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シネマ旅の途上にて

自主映画ウォッチャー、アWorkerのブログ。

夏は・・・淡き思い出

竜の、日記。


21日、夕方より、新宿K’sシネマ。
ここは、あの新宿昭和館の、跡地に建てられた、
小粋な、映画館。
今、やっている、DV自主映画の特集上映は・・・

<ムビハイ>こと、<Movies-High 10>。
この日は、<ベーシック(1)>。
9分から15分程度までの、短編7本。

<PFFアワード>方面では、ボリューム厚盛りの、
ややハードな?作品群を、
連続して見せられ続けていた、真っ最中だったので、
<ムビハイ>客席での小生は、
かなりゆったり気分となり、くつろいで楽しんでいた・・・。
(自分で行ってたくせに、よく言うよ~!の声)


以下、解説。


「純愛」:渡辺真玄監督

・・・というタイトルが嘘のような、
ちょいとえぐい、ドタバタ喜劇。

親元の家に、<彼氏>を連れてきた、20代の娘。
最初、彼氏目線でキャメラが動くため、姿が不明だったので、
これは何かあるな、と勘ぐったら、あっさりとカードは開かれた。
父母に紹介された、可愛い?<彼氏>は・・・

KAPPA。
そう、河童くん。
服はカジュアル、顔は緑色、頭にはお皿。
「川で見つけた」って、まんまじゃん。苦笑。

で、不満げなお父さんに、交際を許してもらうため、
河童くんは、お父さんとの三本勝負を、提案したのだった・・・。 
これが、もう、じつにばかばかしくて。
乗せる娘と母親の、はしゃぎっぷりがすごくて、笑ってしまう。

やれやれ、ひとまず円満解決、と思っていたら。
娘と母親が、そのはしゃぎっぷりのまま、
とんでもない暴挙!に出てしまい、
グロい世界に、暗転。
お父さんは、がっくり・・・。

河童くん、先に結婚相談所へ、行くべきだったな~。



「赤いインクと黒い靴」:赤松桜監督

・・・は、
がらんとした、休日の、オフィスビル内。
OL女性が、廊下でよく見かけていた、
ビジネスマン風の、男性。

ある時、ちょっとしたきっかけで、
二人は出会い、ようやく直接、
廊下の休憩所で対話を、始めたのだった・・・。
二人だけの、世界。

という、わりにありふれた、お話だが。
ガラス越しに、向こうの人物を、
眺める視線のシーン、ちょっといい。

廊下の床に落とした、書類の山が広がるのと、
そこへ赤いインクが、さあ~っと広がり、
二人の心理状況を暗示しているらしいのも、
ちょっと、いいシーン。

全般に、音楽向きのPVに、なりそうな感じ。
恋はワイン色、って歌があったな、と、思い出したのだった。



「マリフラワー」:進千絃監督

・・・は、派遣OLと、派遣先の社員男性の、
ちょっぴりキュートな、一週間を描く。

主役ヒロインが、なぜかいちいち、
室内グッズの位置を、メジャーで測っている。
彼女独特の、美的バランス感覚が、あるようだ。

彼女と席が近い、スーツの正社員男性。
仕事から帰った家では、妻との対話も、ごくわずか。

やや味気ない日々に、ふと、光をさした、
派遣OLの、ちょこっと跳んでる?言動。
どうやら、この男性の服装を、
彼女流の<美的感性>に、合わせてみたくなった模様。

その影響で、次第に、
服装の<美的>感覚を、学んでゆく、男性。

だが、ようやくそれに、馴染んできた時には、
彼女はもう、そこには居なかった・・・。

気まぐれのような、小さな風のように、
人生の一瞬、通り過ぎた、
ちょっと小粋な、キュートな女性。
こういう人に、男は結構、ときめいたりもするもの・・・なり。
明るい主題歌も、なかなかいいぞ。

(「必殺仕事人2009」のテーマソングが、浮かんだりして・・・の声も)



「はじまりの夏」:佐々木洋一監督

・・・は、プロの先輩カメラマンに、あれこれ言われて、
少ししょげてる、助手青年が、主人公。
学校出てから、早や幾年。

ある日、高校時代の同窓会に、出席。
そこで、かつての同級生女性に、再会。

タイムカプセルの卒業ビデオを、起こしたPCで、
データ映像を観ながら、皆でわいわい、やっている。

彼は、あの頃に、
夢を持ちながら、事故で急死した、
親友の同級男性を、思い出していた。
彼の映像も、残されていた・・・。

吞み会のお開き時、
主人公が、寝たふりをして、
亡き友を思い、一人泣いている。
それに気付いていて、そっとしておく、女性・・・。
ううっ、いい奴らだ。泣かせるぜ。

夜が明け、町内で彼は、
戻ってきた女性に、再会。
友との思い出の場所を、めぐる・・・。


ちょっと70年代の、日テレ青春ドラマ等を思い出させる、
ちょい泣けて、心温まる、いい話、なり。

今も夢をかなえたい、ナイーブな主人公青年を、
俳優・安藤晃洋が、好演。
これも青春、だなあ。



「きんぎょ」:菱木睦監督

・・・は、一軒家に住むおばあちゃんと、
夏の里帰りでやってきた、孫娘の、
小さな、夏休みの光景。

庭、風鈴、お昼寝、デメキン・・・
ごくありふれているような、でもひとときの、
お茶を一服、麦茶を一杯、といった風な、清涼感。
ほほえましき、二人の対話。
「少年時代」の歌が、聞こえてきそう。
いい意味で、ほっとくつろげる、1本。


「せんせい」:鈴木亜加里監督

・・・は、森昌子の歌みたいな、タイトルだが。
特に、どきっ、とさせられた作品。

宿題のノートを、白紙で出して、先生に呼び出された、
女子高生の惚れた相手は、
若く明るい歌声に、のスポーツ青年・・・ではなく。
なぜか中年で眼鏡?の、お父さん風教師、だった。

ノート学習や、補習の事を、
親身になって、相談に乗ってくれる、先生。
匂いまで、気に入ってるらしい。

二人っきりの状況下で、モーションをかけられて、
戸惑い、叱ってしまう先生だったが・・・。

・・・って、見ているこちらが、
もっと、戸惑ってるよ~!と。
大丈夫か、あぶないぞ~、この二人!と、
終始はらはら、させられた。

ラストシーンも、ヒロインにどっきり!もの。
うぬ~、やるなおぬし、姑息な。
いい。そして何か、くやしい・・・。

男性じゃなくて、女性監督が撮ってしまったのが、
ちょっと、おどろき。
まあ、先達には、
浜野佐知監督や、吉行由美監督がいるけども、ね。

上映後のトークによると、
「イケメンの人じゃない人に、したかった」とかで。
なるほど、そっちだと、同じ状況下でも、
大分印象が、変わってくるだろう。
面白い試み、なり。
あなどれん、女優と監督だ・・・。



「靴ずれ/いちご/デリバリー」:佐藤稔浮監督


ラストの一本は、これがまた、
いかにもありそうな、きっつい話で。
正直、参ってしまった・・・。

だってね、ピザのバイトしてる青年が、
デリバリー先で、初恋の女性に、再会したらば、
まず、彼女は男と、同居してた。
ガーンっ。

そしてクサって、下宿へ帰って、
気晴らしに電話で、出張ソープを、頼んだら、
やってきたのが、その・・・元彼女。
な、なんだそりゃ~!

外の車で待っていて、もめたのを察して、
代わってやってきたのが、今の彼氏。
そこの事務所の、マネージャーだったのだ。
さ、最悪・・・ドーン。

昔の彼女を知っている、
彼女はお前との暮らしに合わない、靴ずれしてる!
と、怒りまくり、
男を追い返し、泣く青年・・・。

これでは、吐き気も、起きようというもの。
ああ、不幸な偶然。気の毒すぎる・・・。

不安げに、仕事の相談をする、女性。
プロっぽい指示を与えて、なだめる、今の彼。
何だかなあ・・・。


今は思いきり、泣け!青年。
ひとしきり泣いたら、きっと落ち着くさ。
いつかは、笑って話せる日も、
来ることだろう。多分。
(話してOKな人にだけ・・・だけどな、の声)

陽は又、昇る。若いんだ。
さあ、元気を出して、外へ出よう。
落ち着いたら、次の女性を、探すのだ!


え、女性側は、って?
ああなっては、もう、
何を言ってやっていいか、わからん・・・。
ただ、多分、若いうちだけだよ、それは。
と、それだけ。ごめんな・・・。



さて、そろそろ、
真夏のしのぎ方、過ごし方を考える時間を、とるとしよう。
休日はできれば、なるべくなら、
すがすがしい風景が、見たいんだ・・・と。
  


以上。

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  1. 2010/07/22(木) 22:15:35|
  2. インディーズムービー
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