの宿とした、閉館した古い映画館。
そこには、ここの関係者と名乗る、女子高生(琥珀うた)と、
その父(なかみつせいじ:注3)、母、親族夫婦の5人が、
すでに住みこんで、二世帯で生活していた・・・。
彼らは、何者なのか?
数日、彼らと<交流>しつつ、
いっそ、ここにずっといようかな・・・とも、考えかける青年だが、
女子高生に、あなたは元気が出たら、外へでるべきよ、と言われる・・・。
その一方で、唐突に、
大蔵映画(!)らしき劇中劇映画が、始まる。
空が赤く渦巻き、世界人類の滅亡が、近づいている・・・。
その時が来るのを、今は静かに待つ、5人の家族は・・・。
映画館が舞台にふさわしい、
ちょっとほっとさせられる、二重構造のファンタジー劇。
この映画、オール・上野オークラ旧館ロケ。
現在の上野オークラの、すぐ隣近所に、今も立っている。
ここの内部をフルに活用して、撮っている。
いい意味で、貴重な記録にもなったようだ。
さて、小生もしばし、
映画館の外へ、出るとするかな・・・。
といいつつ、またもラピュタ阿佐ヶ谷で、
21時より、レイトショー。
「ある女子高校医の記録 続・妊娠」。
女子高生態シリーズ、第4作だが、
ドラマ上、第1作との直接的関連は、薄い。
ただし、出演者は多くが、共通。
前3作は、探偵役が校医だったが、
今回は、優等生の、容赦なき風紀委員女子。
ある日、スポーツ活動のシャワールームから、
主人公の下着が、消えていた。
誰か、自分の風紀取り締まりに、反感を持つ者の仕業では?
と考えた彼女、独力で、
特に怪しい、3人のクラスメートの言動を、調べて廻る。
性的遊戯にも、それぞれの状況下で、
かなり奔放な活動をしている、彼女達。
一方、自分はというと、
多忙な両親にも、ロクに相手にされず、金だけ与えられる日々・・・。
次第に孤独感を募らせてゆく主人公は、
ついにある夜、調査中に知り合った浪人生と、
連れ込みホテル街で、・・・・に、なってしまう。
ここの女将が、調子のいい商売上手で、つい笑ってしまう。
そしてある日、学校の身体検査で、
大いなる崩壊が、襲う・・・。
前3作同様、恒例の、学生言葉解説あり。
冒頭事件の主犯判明パターンも、似通っている。
登場人物によるナレーターが、ころころ交代するのが、
気にはなるが、混乱はしない。
主人公が、悪夢を見ながら悶える、
イメージ・シーンの動き方に、
多少、観るべきものがあった。
主人公達の決意、じつに、潔い・・・。
そうなる前に、気付けばいいのに、
と、思わないでもないのだが。
以上。
注1:上野オークラの玄関には、AKBの前田似、と張り紙で紹介されていた。
生トークで見ると、まあ似てるかもな、という感じ。
割にくだけた、フランクな調子で、一気にしゃべる女優で、
役とは印象が、やや変わるのが面白い。
注2:トークによると、冒頭部分で、琥珀の台詞の一部を吹き替えた、という。
そう言われて、聴いてみれば、そうかも・・・と。
女優としての琥珀は、まだまだこれから、というところだろう。
注3:トークでは、黒っぽいウエスタン・スタイルで、キメていた。
劇中での笑い方は、とある旧知人物のそれを、真似てみたとか。
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- 2011/02/25(金) 21:57:19|
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