ビーグルGメン・大種捜査員の、事件簿。
27日、夜6時半。
<シネマ健康会>・松本卓也監督、商業系映画、
「グラキン*クイーン」。
渋谷アップリックXで公開中に、ようやく、間に合った。
オール・香川県ロケ。
全体の主役は、2人。
一人は、眼鏡の、男子高校生。
同級女子が、いようといまいと、隠そうともせず、
めったやたらに、グラビア・アイドル写真鑑賞道を爆走中、
同級男子達を盛り上げている、カメラ大好き男子高校生。
時折ふっと、純真系?女子高生の<対比目線>に、
どぎまぎ対応するあたりが、若さというか、可愛いもの。
もう一人は、お元気系女子高生。
普段は、女子高の同級生達の前で、
眼鏡っ娘姿、極力地味に、暮らしているのだが、
実は、わけあって、
グラビア・アイドルのトップを目指せ!とばかりに、
細かい雑誌知識?込みで、やたらと気合が入っている。
この二人が、ひょんなアクシデントから、ばったり出会って、
お互いの趣味道?に気付き、
戸惑いながらも、紆余曲折を経て、次第に接近し、
写真コンテストや、ローカル美人コンテストで、一致協力してゆく、
そんなドタバタ模様を描いた、青春根性もの映画、なり。
主旨からか、全体に、屈折した暗さを控えて、
画面も、明るめにしている印象。
ファンサービス?らしき妄想シーンも、
時折、ひょいと出てくる。
伝説の人物役で、あの有名女優が!というのにも、
ちょっとびっくりしたが。(注1)
定番の、ライバル女子キャラが、<チョッキーナ!>連発だったり、
これまた定番の、お調子者のプロカメラマン氏(注2)、
いかにもいそうな感じで、吹き出す。
山本紀彦(注3)の、隠居した元撮影名人!登場も、
往年のドラマ・ファンには、嬉しい限り。
悪のり・快感(!)熱演で、後半部を大いに、盛りあげる。
(何とな~く、み~んなモデルが、見えてきたな~、の声)
高校の校門前で、
いかにも雑誌向け?なモデル・ポーズをとるシーンが、笑わせる。
香川県ロケにふさわしく、
うどん粉をこねる、修業?シーンなども、時折登場。
肉体の軟体性と、うどんの軟体性とが、同調する発想などは、
観ていて、なかなか、おもしろい。
明朗快活、己の力を信じきって、
ひたすら前向きに突進する、登場人物達の様相と、
松本監督の、撮り方の確信犯的ベクトルは、
おそらく、ほぼ、まるまる合致している。
そのベクトルを、運動性表現として、
特に、明確に体現しているのが、
ロックンロールな、ヒロインの妹役。
古今東西、コンテスト・シーンというものでは、
「包丁人味平」や「ゲームセンターあらし」、
「キン肉マン」や、多くの格闘技漫画の例を、ひも解くまでもなく、
周囲・支持者たちのヤジ飛ばしや、
分析・批評台詞が、盛り上げの<肝>なのだが。
インディーズバンド・ボーカル役の、彼女は、
その<思いあまって半ば空転する、やじの旗振り役>を、
後半部、殆ど一人で、やってのけていたのが、ほほえましい。
舞台退場シーンなど、
「殿中でござる!」「お放し下されい!」「武士の情けを~!」
みたいに見えて、つい、大笑いしたくなってしまった。
(次回は、歌舞伎ロック衣装で、いかがだろうか?の声・・・)
惜しいかな、終盤で、
映画全般のこうした、エネルギーの方向性と勢いに、
ある人物(これまた、ワンポイント奇演)によって、
ブレーキがかかり、せき止められてしまった様に感じられたのは、
果たして、小生だけだろうか。
いわゆる、お家の事情?なのだろうが・・・。
あれは、あのまま一気に、前進!で行くべきだった、
と、いう気がしてならないのだ。
(その後が又、大変だろうけどなあ・・・の声も)
しかし、元気はつらつな、愉快痛快作であることは、間違いない。
新潟や大阪でも、上映とのこと、
観ておいて、損はないだろう。
なお、音楽に一部、
<シネマ健康会>定番・<チャンべビ>の歌が、
使用されている事を、そっと付け加えておこう・・・と。
以上。
注1:大林宣彦監督「あした」他出演の、女優・高橋かおり。
出ると、優しく、落ち着いた感じがして、
何だか、ほっとさせられる。
注2:一部チラシ等によると、
実在のプロカメラマン氏の、御子息だそうである。
ああいう感じの人達を、よく、見かけてるんだろうなあ・・・などと。
注3:日テレ系青春ドラマや、サスペンス・ドラマ放映で、
見かけない日は、無かった方。
「セーラー服反逆同盟」で、いきなり殉職!した時は、
結構、ショックだった・・・です。
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- 2010/05/27(木) 23:36:09|
- 劇場用映画
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