政の、日記。
8月3日・火曜。
18時40分より、21時45分頃まで、
渋谷・アップリンクファクトリー(1F)。
立教大学新座校舎より、はるばると出張の、
学生グループによる、自主映画イベント、
<立教大学 [映身祭 2010]in渋谷>。
2006年春より、立教大には、
現代心理学部映像身体学科、というものが、あるそうな。
ようするに、そこの授業内容の延長上として、
演劇パフォーマンスや、自主映画制作により、
心理的効果を研究しよう、という、
おそらくはそういう、試みなのだろう。
去年の秋、池袋の立教大を訪問したところ、
映画関係の主力は、新座校舎に移ったらしい、と知ったのだった。
「しがらみ学園」とか、やっていたのも、今は昔。
渋谷なら割と近いし、ちょうどいい、と思って、
この機会を、待っていたのだ。
学校・学生関係と、アップリンクの通人常連が多い模様の、
お客を満員近く入れて、時間になった。
こういう上映会では、毎度おなじみの、
携帯・アラーム等をオフにする旨の、場内注意事項が、
男子学生2人により、説明されるのだが。
その時点から既に、<演劇>が、始まっていた。
説明開始にあたり、
「俺が言うんだ!」「いや俺が!」
と、漫才調の台詞が始まり、
たちまち、器械体操のごとき、つかみあいの喧嘩劇になる。
そういう、パフォーマンスか。苦笑。
そのすぐ後に出てきた、男子2人も、
もう一人の、Gパン?女子学生をめぐって、奪い合い。
「俺の彼女だよ!」
「違うよ、俺の!だよね~?」
「どっちも、違うって!」などと、
器械体操劇が、延々と続く。
まあ、あれだ、
下北沢あたりの小劇場か、吉本系劇場で、やりそうな感じ。
面白いには面白いが、まだまだ動きに、
なめらかさが足りず、硬いかな、と。
むしろ新人達にしては、スムーズに動けてるかな、と、みなすべきだろう。
軽くドタバタな、前座も終わり、
5本のDV作品、上映開始。
途中休憩が、一回入る。
「つとめての帰り道」:鶴岡O子監督(注*漢字が出ない・・・)
女性っぽい、お姉様なしゃべりかたをする、
男性が、家事をしている。
横に、若い男が寝そべっているので、
最初、同居中のゲイ・カップルか?とも思われたが。
祖母の死による、帰郷の話が出てから、
あ、兄弟なんだ・・・と、気付いた。
わかるまでに少々、時間がかかった。
出だしで、その事に何も触れていないのと、
そこまでの進行が、ゆっくりゆっくりで、
やや長く、感じた。
で、身支度をした二人が、
家を出発するところで、スタッフ表示。
え~、あれだけ引っ張っといて、
そこで、終わりなの?
と、ずっこけた。
そこからが、ドラマだろ~!と。
まあ、悪くはないんだが、
何だか、置いてかれたような、気分なり。
「クーラン・オプティック」:佐々木健太監督
一番、わけがわからなかった。参った。
女子が主役で、
川べりや夜の公園、朝の池袋などを、
なにやらぶつぶつ、つぶやきつつ、歩き回るのだが。
台詞・モノローグが長い上に、
音がよくないので、
何が何だか、さっぱり・・・。
人間関係も、よくわからない。
あのホームレスは、誰?
あの中年男性は、父親?
やや皮肉げ?な青年と、
朝、自転車で疾走するラストのみ、
妙にさわやかで、ちょっと、いい。
「顔面」:新津伊織演出
ここの1期生の作品、特別招待上映。
紙芝居の紙に、丸い穴が。
そこから顔を出しては、キャラを演じてゆく、
面白い大道芸人に取材した、ドキュメンタリー。
バブル崩壊や、事業失敗で借金、
奥さんとともに再起、
助手も志願者が来て協力、
TVの仕事も自分で交渉、という苦労人。
子ども向けには冒険活劇、
平日には大人向きに、ちょいエロ?ネタも披露。
どれも、面白いのだ。
とにかく、愉快な芸で、
観ているわれわれにも、大ウケだった。
欲を言えば、
公園等で観ている、観客と演者・監督らのやりとりを、
もう少し、観ていたかった・・・。
「引力珈琲」:小林大輔監督
優しすぎる女子大生、
失恋後の、未練心のひきずりと、
そのゆるやかなる解消までを描く、
淡いといえば淡い、
ささやかな?キャンパス恋愛模様、良心作。
しかしまあ、前の男をひきづりつつも、
すぐ隣にいる、年下らしき青年に、
何だか気のありそうな?そぶりを見せているあたり、
男性的には、ちょっと、ね・・・。
TVの女性向けドラマで、いかにも、ありそうな印象で。
折り紙のシーンなど、悪くはないけど、
全体にあまり飛躍もなく、収まって終わりなのが、
やや食い足りないかも?と。
「疾走深夜」:八木下雄介監督
最初、薬物(大麻か?)でラリってる青年像を、撮っているあたり、
赤い照明と、揺れるキャメラが、それなりに効果を発揮。
それから、外へ出て、売人らと会い、
世の中なんて、ろくなもんじゃねえよな、と、
煙草で一服しながら、へらへら笑って、語らう青年。
これは、ドラマを期待させる。
そこへ、昔の知人らしき女性が、
どこからか、街に帰ってきて、
急に青年と、再会。
何か、長い旅にでも、出ていたのだろうか?
それとも・・・もっと、とんでもない所にいた、とか?
その辺も、興味をつなぐ。
だが、しかし、上記2要素に関する話題は、
その後、まったくどこかへ、うっちゃられてしまい、
何ら、ドラマとして語られることが、なくなってしまう・・・。
なぜだ~!?
下宿の廊下で、キャメラが引いていって、
不意に青年が、ダッシュで出てくる所は、
ちゃんと緊張感が引っ張られていて、いい。
しかし、公園トイレ前での、凶悪犯登場は・・・
唐突すぎる。
そして主役男女とは、さして、からまぬまま、
その人物は、去る。
ある日のすれ違い、という感じで。
そこまでのドラマは、まったく、ふっ飛んでしまう。
で、何となく映画は、終わってしまう。
ああ、またしても、置いてけぼり!
コンパクトな、サスペンス・アラカルト。
その場その場で、不意打ちするやり方は、面白いが。
逃げ足が、早すぎる。
中盤のお話に、一応の結末は、
つけてほしい気も・・・する。
題材・エピソードがユニークな、「顔面」を除くと、
皆、まだし、まだし、といった感じ。
「もっと掘り下げられるはず、面白くなるはず」と、
指導のトーク3監督も、ご不満が多い様子で。
技術・構成的な事は、これから学べば、
だんだん身につくのだろうが、
もう少し、題材を料理するにあたって、
それこそ、せめぎあい・つかみあい位に、
思いきり突っ込んで、やってほしいものなり。
追記:
8月4日、水曜夜。
渋谷のイベントスぺ-ス・ザナドゥー。
(まさか2夜続けて、
渋谷に行くとは、思わなかったな・・・の声)
ここでは、演劇・芸人大会・自主映画入りの、
摩訶不思議なライブ・イベントが、挙行されていた・・・。
<「USU」~ インプロワンダーランド>。
結果として、これは伺っててみて、大いに正解!だった。
会場内に入ると、開始時間前から既に、
バー&仮装大会風の、遊園地のごとき、
パーティー状態が、始まっていた。
ミニ・マジックショー、ダンスなど、
雰囲気は大いに、盛り上がっている。
場内の案内係は、ラビット衣装。
飲み物を注文、やがて開始時間に。
「誕生日でも、何でもない日に、乾杯~!!」
という、愉快な始め方。
「携帯、アラームおよびポケベルは・・・」
「あ、30年前のネタか・・・」等、
さっそく、笑わせてくれる。
(内田栄一の芝居と、兄弟?みたいだな・・・の声も)
<映身祭>が、最初に舞台劇も入るとはいえ、
あくまでも、学生映画お披露目が、主体なのに対し、
<USU>でのメインは、
観客をも、参加者に巻き込んでの、即興劇。
「不思議の国のアリス」の世界をベースに、
ドタバタ・コメディー調で、進行。
その過程で、舞台芸人ライブと映像も、
入ってくる、というもの。
観光案内のように、場内各所を移動しながら、
観客にも、場面の都度、<想像力>を要望する、
という趣向が、面白い。
硬くなりかけていたン脳内思考を、やわらかくほぐし、
即興劇の場面が、描こうとしている光景を、
自分達の想像力で、補強せざるを得なくなってくるのだ・・・!
たとえば、あるリクエスト・コーナーで、
「バブル!」と言われたら、
即座に、ミニ舞台の一角で、5人位のTシャツ男女が、
お札を撒き、遊びまくる姿を演じ始め、
観客はその時代の光景を、イメージしてみる、という具合で。
さらに、観客がチケット用紙に、<一言の台詞>を書いて、
係が集めておき、
一部即興劇のシーンで、舞台にばらまき、
演者達がその中から、台詞をチョイスして、
その場で読み、演じながら、劇の筋を作ってゆく、
という技も、披露。
「あれは何だ?!」と、書いておいたら、
ちゃんと使われていて、笑った。
筋から予感?したとおり、
芸人大会を見ては、「首をはねよ!」連発の女王様も、しっかり登場。
(その割に結構、笑っていたようだが・・・?の声も)
どっかで観たチェリーボーイ芸人、
お米の歌を歌うラッパー?芸人、
田中邦衛そっくりの風船芸人、
などなど、ゲストもなかなか、愉快。
終盤はなぜか、海底世界の恋と、
未来の「ドラえもん」メンバーズ再会が、結びつくという芝居に。
空腹絶倒、だった。
いや~、ええもん、参加させていただきました。
去りがたかったですよ。ハイ。
以上。
スポンサーサイト
- 2010/08/04(水) 07:17:44|
- インディーズムービー
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2
素敵な感想文ありがとうございます!!
私達の伝えたかった事をすごく汲み取って頂いて嬉しい限りです♪♪
素晴らしい想像力のおかげですね!
ご来場本当にありがとうございました!
- 2010/08/12(木) 00:36:07 |
- URL |
- コザ #-
- [ 編集]