からくり屋の、日記。
13日、続き。
夕刻、日暮れ。
原宿竹下通りを、歩いて、抜けてゆく。
時代が変わっても、流行が変わっても、
あいかわらず、ポップな雰囲気の街。
先生になって、補導にでも来たような、気分になる。
大通りから、少し離れた所にある、
ミニミニ・シアター、原宿キネアティックにて、
やや男くさい?ターミネーター・パロ自主映画を、拝見。
堀口達哉監督、作品集。
前座の短編特集が、おもしろい。
「ヒットマン」:
これ・・・もしかしたら、どこかで観たかも?と。
ややバブリーで白色系、アメリカン・テイストな衣装、
デラックスな、ギャング野郎どもと、
ドンパチ大好き、至近距離で、派手に、荒っぽいヒットマン、
外車からヌッと出る、空手野郎・・・と。
洋画アクション・ファンの、わかりやすい記号が、揃ってる。
マジかと思えば、ふざけてみせる・・・。
とにかく、かっこよく、
撃って、暴れたかったのだね・・・という。
これも一つの、男の夢、かな。
「話し方教室」(?):
屋上で、洋画「オーシャンズ」シリーズの真似対話をする、一同。
たがいに「ブラット!」「デイモン!」などと呼び合ってるのが、おかしい。
潜入バイトのシーンが、間抜けな、男女2人・・・苦笑。
すぐ近くで連絡してて、気付かないのかね~。
「クリスマス」:
待ち合わせ中らしき、男二人が、ふとしたことから大げんか、
女2人が、逃げてゆく・・・だけのもの。
歩道橋の上での、アクション・シーンを、撮りたかったのだろう。
「まさる」:
TV番組収録の相手がもし、
ショッカーの人だったら困惑、というネタ。
・・・うん、まあ、わかるけど、ね。
だが、その直後、
派遣?感覚で、夜の路上で演じられた、ショッカー・ネタ。
かなり、笑える。
続いて長篇、「Mr.MINETA」。
これがもろに、廉価版「ターミネーター」。
オープニング字幕のダジャレが、ちと、くどいかも・・・。
しかし、実質的主役の二人は、捨て身だ。
出版業界・就職面接中の、ジャーナリスト志望の青年。
最終審査の課題が、記事文章というので、郵送しようとするが、
ことごとく、変なターミネーター男に襲われては、邪魔される。
守るは、極力人間風につくられた、別のターミネターなのだが。
ところどころ、ロボット役達の、言動の情けなさに、笑わされる。
あまりにも人間に近く作られすぎると、かえって、弱い印象になる。
とはいっても、おちゃらけシーン以外では、
敵側刺客が、マジな目つきで睨んでるので、結構コワい。
誰だって、こんな目つきのコワい、
怪しい奴に、からまれたくはない・・・。
が、ラストがあまりにも、投げっぱなしなので、
ちゃんと、ケリをつけてほしい・・・と。
(注:会場の人の話では、ハリウッドよろしく、
別バージョンの結末が、用意されているらしいのだが。)
ちなみに、
<深谷インディーズ・フィルム・フェスティバル2009>、
最終ノミネート作品、だそうである。
なお、次回作「hand」(仮題)予告編、追加上映付き、だった。
さっきまで、裸野郎?だった者達が、
まじめな芝居をしているので、
ギャップが・・・ある。かなり。
更に、渋谷へ移動。
女性でいっぱい?ユーロスぺース・レイトショー、
<桃祭りpresents うそ その壱>。
夜21時過ぎより、若干遅れて入場したので、
既に、舞台挨拶が終わっており、
いきなり本編から、入ることとなった。
思っていたよりも、起伏に富んだ表現が、見えるラインアップで、
かなり、楽しめた。
竹本直美監督「迷い家」:
訳は知らねど、林に迷い込んだ、傷ついた少年が、
木造の家にたどりつき、勝手に上がってしまう。
そこには、二十代位の女性が住んでいて、手当てをしてくれた。
滞在してもいいから、夜中に寝室を決して見ないで、と念を押す彼女。
(しかし、そういわれると、ねえ・・・?の声)
案の定、彼女には隠された秘密が・・・。
怪談+鶴の恩返し、といった感じの、和風ファンタジー。
眠ってる少年の首に、手を当てている女性が、
彼のある寝言に、はっとして手を止める所が、ぐっ、とくる。
派手なシーンこそ無いが、
静かなる中、ささやかなる抒情性が、感じとれる。
増田佑可監督「バープの点滅と」:
団地に住む、普通の二十代?同居カップル。
が、ある日、鼻歌まじりで掃除中の女性が、
屋内で転倒してから、
足がホースから抜けなくなり、生活が不自由に・・・。
買い物、料理、散歩、夜のあれも・・・実に、不便。
そんな状況でも、平気なふりをして、陽気にふるまうヒロインだったが、
二人の間の何かが、次第に、おかしくなっていった・・・。
ある種、とても哀しいお話なのだが、
つげ義春や、旧・「ガロ」の常連組あたりが、
漫画に描きそうな、状況・描写のシュールさに、
随所で皆、大爆笑。
変な様子の、階段の通行人なども、ドラマのいいアクセントになっている。
公園の踊り子の、シ-ンは・・・足フェチか?
福本明日香監督「shoelace」:
他の3作と比べると、割と普通の、現代人交流ドラマ。
屋上で一人遊ぶ、少女がまず、登場する。
その頃、ヒロイン・ユキは、妻子持ちの中年男性と、交際中。
だが、前の恋人青年が、未練をひきずって、
いまだ、家に出入りする。
そんな状況下、その元彼が、
あいつを何とかせにゃ、とばかりに、
中年男性の家を訪問しに行くと、
その門前には、かの屋上少女が。
少女は、家の主の娘だが、
今は父親とは、別居生活していた・・・。
そして、少女は、青年へ仲介の頼みをして、
ユキと、初対面することになった・・・。
みんなどこかで寂しがり屋、という、わかりやすい心情ドラマ。
ヒロインと少女が、ケンケン・パ!をするシーン、
靴ひもがほどけてる、と少女が言う所、などが、
映画を印象づけていて、いい。
子供らしい携帯で、トランシーバーみたいに、
「どうぞ!」会話するのが、可愛い。
船曳真珠監督「テクニカラー」:
巡業イリュージョン芸人に扮した、主演女優・洞口依子の、
溌剌としたコメディエンヌ演技を、観るための芝居。
お調子者でアバウト、好色な洞口と、
無愛想な助手女性の、
凸凹コメディーぶりが、すばらしい。
この助手が、とんでもない大技の名人で・・・。
そんなすごいのを、なぜ、舞台でやらないんだろう?謎だ。
舞台観客にも、凸凹コンビがいて、いかにもコメディー。
おろおろしつつ、ショーを進行する司会者青年は、
基準点、といったところか。
宿泊ホテルのクラーク男性も、かなりむちゃくちゃな人物で、笑える。
一同との、もみくちゃシーンなど、
結構、場をさらう。
とはいえ、全体としては、洞口依子ワンマン・ショーである。
随所で、空腹絶倒、皆と爆笑。
ラスト、助手の表情が、いい。
以上。
付記:3/17(水)
この4本立て、あまりにも面白いので、
16日の火曜に、
洞口依子女史と各監督の、トークがあるのを幸いに、
もう一度、観に行ってしまった・・・!
映画同様、ゲストの洞口女史、勢いよくしゃべる。
むちゃくちゃに、元気である。
まだまだ、いろいろと挑戦しちゃいそうな、感じだった。
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- 2010/03/14(日) 12:03:52|
- インディーズムービー
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