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シネマ旅の途上にて

自主映画ウォッチャー、アWorkerのブログ。

快奇学園天動部・3「咲き誇れ、華麗なる花々よ!」

小五郎の日記・PART2。


4月4日、日曜、続き。


調布市文化会館・たづくりくすのきホール。
去年までの会場、調布グリーンホールの、隣近所。

<第8回・おかしな監督映画祭>。
通し券・1000円。入場。
ホール内は前回よりも、客席が多く、
かつ、観やすい。

昼の部の一部を観、そのまま、
夜の部を、15作、すべて拝見。
一部関係者の舞台PR、歌などのコーナーも、あった。
観客投票・授賞式まで、残る。


各10分以内、女優主演で、15本。
毎回、感じるのだが、
DV撮影の、画質・音質等が、常に一定レベルを越えており、
なおかつ、内容がエンタメ寄りで、
題材がきわめて、バラエティーに富んでいる。
「ウルトラQ」や「世にも奇妙な物語」に、近い感じだろうか?
これは、見逃す手は、ない。わくわくする。


以下、作品紹介。


ほたる出演・森元修一監督「午後の最後のお客」:

・・・は、 開店して一年の、真新しいカフェの話。
店長男性のもとに、元妻が、やってくる。
二人には、ある哀しい過去があった・・・。
さぞつらかろう。
店長の横に別の女性、経った年月の暗示も、切ないものが・・・。


SATOMI出演・大高正大監督「女が女であること」:

・・・は、暗闘・熱愛男女、スパイアクション篇。

真夜中に弾けるアクション、とどろく銃声、
血なまぐさい顔でのキス、
見栄切ったように、倒れる追手・・・。

まばたきする間すら無く、
今にも誰かに見つかりそうな程、派手な立ち振舞い、
ドンパチと逃亡劇が、テンポよく、展開。
この雰囲気、「VISAGE」を思い起こして、ちと笑う。

女優・SATOMIの、ドタバタ熱演ぶり、
女は愛あってこそ、生きる実感を持つ、という持論を、
ストレートに体現して、愉快、愉快。


奈月かなえ出演・中村公彦(サーモン鮭山)監督、
「ゆっくりしてけよフェアリーテール」:

・・・は、まっこうからドタバタでシュールな、
近未来ロボットSF。

何でデイトレーダーや主婦が、お手伝いロボットを従えてるのか?
何で十年ぶり?に再会したロボ2体が、突如、対戦するのか?
何でビンタで、戦うのか?など、
途中にわけのわからない、コミカル・シーンが、続出。笑う。

筋やナレーションが複雑で、
十分、理解しきれたとはいえないが、
予想不可能な展開は、おもしろい・・・。


渡会久美子出演・清水篤司監督「自己チュウ毒」:

・・・は、文字通り、ひたすら、主人公女性の、
極度に自己中心的・何様女な言動描写、あるのみ。
渋谷の通行人達も、友人も、彼氏も、
振り回されて、うんざりしているのは、至極当然だろう。

ある日、世界を終わらせる?スイッチを拾い、
友人の前で、押しちゃったら、終わったのは・・・。
日頃の行ないの、報いですかな、こりゃ。
苦笑。


天正彩出演・遊山直奇監督「シルビウス」:

・・・は、これもまた、最初のほうで、
主人公の周囲に次々と、わけのわからない事が起こるので、
こちらも、混乱させられるのだが。

やがて、弟と主人公の会話から、
その驚くべき、ホラーじみた現象発生理由が、明らかになるや、愕然。
合成画面の印象の強烈さは、ぐんと増し、
やけっぱちのようなラストへと、突っ走らされる・・・!
結構、ショッキングな、お話だった・・・。



天正彩出演・荒木憲司監督「異次元私立学園の崩壊」:

・・・は、図画工作風、手作り感たっぷりに描かれた、
荒木流・昭和レトロ小学校・教育番組調、宇宙少年ファンタジー。

突然、異次元世界が崩壊するから、
きょうで学校おしまい、っていわれても、
そりゃ、困るだろうね、え。
あこがれの女の先生がロボットで、
もうすぐ、壊されるなんて・・・
やっぱり、さみしいよ、ねえ。

まあ、男の子って、何となく、
あれに近いことを、感じた経験が、
結構、あるんじゃないか?などと、感慨。
でも、もう子供時代そのままには、
戻れはしないのだ・・・。哀。


ほたる出演・管公平監督「幽霊さん」:

・・・これが、ものすごい反応だった。
実話を元にしたフィクション、というやつだそうで。

月2万5千円で、借りたアパート、格安。
が、どう見ても、10万位は、するはずの部屋。
不審に思いつつ、住んだ女性が、夜に見たものは・・・
誰かの名前を、呼んでいる、
男の、幽霊。

早速、不動産屋へ苦情にゆく女性、
だが、社長の態度が、明らかにおかしい・・・。

なんだかんだいっては逃げ、ごまかそうとする、
幽霊におどおどの、不動産社長が、傑作!
主役・ほたる女史との、大声なやりとりなど、
正に爆笑もの、なり。
XXの幽霊の話って、ちょっと、珍しいかも?


グランプリ&TMC特別賞、受賞。



SATOMI出演・たけだえまい監督「Blue Night Note」:

・・・は、ミニ・スリラー。

あるOLが、奇妙な男の夢を見る物語。
その夢では、男が、
OLの手帳の文字を、消しているのだった。
やがて、夢かうつつか、その影響で、
彼女は、セピア色の世界をさまよい、
自分自身の居場所を、見失ってゆく・・・。

この主人公、いつも手帳に、
公私のスケジュールが、びっしりの様子。
それが、生きてる実感の確認にも、なっているのだろうが。
もうちょっと、人生に余裕の時間を、持ったらどうかな・・・?と。
あまり詰め込みすぎるのも、考えものかもしれない、
などと、考えさせられた。

ラストの表情が、何とも、こわい・・・。


奈月かなえ出演・松原健介監督「ツチノコダイエット」:

・・・は、割にこじんまりした話だが、
ほのぼのとした、のどかな、
清涼剤的エピソードが、ちょっといい。

ネタ切れの女性フリーライターと、
失業中で空腹の、中年男性とが出会って、
<ツチノコ探し>をからませた、
健康運動?企画案と、取材で、組もうとする。

出会う前より、ほんのちょっとだけ、
前向きになれたヒロインに、ちょっと共感。

しかし、何でツチノコ探しに行って、
ダチョウが、見つかるんだ・・・?
珍しい眺め。
お次は何が、出るのやら。フラミンゴ、とか?


渡会久美子出演・RANKO監督「<春の夜>より 五月雨」:

・・・最も地味で、物静かな印象だが、
大正・昭和初期の、純和風な風情が、よく出ており、
貴婦人と青年の、秘めやかなる恋の狂おしさが、垣間見えるようで、
文芸短編としては、なかなか、いい仕上がり。
芥川龍之介らしき作家が、イメージぴったり。

中田会長賞・受賞。



SATOMI出演・太田博監督「夜をあるく」:


・・・主人公女性が、大学同窓会の帰り、
昔、別れた男によく似た、茶髪の青年に出会う。

ヒロインは、昔の男の思い出を探し、
青年は、今の彼女との仲で、少しこじれている・・・。
たまたま交差した夜、
互いに、悩みと思い出を語り合う。

恋の先輩から、恋の後輩に、
メッセージを、バトンタッチ。
ちょっと、泣けてくる。いい話。

日本映画監督新人協会賞・受賞。



渡会久美子出演・大場一魅監督「美少女戦士 さるとビーナス」:

・・・は、最初、何で黒スーツ男達から、
主人公が逃げてるのかが、よくわからなかった。

四十代女流漫画家が、海岸で、
敵とヒロイン・アクション?するのは、
う~ん、何ともいえぬ、光景・・・。

回想シーン、漫画家助手役の、
日高ゆりあが、可愛い。

女同士の、愛の思い出は、美しく・・・。
主人公、切ないんだろうねえ。


ほたる出演・麿監督「仮面の人々」:

白黒、準サイレントに近い、
レトロ絵画・実験映像風、異世界。
国立近代美術館あたりで、展示・上映に、入っていそうな感じ。
女優の目に、覆いが掛ってると、地底人みたいだ。
スクリーンで大写しだと、一瞬ちょっと、どきっ、とする。



奈月かなえ出演・青空恵比須監督「関係者の証言」:

・・・は、メディアの裏側を暗示?した、
問題作めいた、内容。

かつての売れっ子だが、今はぱっとしない、
元TVスター女性。

マスコミの裏話で、いかにもありそうな?
話題性・スキャンダル等を<演出>する、
<影のプロ>の、スカウトマン。

暗い部屋、
たった二人の、秘密の対話劇。

最近はインターネットに押されて、
などど、皮肉まじりに言いながら、
自分もPCで、リモコン使ってる仕掛人に、苦笑す。


天正彩出演・沢崎麻也監督「ランチ・ウォーズ」:

・・・には、もう、大笑いさせられた。

とある食品会社、
社長と女性部長、企画チームの会議室。
お昼休みになり、
社長が席をはずしている間に、一同のコンビニ弁当が、届く。

が・・・社長の分が、足りない!
近所の弁当は、道路工事の影響で、売り切れ。
さあ大変だ。

急遽、女性部長の、きびきびした指揮のもと、
チーム一同、社長の昼食をゲットすべく、
超特急で、大奮闘作戦を開始する・・・!

冷静沈着にして、指示的確、
しかも決して、冷たくはない。
この部長、まさしく、理想の上司像だろう。

のほほんとした感じの社長役が、ミラーマン氏。
バタバタと動き回る、チームとの対比が、いい。

映画というより、舞台劇的要素が、やや濃いのだが、
文句なしの、爆笑喜劇。


準グランプリ・受賞。



そして、今宵もまた、陽気に、
打ち上げに寄って、帰るのだった。
ああ、春の宴。


以上。




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  1. 2010/04/05(月) 21:23:51|
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