夢次の、日記。
2月12日・土曜。
雪は、降る。
午後、考えた末、ラピュタ阿佐ヶ谷へ。
徳川夢声・出演映画特集、最終日。
「彦六大いに笑ふ」:
周囲の再開発で、地上げ屋達に立ち退きを迫られた、
ビリヤードの老店主が、夢声。
そこへ、家を出ていた息子が、帰ってきて・・・
という、新宿あたりの、一夜の話。
一幕の、舞台劇に近い。
若き清川虹子が、隣のビアホールの女で、手堅く演じている。
映画としての魅力は、やや、乏しい・・・。
ロビーにも貼ってあったが、
フィルムの具合が悪く、アウトフォーカスが目立ったため、
中盤がやや、見づらい。
貴重な、演劇の記録では、あるが・・・。
「西遊記」:
東宝のモノクロ・ファンタジー。
意外に律儀、品行方正な?孫悟空。
法力、使いたい放題。万能。
三蔵と仲間が喧嘩すると、なだめ役してる、杉狂児の河童。
花菱アチャコの、関西弁猪八戒が、特に目立って、活躍。
結構現代語を、連発。
夢声は、金角大王。
飯盛り妖怪たちが、なんだかちょっと、可哀そうに見えた・・・。
羅刹女は色っぽく、アラビアン・ナイトのダンサーみたいで。
これ、親子連れのお父さん向けに、サービスしてるの?
お話は大分、大雑把だが、
影法師が飛ぶシーンなど、
特撮・合成にも一部、観るべきものがある。
「ノンちゃん雲に乗る」:
旧・新東宝公開作。
いきなり、泣きながら登場。
達者な子役少女。
おでぶちゃんの男の子は、やや舌ったらず。
母親が原節子、父親が藤田進。
しっかりしてそうな親だ。
夢声は、白髪の穏やかな仙人。
少女の悩みを聞いてなだめる、セラピスト的役割。
なにしろ、小学3年少女の、夢の中のお話なので、
発想・感覚的に、よくわからないところも、まだあるのだが。
子どもミュージカル、だからなあ。
とにかくのどかで、平和、平和。
那須与一とガンマンとインディアン(注:昭和の旧称)が、
お兄ちゃん達のごっこ遊びに出てくるあたりが、絵的にちょっと面白い。
「待たれい、インディアン!」なんて台詞、
オバQ漫画に出そうで、可笑しい。
やっぱり、元・男の子な、小生だった。
そのまま、レイトショーまで残る。
「ある女子高校医の記録 初体験」:
校医役こそ交代しているが、
第1作と構造上、よく似ている。
ヒロイン達もほぼ、同じ女優陣。
今回も、モノクロ。
新宿界隈、援助交際をしようとして、
巡査に捕まった、女子校生が一人。
後ろ向きで登場、すぐ逃亡。
右の太ももに、「御意見無用」の刺青。
学校では、内々に処理・処罰しようと、
逃亡容疑者?を、あるハプニングから、9人に絞り、
校医を呼び、さらに調べて、4人に特定する。
さて、一体、誰?というのが、今回のミステリ-。
(巡査に面通しさせれば、一番早いはず、なんだけどね・・・?の声も)
校長は、仁義なき山守組長こと、金子信雄。
いかにも、らしい人物だ。
前作の加藤嘉よりも、エネルギッシュ。
割とイイ家の、ヒロインの一人が、
夜は新宿の、サイケなゴーゴー・バーで、
大人気の、トップ・ダンサー。
取り巻きのGS風兄ちゃんたちに、小遣い配ってる!
リード・ガールの座をめぐって、
ライバルとダンス勝負で、耐久レース。
場内、大ウケ。
爆笑。よく続くものだ。
他の3人も、彼女同様、
親達が仕事に多忙で、かつ、実質的放任状態。
深夜の1時に、ラジオで色っぽい声のDJやってたり、
絵画のセミヌード・モデルやってたり、
無断風俗業の、引きこみ役をやって、
大人の女性に、バトンタッチしていたり・・・。
純潔の誓いは、仲間内で守りつつ、
バイト稼ぎはそれなりに多く、やり手揃い。
芸術は爆発だ!?な、
昼・夜二つの顔を持つ、
お調子者サイケ・アーティストが、
藤村有弘、ってだけで、
すでに相当、怪しい。
女子高生の一人を、
縄張りの組織から助けようとする、
20年年上の、工場勤務中年男。
結構、おかたい男。
そのままプロポーズ、って・・・いいのか~?おい!
もうちょっと、考えてからのほうが。
結局、主役の女子高生たちは、
結構、友達思いのイイ奴らだった、というオチで。
一件、落着!なり。
土曜の夜に、大笑いの、一篇。
以上。
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- 2011/02/13(日) 01:04:08|
- 劇場用映画
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