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シネマ旅の途上にて

自主映画ウォッチャー、アWorkerのブログ。

<第2部>若干追記篇・その11「歌唱」

三味線屋の、日記。


3月6日・日曜。

前記事を記述後、外出す。


夕方・17時より、
都内、京橋。

フィルムセンター・開館40周年記念企画。
<よみがえる日本映画>特集。

保存のためのネガ、またはニュープリントの作成が、なされた作品から、
28本が、上映中。
その中の、1本。


「百万ドルの明星 陽気な天國」。


73分・35ミリ・白黒。
1955年・近江プロ制作・日活公開作品。

歌手の近江俊郎が、自ら製作・原案・主演。
脚本・監督は、なんと、
戦前から人気の舞台喜劇役者、古川緑波(ロッパ)。
ロッパ当人も、しっかり出演。
しかも、出演者の中には、森繁久弥の名が。

と、なればこれは、コメディー仕立ての、
歌謡映画に、なるしかないだろう・・・。

(ああ、そうかよ~う!の声)


お話自体は、ほんとうに、たわいもないもので。

海辺の温泉街で、吞んで酔っぱらってる男が、
黒髪時代の、森繁で。
勢いでつい、自分は作曲家の、古賀政男だ~!と、
ハッタリかまして、ツケで豪遊、名刺を配りまくる。

それを真に受けた、地元の、べらんめえお姉ちゃん。
彼氏である、近江扮する流しの青年歌手に、
名刺を持たせて、上京をすすめる。

で、レコード歌手に憧れる、近江青年は、
三木のり平のアコーディオン弾きと共に、上京。
工場勤めをしている、近江の妹の下宿へ、世話になる。

この妹が、主役じゃないのが不思議なほど、輝いている・・・。

兄は名刺を持って、レコードを出している、音楽会社に行くものの、
こりゃニセモノ、と門前払い。
怒った妹が、古賀政男の屋敷へ、直談判に。
そこにいたのは、実は書生だった、森繁だった・・・!

すったもんだのあげく、近江の青年は、幸運にも、
本物の古賀(本人出演)と、レコード会社社長(ロッパ演ず)に、
歌のテストを、受けさせてもらえることに。

だが、この2人から、
「歌い方が、近江俊郎に、似すぎている・・・」
「声真似は、きらいだ・・・」
というすごい理由で、不合格に・・・。

(あたりまえだろ~!本人なんだから~!の声)
(ロッパは、声帯模写の名人だろ~が!の声)

だが、代わりに、別な人物が、
テストに合格!してしまい、状況は急展開。
クサッた主人公は、家出、
やがて、街で流しに・・・。

という、強引なお涙話になってゆく。
流しの悲哀曲を、出すためなのだろうが、
この筋では、むちゃくちゃ。
(妹と暮らすより、そっちを選ぶのか・・・の声)
「君の名は」パロ、ちょっとウケてる。

注目は、庭園パーティー・シーン。
ここでも、お調子者ぶりをさらけ出しまくる、森繁。
自らもコミックソングを、達者に歌う。
終始、無責任男モード発揮。
実に、いきいきしてる。

古賀をはじめ、歌謡界の有名人達(多分、ね・・・の声)と、森繁の、
ツーショット、3ショットだらけ。
これだけでも大変、貴重な記録。

後はもう、随所で、売り出し中の男女歌手達が、
次々と、ひたすら、歌うシーン、あるのみなのだが。
とにかく、ゆるゆると聴く、ムード歌謡曲続きで・・・。
かなり長く、感じた。

そんな中、漫才のコロンビアトップ・ライトと、
神楽坂(!)なる女性歌手が、
コミックソングを歌うのが、
アクセントとして、いい感じなのだった。


歌手志願者には、無理には、おススメしないが・・・。
演劇入りのコンサート・ショーに、行ったつもりで、
ゆったり気分で観るべき、軽めのエンタメ映画。


以上。




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  1. 2011/03/08(火) 00:27:03|
  2. 劇場用映画
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