記者メリックの、日記。
11月2日、火曜。
夕方。
仕事帰りに、都内へ。
又、山手線が遅れ、ダイヤが乱れた。
乗り換えの新宿駅は、またも、ホームがぎょうぎゅうに。
理由は大体、察しがついている・・・。
上海万博も終わったばかりの、この時期、
なおも、世間の就職難は、
さっぱり、解消されていない、という・・・。
大学は出たけれど、新卒ですら、
就職に約3割が、あぶれているそうではないか。
ましてや、年長組は・・・と。
異常気象は続き、
スマトラは地震、ジャワでは噴火。
生物多様性会議とやらじゃ、
地球は死にかけている!」発言も出てたとか。
海底資源の獲りあい、国境がらみ云々で、
国際紛争は、次から次へと、勃発し・・・。
でかいニュースが、こんなんばかりじゃ、
そりゃ、気も滅入るわな。
「日本沈没」、「ウルトラマンレオ」、「デビルマン」に「マーズ」と、
あのあたりの、人類のいろんなぼやきが、聞こえてきますがな・・・。
あ、そういえば最近、映画、行ってないな・・・と。
で、2、3箇所のプログラムから、
池袋・新文芸坐の、日替わり上映を選んだ。
やれやれ、ようやく、
劇場で映画を観る、時間と気力が、戻ってきたよ。
俳優・小林桂樹、追悼特集。
東宝映画、カラー2本立て。
「狐と狸」(1959年・千葉泰樹監督。多分再見)
「甲州商人」という、原作があるそうで。
黒沢映画も担当した、菊島隆三による脚本。
でも、なぜか・・・これは舞台が、山梨ではなく、
茨城県・霞ヶ浦周辺。
台詞や、旅館の看板や路線バスの文字等に、
土浦・鹿島・鉾田などの地名が出てくる。
(そういや、鹿島鉄道線、もうないんだよなあ・・・の声)
題名通り、狐と狸の、
ばかばかしいまでの、せこい化かし合いが、見どころ。
化かし合うのは、
純毛・本絹などといって、化繊・人絹製品を売りさばく、
服飾の行商人チームと、
結構したたかな、農家や、農協理事らの買い手達。
さらには、行商人たちの女道楽につけこんで、がっちり稼いでる、
連れ込み&飲み屋の女たちが、からむ・・・。
のんびりした雰囲気とテンポながら、
全篇、人を見たら金と思え!の、
商魂たくましさの見本市、アラカルト。
後半の大博打商売など、傑作セールス・シーンの連続で、場内もバカ受け。
突発的抗議者への対応も、なかなか、お見事。
(半分、寅さんっぽくも、見えるよなあ・・・の声)
あまりにも、ローカルかつあけっぴろげな、売買双方の調子の良さぶりに、
げらげら笑いつつも、
戦時中のノスタルジーーで、老婆をだまして売り込み、
いささか後味が悪そうな、小林桂樹の元文芸派インテリ行商人、
就職難で叔父・加東大介の行商見習いになった青年(夏木陽介)など、
事情は違えど、今日のご時勢を思わせる、
悩みを抱えた煩悶シーンには、ちと、泣けてくるものがあるのだ・・・。
東宝スター映画らしく、出演メンバーがほとんど、
東宝サラリーマン・シリーズと、共通。
売り手側が、加東大介・小林桂樹・三井弘次・山茶花究・清川虹子に、
青春スター・夏木陽介、
そこへ中途参加の、森繁久弥。
村の衆に、左卜全・飯田蝶子・中村是好。
飲み屋が、草笛光子・団令子・三好栄子。
椿油の売り子の一人は、よく見りゃ、若き日の塩沢とき。
チョイ役で、三木のり平と有島一郎。
喜劇の達者な、重量級のベテラン揃い、
これは今見ると、かなりすごい・・・。
もう揃わねえよな、これだけ。
いい仕事してるよ。うん。
(亡くなった人も、いるしな・・・の声)
「天才詐欺師物語 狸の花道」(1964年・山本嘉次郎監督)
・・・こちらは、場内アナウンスでもことわっていたんだけど、
初公開時には「天才詐欺師 たぬきの中の狸」だったものを、
後に改題したフィルムの、上映。
これを先に言っておかないと、本当に、
「題名が、昔と違うぞ~!」「前に観たものじゃないか!」「詐欺だ~!」になっちゃいますからねえ。
まあまあ、ちゃんと残ってただけでも、よしとしましょうや。
主役・小林桂樹が一転、情けなさの極地みたいな、
生活力皆無の競輪狂い、性格のきつい妻に見放され、
おまけに年中、口からでまかせ、ホラ吹き、
せこい詐欺をやっては、すぐ捕まる・・・
という、どうしようもないダメ亭主を、コミカルに演じている。
だってねえ。
被害者たちからまた、小銭をせしめてるんだよ。
技が効きすぎ。
どうしようもねえよ、こいつの癖は。
治らねえな、もう。
それを、三木のり平の刑事が、追っかけつつも、面倒を見てやる、というドタバタ。
パチンコ屋張り込みのところとか、ほんまに、ばかばかしくて。
いってみれば、戦前までのエノケン一座風喜劇を、
この2人中心でやろう、というもの。
「エノケンのちゃっきり金太」みたいなやつの、昭和元禄版。
話がかなりゆるいのと、
留置所の描写の、のんきさが、ちと気にはなりましたが。
割におおらかというか、
まあ、結構笑えましたぞな。
山茶花究の店長を、
人と金にせこく、嫌味な悪役にしたのは、正解ですな。
この人ってこういう役、多いらしいんだけどね。
しかしまあ、ここでも途中参加の、牢名主?森繁久弥。
出番でいちいち、目立ちまくってましたぞ。
一瞬、だれだ~?と思ったよ。
あの茶髪っぽいメークに、浮きそうなくらいクサイ芝居、
そりゃ、目立つさ。爆笑。
あの人だけ、動物電気というか、ビリビリッ!ときてましたねえ。
てなわけで。
今日のところは、ここまで。
劇場のお帰りは、あちら~イ!
以上。
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- 2010/11/03(水) 13:00:23|
- 劇場用映画
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映画会社のMGM、
ついに3日、倒産、
再建計画に入るとか・・・。
OO7は、隔年復活?の案も、あるらしいけど・・・。
中国・インドあたりの資本が、入ってくるのかも・・・?などと。
どうなるんでしょうね?
- 2010/11/07(日) 14:07:46 |
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