ビーグルGメン・大種捜査員の、事件簿。
5月29日、土曜。
レイトショー枠は、渋谷ユーロスペース。
石井裕也監督「君と歩こう」。
入りは、ノーゲストにしては多く、席が埋まり、
まずまず、よろしい。
これ、なんと、
同じ石井監督の「川の底からこんにちは」と、
企画・撮影が、ほぼ同時進行していた作品、だそうだ。
なるほど、こちらで、
あちらでの制作のプレッシャーを、ほぐして、晴らしていたのか・・・と。
いや、なにしろ、おもしろいにはおもしろいんで、
やたらと、笑いまくったんだが。
とにかく、もう、下品含みな、悲喜劇、ドタバタ。
人物達の言動は、むちゃくちゃ。
万事が成り行き任せ、いきあたりばったりな、映画なもんで。
内容は要するに、
30代女性教師と、10代貧乏男子高校生の、駈け落ち事件なんだけど。
映画の途中で明かされる、二人の駈け落ちの発端は、
えらく侘しく、哀しき話で、泣けてくるものなのだが。
では家を出て、駈け落ちして・・・という、
その後の過程で、何かが、おかしくなってゆく。
東京駈け落ち計画をリードし、行動に走る女教師は、
一見しっかり者のようだが、
結構、間抜けなキャラで、笑わせる・・・。
そもそも、わざわざ荷物を用意しておいて、
まずバス停、って決めてあるのに、
いきなり、校門前からダッシュ!するのが、もうおかしい。
それじゃ、すぐ見つかるじゃないか。出発に酔ってるね。
高校生も、やせて見えるからって、学生服姿じゃね・・・。
職質されちゃうぜ。あやしいもん。
渋谷経由で、高円寺・阿佐ヶ谷方面へと逃れ、
住居をゲット、までは順調?だったが。
故郷との縁を断ち切るために、携帯も捨てた後で、
電話をする必要にかられた時(しないほうがいいんじゃ?の声)、
夜の公衆電話で、
「逆探って何秒だっけ?」「洋画だとxx秒・・・」「xx秒位にしとく?」
などとやっているのは、じつに間抜けだ。
それは、昭和の発想。
今はデジタル回線時代、秒殺のはずでは?
向こうは携帯なんだから、余計にまずいだろう。
(しかも、失笑もんの、くだらな~い作業の最中でネ・・・、の声)
後で役に立つから、弁護士になるのよ、と言って、
男子高校生に、初級英語?と法律の勉強をさせる、女性教師だが。
もしなれなかったら、一体、どうするつもりだったのだろうか?
お金なら心配しないで、大人はいっぱい持ってるから、
などど、高校生には言いながら、
呑みかけの缶ビールに、サランラップで蓋をして、
冷蔵庫にしまってるのを見れば、
同居中の高校生でなくても、
女性教師の懐具合は、察せられるだろう・・・と。
カラオケ屋のバイトを隠して、無理な見栄を張るから、そうなる。
・・・などなどのシーンの、随所で、
漫才まがいの、ばかばかしいやりとりが展開し、いやがおうにも、笑わせる。
自主映画界では、毎度おなじみ?長まわし撮影の中で、
会話とおつきあい、どつきあいの妙が、冴える。
とんだ<初体験>(ちょいと汚いな・・・の声)エピソード、
野球小僧との触れ合い(どうしたら、あの人と間違うんだ?の声)、
余所のカップルへの家出・駈け落ち道指南(!?)、など、
あちこちのシーンで、爆笑。
本来クライマックス?のはずの、確保(というのか?)シーンに、
むしろ、脱力感があったくらいだった・・・。
というわけで、おおむね、すご~く、面白い。
一部女性客は、下品で汚い部分に、ちょい引いてたんじゃないか?
と、特に前半は、心配になったが。
そこらを乗り越えちゃえば、後は・・・
相当に、愉快な旅路、だから。
ちなみに、20代男女に、大人がぼちぼち混じった、
観客一同の反応は、きわめて、良かった。
よって、クレヨンしんちゃん風に、
オッケーなら、ぜひ、観れば~?
と、言っとく。
以上。
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- 2010/05/31(月) 21:32:41|
- 劇場用映画
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