鉄の、日記。
2日・日曜と、5日・水曜は、
自宅の片付けの続きに、集中。
まだまだ、断続的に、行なう予定なり。
ピンク映画館の上野オークラ、8月に建て替えへ。
既に隣敷地で、白い映画館を、建設中。
3日・月曜に、舞台挨拶に行ってみて、初めて知った。
そうか、あのピンク映画の歌舞伎座も、建て直すのか・・・。
あの昔風の、亀有名画座や新宿昭和館に、やや近い雰囲気に、
ずっと、なじんできていたものだから。
ただ、大分、老朽化しているのは、否めないからなあ。
さて、GWのお楽しみ、<OP映画祭>。
3日・4日の午後だけ、
目いっぱい行く時間が、空いたので、
舞台挨拶2回と、ピンク映画6本を、拝見。
できれば、9本全部を、ゆっくり観たかったのだが・・・。
3日は、渡辺元嗣監督と、
夏川亜咲・藍山みなみ・夏井亜美・西藤尚・山口真里の各女優が、来場。
行ける舞台挨拶は、この日のみ、と思っていたら、
3日の支配人発表で、
急遽、4日にも、
荒木太郎監督&里見瑶子女史の挨拶が、追加されていた。
おかげで、4日も、ちょっとした、
後夜祭的?賑わいとなっていた。
観客としては、大変、ありがたかった。
さて、今回観れた作品は。
渡辺元嗣監督「令嬢とメイド 吸い尽くす」(2007年2月公開)
・・・は、以前どこかで、観たような。
森の中で道に迷った、オカルトマニアの男性と、その婚約者。
とある別荘に、泊めてもらう。
だが、住人の令嬢と、
メイドの様子が、何かおかしい・・・。
男性には、あらぬ妄想?を抱かせつつ、
当人達は、レズっている。
そのまま数日泊っていた、2人の顔色も、気性も、
だんだん、悪くなってゆく・・・。
そして、地元の鬼姫伝説とからまった、驚きの真相が。
色っぽさと、不気味な恐さとが、
同時に、じわじわっと迫ってくる、伝奇ホラ-。
同・監督「夫婦夜話 さかり妻たちの欲求」(2009年4月)
・・・は、歳の差・新婚カップルの話から、入る。
主人が出張中、帰りを待っている、という、
根っから明るい、新妻。
お隣の奥さんや、妹の、
旦那についての愚痴話を聞いて、
それとなく、解決策をアドバイスしてゆく。
かくて、お隣の夫婦は愛情復活となり、
一方、妹は、妻よりも仕事と結婚したような夫と、別れたのだった。
だが、万事めでたし?とは、参らない。
実は新妻自身にも、
周囲に語っていなかった、あるつらい事実が、あったのだった・・・。
そ、その展開は、ありなんだろうか・・・?
それでもいじらしい、というか、
ちょっと泣けてくるぜ、これは。
同・監督「牝猫フェロモン 淫猥な唇」(2010年5月)
・・・は、ピンク女優・早川瀬里奈の、引退作。
主役・早川は、
高校時代に惚れた、ある青年を追っかけて、
ちゃっかり、お隣に住んでいる、
お掃除バイトの、地味系女性。
可愛いストーカー、という役。
その下宿青年が、同窓会で再会した女性は、
今や、売れっ子の、キャバクラ嬢に。
彼の心を知りながら、
早川嬢、よせばいいのに?
密かにシラノよろしく、2人の仲立ちを、してしまう。
さらに、純真な青年を、高額なおねだりで振り回す、
このキャバクラ嬢の本性に、呆れ果てたヒロインは、
どう見ても、可愛い女性!な<男装>姿で、
もう一丁、お節介を焼く。
で、その結果は・・・。
はい、大体、ご想像の通りで・・・。
でも、これがきっかけで、
青年と、ヒロインの距離が、一気に縮まって・・・。
ああ、やっと、夢がかなうんだね・・・。
とにかく、早川嬢の、
スタイルと可愛らしさに、尽きる。
いじましく、隣のドアに、すりすり!したり、
うれしい時、恍惚の表情に、なったり。
これで引退とは、
まことに、惜しい限り・・・なり。
滝田洋二郎監督「痴漢電車 極秘本番」(1984年8月)
・・・は、やや昔、亀有でもやっていた。
当時は、滝田監督&高木功脚本、といえば、
ピンク・コメディーの代名詞。
主役は、蛍雪次朗。
この作品ではなんと、主役の2人が、
忍者・佐助と、くの一。
大阪夏の陣、直前の世から、
豊臣家の埋蔵金のありかを示した、密書をめぐって争い、
突如、昭和後期の世界に、タイムスリップしてくる。
かたや、電車の網棚経由で、女子大生宅に居候、
かたや、トXコ(後のソープ)で売れっ子になり、
霧隠(池島ゆたか)の芸能事務所にスカウト、
といった、のんきなオール・ライト・ドタバタ。
荒木氏は、家康の御付き?坊主役で登場。
密書の仕掛けが、ちょっと凝っていて、おもしろい。
その割に、とってもいい加減な、
終わり方には、苦笑・・・。
荒木太郎監督「させちゃう秘書 生好き肉体残業」(2010年5月)
・・・は、
不況をいまだ脱しきれぬ、今の日本の、
OL・サラリーマン諸氏にとっては、
じつにシビアな、観ていてつら~い、内容。
親父の借金、だらしない生活の兄貴らに苦しむ、
妹思いのヒロインOLが、主人公。
勤め先の建設会社で、社長の秘書なのだが、
お金のために、やむなく、
社長の浮気の、お相手になる事を、引き受ける。
「初めてなんだから、多く払って!」と、
自ら、金額交渉。
現実の前に、開き直ると、実にしっかり者だ。
案外、料理の上手いのは、取り柄の社長。
一時は、なごやかな?空気にもなるのだが。
しかしながら、入り婿の社長は、
実質的経営権を、女房に握られていて、
夫婦仲はとうに、こじれきっていた。
その上、社長は、秘書との浮気にハマりすぎ、
稼業を、おろそかにしてしまう。
会社の経営状態は、既に、危くなっていた・・・。
そして、ついに会社は、倒産。
(あたりめ~だよ!そりゃ・・・の声)
社長の友人のやり手男性が、
会社を乗っ取って、多くの旧社社員を、
ボンクラ扱いして、追いだしてしまった。
あおりを食ったのが、
秘書の元カレの、男性社員・・・。
哀。
そして、人のよすぎた旧社長は、
ヒロインにも女房にも、見捨てられた・・・。
ああ、カネの切れ目が、縁の切れ目・・・哀。
新経営者は、金満な条件を餌に、ヒロインをスカウト、
オフィスで彼女を、誘うのだが・・・。
たちまち、派手な逆襲を食らう。
同族経営者の失敗、企業乗っ取り買収、リストラと、
ヒロインや、買収屋の捨て台詞が、
あまりにもドライで、シビアなため、
かなり気分が、悪くなってしまった・・・。
あのなあ~!
誰しもが、あんた達のレベルまで、ドライにやれて、
生き延びられるわけじゃ、ないんだよ!
お前ら、いい加減にしろよな~!
と、彼らを、叱ってやりたくなってしまった。
結局、一番たくましくなったのは、
<悟る>のが早かった、あのヒロインだよなあ・・・。
と、ぼやくのだった。
荒木太郎監督「ねっちり娘たち まん性白濁まみれ」(2009年10月)
・・・は、一転、ドラマの雰囲気が、がらりと変わる。
長年経営していた、工場がつぶれて、
引退した老夫婦が、
妻は息子の家、夫(野上正義)は娘の家と、
別々に、一時、世話になる。
やがて、それぞれに、身の振り方を決めて・・・という、
家族ドラマ仕立ての、ちょっといいお話。
全体に、小津安二郎風、
「東京物語」路線、といっていいだろう。
息子の一家では、孫娘が・・・
あれ、ついさっきの、秘書の女優?
まるで別人のように、無邪気で、可愛らしい役。
ギャップに、びっくり。
「させちゃう秘書・・・」同様、
リストラの悩み話が出てくるが、
突き放したような、厳しい台詞ではなく、
しんみりと、一家の愛情を見せるように、と、
大分、ほのぼのとした感じに、なっている。
(年金で電話のシーンでは、
お父さんが、怒ってるけどね・・・!の声)
娘の一家?では、
お父さんの勧めた、役場をやめて、
女優稼業にはまってる娘が、里見瑶子。
軟派そうな男性俳優と、お部屋で演技の練習?しながら、
なぜか床から?出てくる、
うぶそうな生活助手?青年を、やきもきさせながら、
陽気な中に、時折、切ない表情も、見せる。
まさに、はまり役なり。
やがて、老夫婦は、
それぞれに、晩年の身の振り方を、自ら決めて、
離れ離れになる前にと、
若き日以来の、東京デートを、するのだった。
もしかしたら、これが最後になるかも・・・という、デートを。
何だが、いい雰囲気の中、
やっぱり、ちょいと、泣けてくるのだった・・・。
(俺も、いい加減、いい歳なのかなア・・・の声)
リアルであれ 、ファンタジーであれ、
<女>の何たるかを、比喩的に描き続ける、ピンク映画。
演じてゆく、女優達。
まだまだ、目が離せない・・・。
以上。
スポンサーサイト
- 2010/05/04(火) 23:46:45|
- 劇場用映画
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0