竜の、日記。
1月17日、日曜夕刻。
18時より、早稲田松竹。1300円。
格闘技アクション、2本立て。
日曜の夜にも関わらず、男女とも結構、客の入りがいい。
単純に、大抵の人にとって、面白いからだろう。
「チョコレート・ファイター」と、「燃えよドラゴン(リマスター版)」。
最高の、組み合わせじゃないか!
タイの少女アクション映画、「チョコレート・ファイター」。
この主役ヒロイン、アクションがうまいだけでなく、
大映ドラマにでも出てきそうな、泣きの演技派。
よくいる、始めから筋肉運動風のアクション・ヒロインとは、
印象が、まるで違う。
ちょっとそこら辺にもいそうな、細身の可愛い少女が、
自らムエタイ、スタントするのだから、
外見とのギャップが、すごい。
そこがミソ。
前半、母の苦労と、ヒロインの生い立ち、
生活哀話ドラマが、かなり長いため、
気分が盛り上がるまでに、かなり待たされるのが、難点なのだが。
ボール・キャッチに始まる、
ひょいひょい、とした動きのあるシーンから、
じわじわと、ヒロインの、真の面白さが見えてくる。
それができれば苦労はしない!という、
ありえない(!)天才的手法でもって、
ヒロインが徐々に身に付けた、その曲芸性が、
氷屋のシーンあたりからは、劇的に!爆発する。
その後はようやく、
痛快なるカタルシスの、連発・連打が、やってくる!!
圧倒。心より喝采。
これぞ、スーパー・アクロバット・ヒロイン。
(それもそのはず、彼女こそは、
「七人のマッハ!!!」の、出演者の一人なのだ!の声)
ジャージ姿の、変な身動きをする、ヘビみたいな拳法家が、
また、観ていておもしろい。
ちょっと遅すぎる?実父役・阿部寛の参戦も、
そのあまりのスピード、斬り込む力技の<押し>には、脱帽もの・・・。
タイ人ギャングも、たじたじ!の猛攻、迫力。
ほんまに、痛そうだなあ・・・。
格闘、銃撃、剣術、立体セット撮影と、見せ場たっぷり。
アクション映画には、
これ位の小気味良いスピード感が、不可欠なり。
で、泣けるラストもいいが、
隣の男の子は、どこ行ったの・・・?などと。
これを見た後では、
「燃えよドラゴン」の格闘技島要塞は、もう、マンガである。
筋はかつての、007映画そのものだから。
なぜ、あそこに相撲取りが?爆笑もの。
とはいえ、肉体の存在感、迫力が・・・
それをも、越えて、そそり立つ・・・!
特に、主役のブルース・リーと、悪役のヤン・スエ(注1)!
直接対決こそ無いものの、この二人は・・・
あの、立ってるだけでも目立つ、筋肉質の存在感!
そして、技を繰り出すときの、あの表情の、インパクト!
リーも割と、ユーモア・シーン、さりげなく演じてたんだね・・・。
ちょっと、うれしいぞ。
やっぱり、スクリーンで観ると、
迫力も、倍以上だ!!
ロビー出るとき、ポーズとっちゃうぞ~!
1月20日、水曜夜。
20時半より、銀座シネパトスにて、<邦画パニック>レイトショー。
80年代に、尾久か王子あたりの図書館に、はるばる観に行って以来(注2)、
20数年ぶりに、記憶リニューアルのためにのみ、観てしまった・・・。
本当は、ちょっと、いやなんだけどね・・・。
自分の耐性を再確認したくて・・・。
恐怖の社会派SF、「ブルークリスマス」。(注3)
かつてのテレビ東京系で、
UFO遭遇者の証言を、米軍がもみ消す、
つまらないC級映画を、昼間から放映していたものだが。
「ブルークリスマス」は、アレに近いものである。
しかも、特撮シーンは、ごくわずかに抑えられている。
その分、リアル感は、
他の同時期の、東宝SF映画より、やや、増している。
秘密保持・証拠隠滅者達と、取材者・当事者達の、対立に加えて、
影響を受けた人々を、<異質な分子>として排除するための、国際政治的謀略、
恣意的情報リークによる、世論操作の可能性を、
いやみな程にちらつかせ、
観客の心胆を、寒からしめる。
それらの陰謀論の、成り行きと分析が、
もっぱらドラマを、引っ張ってゆく。
根本発想は明らかに、いわゆる<ホロコースト>批判から来ている。
ゆえに、人間不信・情報不信・社会集団不信の虫を、うずかせられて、
こちらは終始、心底、ゲンナリ!させられる・・・。
現実の世界では、ついこの間まで、
その手の詐術が悪用された、大国がらみの、
いたましい事件や暴動、国際的戦争等が、散々、あったばかりでないか・・・。
米ソ冷戦の時代が、とっくに終わっていても、
人間組織の考える、陰謀仕掛けのやり方の基本形は、
あまり、大差がないようである・・・。
昔、初めて観たときもそうだったが、
探偵役のTV報道記者(仲代達矢)の、
ニューヨーク・パリのロケシーンが、やや長い割に、
終盤、極端に記者の出番が少ないのが、気になった。
それと、かんじんのUFO群が、
何を目的に、ああいう実験?を行なったのかが、
ドラマ内でまったく軽視され、ふっとんでしまっているのが、
やっぱり、納得できないのだ・・・。
あれは、平和希求願望だったのか、
それとも逆で、人類暴動を見越したものだったのか・・・?
全然、わからないのだ。
ドラマの力点が、そこにないのは明白だった。
後、今回観て、気になったのは、
「あ、そこんとこ、もし、
携帯とかPC、I-PHONEがあったなら、
なんとかなったんじゃ?」
という箇所が、目立っていたこと。
70年代後半だから、まあ、どうしようもないか・・・。
しかし、まあ、亡くなっちゃった名優が、多いねえ ・・・ 。
小澤栄太郎、芦田伸介、岡田英次、
天本英世、岸田森、沖雅也・・・。
ラスト・シーンのどぎつさ、痛ましさ、容赦無さに、
今回もやっぱり、ひどく気分が、悪くなった・・・。
人類の集団行動の本音、正体がこんなもんでは、
ひどく、哀しいじゃないかよお~っ!!!てな。
この映画、クリスマス・シーズンが大好きな人には、
決して、勧めては、いけないっ!
一緒に観に行っては、いけないっ!
特に、国連関係者は、無理に連れてゆくべきではないっ!
必ず、人間関係をそこなわれて、大変、後悔することだろう・・・!!
それ位、救いがなく、きっつ~い、ゲンナリな劇映画なり。
今後、上映機会を狙っている、おのおのがた、
その辺、しかと、覚悟せよ!
以上。
注1:
1970年代後半から、83年にかけて、
TBS系アクション刑事ドラマ、
「Gメン’75」「Gメン’82」に、セミレギュラー出演。
香港ロケ・シリーズで、毎回、悪役で登場。
倉田保昭・宮内洋らの刑事や、香港空手スターらと、激しいバトルを展開。
70年代のちびっ子男子には、おなじみの俳優なのだ。
注2:
その後、もう1回位、どこかへ(大井?)観に行ったかもしれないが、
どうも今ひとつ、記憶がはっきりしない・・・。
まるで映画内の、岡田英次のごとくだ・・・。
ごくたまに、再上映があったとは思われるが。
当時の「ぴあ」には、図書館での旧作上映案内も、
白黒印刷、地図付きで、ちゃんと載っていた。
(にっかつロマンの新作、洋ピン公開作なども、写真入りで載っていたのだ!)
だから、品川区の図書館で、小津映画の「お早よう」を観れた日も、あったのだ。
あの頃は、笑いのつぼが違っていたので、途中で帰ってしまったが・・・。
今だと年齢的に、ちょうどいいだろう。
注3:
日活のGS・スパイダーズ歌謡映画や、
フジTV「北の国から」の、倉本聡・脚本。
「独立愚連隊」「大誘拐」他の、岡本喜八・監督。
岡本組ゆかりの俳優が、多数出演している。
長い間、ビデオもDVDも無く、上映機会も少なかった。
おそらく、印象が地味で、社会派・陰謀論的で、
暗すぎる内容と、悲惨なラストのせいだろう。
どう考えても、公開当時に大ヒットしたとは、思えない・・・。あたり前か。
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- 2010/01/21(木) 22:02:05|
- 劇場用映画
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