壱の、日記。
1月9日、土曜、午後。
上野オークラ・ピンク映画3本立て。
15時より、舞台挨拶&サイン会あり。
入口に正月らしく、紅白の幕がかかっていた。
司会進行の男優氏が、
ぶっきらぼうな?スタンスで、笑いをとりながらも、
状況に応じて、さくさくと進行、意外なる才を垣間見せた。
イ幸田李梨ファン男性氏の、熱烈激励が、特に印象的。
何て思いきりが、いいんだろう・・・。
勿論、女優一同によるサイン会は、大盛況であった。
今回の注目作は、
ピンク映画の定番枠、<電車もの>の新作、
「痴漢電車 夢指で尻めぐり」。
(例によって、いかにもな、タイトルだ・・・の声)
近藤力脚本・加藤義一監督。
この1本、なかなかに通好みの、秀作。
たまたま同じ踏切を渡り、同じ電車に乗って、すれ違っていた人物達。
それぞれのドラマが、
当人たち自身のナレーションを、心情のキーワードを仲介にして、
バトンタッチでリレーしてゆく形で、進行する構成が、面白い。
このパターン、好みなり。
夫との思い出から、定期券(紙製、なつかしいぜ)を握りしめ、
日記は止まったまま、外の世界へ踏み出せずに悩む、
ほたる女史の未亡人、切ないなあ~。
ダンスはうまく踊れない?
いや、当日のコンディションが、不運だったから・・・。
ダウナーになってる、女子高生の、その後。
ブーたれてる、かすみ果穂の、
イメージ・コスプレも、なかなか可愛らしく、似合ってる。
対人関係が苦手で、就活に難儀している、
青年とのエピソードが、泣かせるものがある。
その一方で、相互の接触関係が濃密すぎて、
倦怠期対策で、あくなき刺激強化をしていった、夫婦の成り行きは・・・。
お気の毒、と、いうしかないが。
助っ人?が、またしても、サーモン鮭山!なのが、ちょっと笑う。
何ともまあ、旺盛な活躍で・・・。
しかし圧巻は、小学生姿の・・・イ幸田李梨!
思わず、笑わされる。空腹絶倒。
その姿でも、名乗りはやっぱり、「お姉さん」なんだねえ・・・!
いやあ、やられたよ~。
とにかく、いい出来だし、
いろんな、いい意味で、
当分覚えているだろう、この映画は。
これが、今年最初の、新作商業映画鑑賞だった。
同時上映は、旧作2本。1600円。
サトウトシキ監督の、90年代作品、
「団地妻 白昼の不倫」。
現・ほたる女史、本多菊雄、
倦怠期の夫婦を、小津安二郎調の<間>で、対話劇。
「いやとはいえない」「よし、今日もがんばるぞ」等、
繰り返される台詞が、男女で修羅場のはずの映画に、
妙にぼ~っと、のほほんとした空気と、おかしみを与えている。
しかしまあ、浮気の相手が、あんな近くにいたとは・・・。苦笑。
もう1本は、
竹洞哲也監督、
吉沢明歩・イ幸田李梨・なかみつせいじ・他出演の、
うどん屋と、本屋夫婦の、ドタバタ人情物語、
「悩殺若女将 色っぽい腰つき」を改題した、
「熱々お姉さん こねまわす」。
内容はまったく、同じなんだが、
こっちの営業タイトルのほうが、
案外、しっくりくる内容かも?などと。
(うどん屋だからねえ・・・の声)
21時15分より、吉祥寺バウスシアター。
「ライブテープ」レイトショー。
74分。
これが、今年最初の、一般映画新作見物となった。
松江哲明監督の映画、というよりは、
ミニ・ドキュメンタリー風PV。
ん?女の子の初詣記録?と思っていたら、
まもなく、若き日の井上陽水?みたいな風貌の、
男性ミュージシャン・前野健太と、バトンタッチ。
ギター抱えたミュージシャン、
流し歩いてルート移動、
通行人もそのままに、HDで、ライブ撮り。
道中、仲間の皆さんと、あっちこっちで、コラボする。
その場で監督、音の指示、
質問する声、姿まで、しっかり中に入ってる。
ほんとうに、ただそれだけの、
ほのぼのと、ささやかなる作品。
元旦の一日、みんな集まれ~!で、
オール・ワンカット、吉祥寺界隈ロケ、
そぞろ歩きを、敢行した模様。
あきらかに、演出の入った進行だが、
軽いハプニング(眼鏡・・・)などもあって、
プライべート・フィルム的性格が強い、動く人物・風景画。
何となく、「ただひとたびの人」や「タカダワタル的」(1本目)を、思い起こした。
歌っている歌の<100年後>どころか、
20年後には十分、
この街と人々の、貴重な記録となることだろう・・・。
(東京国際映画祭で受賞、おめでとう!の声)
以上。
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- 2010/01/10(日) 03:07:00|
- 劇場用映画
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