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シネマ旅の途上にて

自主映画ウォッチャー、アWorkerのブログ。

さらば、愛しき人よ・・・

主水日記。


2月6日・日曜、午後。

この日は、ヨコハマ映画祭と、
銀座シネパトスの、ゴジラ・トークイベントがあるのだが。
実は、昨年末の時点で既に、
まったく別な映画イベントに、決めていた。

ああ~、観たいイベントって、
どうしていつもこんなに、重なってしまうんだろう・・・?
と、毎度毎度、とても悩まされるのだ。
そうした中から、今週はこれ!と選び取るのが、
流れ者観客の、道楽。


12時半過ぎより、京成線・青砥駅下車。
徒歩5分、かつしかシンフォ二ー・ヒルズへ。

かつて、志ん朝の落語会や、
松梨智子監督・「映画監督になる方法」のロケ等で来た、
なつかしき、建物である。

5Fホールへ。
開始にやや遅れて、入場。
800円。
約50名前後、既に入場・着席済み。



エンタメ系自主映画・新作上映企画、
<ランダム大活劇祭>。


これは、昨年暮れ頃よりの、主宰者との約束で、
各監督チームにより、この日を目指して撮られていた作品群の、
一挙、プロジェクター上映会である。

その、メニューと上映順は・・・。



ドラゴンムービー  阿部誠監督     「功夫之女王」:
(注:惜しくも未見、又の機会に・・・!)


ときめきチーム   繁田健治監督    「コードネーム1103学園理事長暗殺指令」:

・・・は、
ぽっちゃりした、性行為で敵を暗殺する(?)ヒロインが主役。
かんじんのアクションが、最初にわずかしか、無い。
既に反則。

もっぱら、女子高生コスプレしたヒロインが、ターゲットの理事長と、
ベッドで寸止め状態?になる、
エロ・ドタバタが、メイン。
C級コメディとしては、面白いには面白いんだが、
これはいわゆる活劇とは、いえないだろう・・・と。


電丼        千葉竜吾監督    「秘密」:

・・・は、基本的には、哀愁話。
女中村主水、ともいうべき、殺し屋ヒロイン(吉崎仁美)が登場。

同居中の呑気そうな婚約者(太田文平)との結婚を目指し、
引退を決意するも、
挑戦してきたライバル殺し屋(三宮映子)と、対決する。

ヒロイン二人、好演。
冬の荒涼たる田園風景の中、
地味に、抑え目に、ゆっくりと進んできたドラマが、
対決時の一瞬、卑怯技で、喜劇と化す。
やられた。

ラストは・・・愛、哀。余韻。
心憎いじゃないか。



B級映画ランダム  有瀬訓晴監督      「えば」:

・・・は、いわずとしれた、某有名SFバトル・アニメの、パロディー。
横浜市周辺ロケ。

鳩やカラスを、
<SHITO>2種に見立てるなんざ、画期的アイディア。
常人の脳じゃ、思いつかない。
ウケてる、ウケてる。

が、しかし。
戦う中学生3人の役が、
10代をはるかに越えてる、あのメンバーじゃ・・・
どうみても、無理がある。
場内、ついに爆笑の渦。
シネマ愚連隊と、いい勝負だ。

手製の、ロボット・バトルは・・・手で動かしてる。
あいかわこうた監督も、ガxダXメカ・怪獣等で、よくやっていたやり方。
うん、一度はやりたくなるんだよな~、あれを。
ミニチェア撮影シーンとか、見た人は。

後半が、少し長くて、ややダレたが。
もうひと落ち、パンチがほしいところ。


なお、この作品の後、
当人達が生挨拶で登場し、おかしさは倍加された。





ここでしばしの、CMタイムをはさんで・・・後半部へ。


ニューシネマドッグ 吉本昌弘監督    「タンゴはひとりっきりじゃ踊れない」:

・・・は、山地の川べりで車から降りた、
何かで戸惑い気味らしい、三人の女性と、
動かない一人の男のみによる、
セミ・ドキュメンタリー・タッチの、サスペンス劇。

最初のうち、台詞が聴き取りにくかったが、
眺めているうちにだんだん、設定が読めてきた。

どうやら、4人で練炭自殺するはずが、男だけ急に死んでしまい、
女性達が、戸惑っているらしい・・・。
一人は、派手に焦りまくり、
後の二人は、割と落ち着いている様子。

観察・のぞき見するようなカメラが、彼女達の生っぽい言動を、
延々、だらだらと、画面に綴ってゆく。
かくてわれわれ観客は、ややしんどい観察を、強要される。
そして終りまで、いつのまにかしっかり、引きずられてしまうのだ・・・!

途中の会話から突然、一人がナ-ス?である事、
一人が、黒魔術による男の復活を、試そうとしている事などが、
徐々に、明らかになってゆく。
次に誰が何を言い出し、何をやりだすのやら、
まったく予想だにつかない、奇妙な展開となっている・・・。
そして、あれれ~?びっくり。
これは、イカレテルの?それともSF~?の、強引なるラストへ。

舞台挨拶で知ったのだが、この作品、脚本が無い、という。
発端の設定だけ決めておいて、そこからは各人が想定を考えて、
その場その場で、成り行き任せのアドリブ芝居を、
ずっと続けていた、というのだ。

なるほど、それでこの映画の奇怪な、読めない展開の理由が、納得できた。
現場的にも相当、面白い試みだったのではないか。



B級映画ランダム  中村幸一監督    「SACHI」:

・・・は、一見おだやかな感じの女性が、
実はスナイパー、という小品。
若い男性刑事をひやかすように、軽く接していた日々だったが、
ある日、ショックな真実が・・・。

高崎等でのロケ、蒸気機関車が走る、のどかな風景の中で、展開。
夜の射撃シーンは、結構それらしくて、いい。
女優のユーモラスな感じは、とてもいいんだけれども、
刑事役の台詞回しは、アフレコすべきではないだろうか。


電丼        TAT(通称)監督 「べスレイ」:

・・・は、同居していた女性に逃げられて、落ち込んでいる青年に、
水資源をめぐり戦う、善悪宇宙人キャラがからむ、SFアクション作品。
「ゼイラム」型ヒロインに、「ネクサス」を合わせたような、ハードな展開。
観た中では、一番真面目に、
ガン&ソード&アクション!していた、力作。

男とヒロインの一人が、むごい事になるのは、
見せられて、つらかったが・・・。
犬吠埼灯台がコワされるのは、合成とはいえ、とても嫌だな・・・と。
ユニバーサルな設定での締め方は、ニクイものがあった。


・・・と、いう順番。


この他に、HP等の制作発表の時点では、
シネマ秘宝館の制作による作品が、1本準備されていたようだが、
受付で配布のプログラムには、無かった・・・。

これに気付いた時点で、異変の予感、あり。
その予感は、半分、当たった。


貴重な休日の、遅めの昼食後、
やや遅れて、会場に着いた小生は、
「功夫之女王」を、見逃してしまった・・・。
ふ、不覚。

すでに「功夫之女王」の上映直後で、
監督チームの舞台挨拶が、行なわれていた・・・。

何でも、司会担当の朝霧しーとん女史が、<親子共演>したらしいのだが。
う~ん、それは一度、観ておきたいのにっ!

ここの監督メンバーの、過去作品群をご存じの方なら、
おおむね、察しはつくだろうが、
上映作品中には、
わかりやすいアクション・シーンが、極度に少ない作品も、ある。

珍しいことだが、一部の観客からは、
これは<大活劇祭>じゃない!との、苦笑の声も、出ていた。

実際、中盤の作品群にかんしては、それは否定できないだろう。
アクトはしているが、<アクション=芝居>中心とは、いいがたいものが多かった。
パロディや実験作としては、みな意欲的で、
小生は結構、楽しめたのだが。


実質的にこの上映会は、大活劇祭というよりは、
<しーとん&越坂奈月まつり>?であった。

この2人と、男性1名による、
中途よりの、コスプレ小芝居?入り司会は、空腹絶倒ものだった。

が、準備期間が不足だったせいなのか、
進行はやや、バタバタな感じだった。
台本を直接読みながら、声優アフレコ?みたいに、
目前で進行するのは、いかがなものか?
と、いささか苦笑す。
でも、面白い眺めだ・・・。

又、せっかく中盤で、
「伊達直人(タイガーマスク)さんからの、プレゼントで~す!」と言って、
季節物?のチョコレートを、配っていたのだが、
後ろの席まで来ないうちに、すぐさま品切れで、いただけず。

「伊達さんの持ってきたのが、それだけだったから・・・」
と、主催者も苦笑気味だった。
ちょっと、いただけないなあ~、と、こちらも苦笑。
先着順とか、宴会に残る人優先で渡すとかすれば、足りたかも。

 
休憩時間の後、一時、CMタイムあり。
やはり、「伊達直人さんから届いた、DVDが・・・」との、
進行コンビらの小芝居入りで、
上映会の関連監督らによる、市販オリジナルDVDのPRや、
自主制作作品の予告編集を、映写。

アイドルがスナイパーとか、爆薬とか、
明らかに物騒なイメージの、DVD企画もあった。
すぐに目立って、見つかっちゃうだろうが!
危険だろうが!周囲がはた迷惑だろうが!という感じで。
もっと平和な、愉快な企画ものは、ないものだろうか。

ラスト上映の作品が、一番暗い内容で、
アクションのキレは、かなりよろしいのだが、
日曜の終わりに観るのには、
少々気分的に、つらいものがあった・・・。

ラスト1本には、気分の晴れる、喜劇のほうがいい!
と、主宰者他に対しては一言、苦言を呈しておいた。
見せる順序を考えて、観客を気持ちよく帰すのも、
映画イベントの、大事な要素だと思うのだが・・・。


・・・と、かように、
イベントの進行や、作品の仕上がりに、
若干のむら・ばらつき、不満等は、多々あったものの、
トータルで思い返すと、
お値段以上には、かなり楽しめる内容であったのも、また事実。

ゆえに、打ち上げ会では、
わがテンジョンは、上がりっぱなしであった・・・。
やっぱり、皆とだと、食事がうまい・・・。


以上。
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  1. 2011/02/07(月) 01:34:39|
  2. インディーズムービー
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さようなら、青春・・・

鉄の、日記。


2月5日・土曜。

昼まで仕事。昼食。

午後は、銀座周辺を、散策。
オフタイムで予定に追われず、こんなにくつろいだのは、何日ぶりだろう。

今頃、上映会つながりのみんなは、どうしてるのかなあ・・・。


銀座シネパトス・「息もできない」初日。
本日は、監督舞台挨拶あり!
まだ空席があるというので、即、観ることに決めた。


映画と違い、長髪になっていた、ヤン・イクチュン監督は、
意外にラフで、陽気で人懐っこい感じで、好印象な青年だった。
コンクール受賞時(毎日らしい)の、金色のトロフィーを、持っていた。

高島礼子風?の、女性の筆記通訳をつうじて、ヤン監督は、
「映画のPRのために、こういう人物を演じてます・・・」
「後ろで配給の社長も、今、万歳してます・・・」などと言って、
複数回観ているらしい、作品のファン一同を、笑わせていた。
おかげで、気分がかなり、ほぐれた。


映画は、韓国市民生活の現状を、端的に見せつけている・・・。


監督自身が演じる、短髪の主人公は、
すでに青年期を過ぎかけた、中年の取り立て屋稼業。
職業のせいもあってか、傍若無人で、暴力的。

とにかく、登場する男性がなにかと、
気に入らない相手を、のっけからぼこぼこと、撲りまくる。
痛そうだ。いや、痛い。
味方まで、撲ってるので、
時には場内に、笑いすら、起こる・・・。 

そして家庭内の暴力というのは、
やっぱり、子に伝染するのだな、というのが、よくわかる。

時折、学生運動つぶしの仕事とか、
ベトナム戦争の恩給とか、
現代の韓国社会の断面も、垣間見える。

ここの子ども達も、プレステが、
コミュニケーション・ツールになっている模様。 
姉の子供との、コミニュケーション・シーンは、
ちょっと、ほほえましい光景。

授業をさぼってる、気の強い女子高生との出会い、対話。
ぶつかりあい、無骨に、皮肉交じりに語りあう、
このコンビが、いい感じ。

姉の子も含めた、ひとときの交流が、
次第に彼の心に、変化を促してゆく。
ささくれだった日常の中、彼らはどこかで、
穏やかな交流の場を、求めていたのだろう。

しかし女子高生の兄が、ある行動に出たことが原因で、
ある日、悲劇が訪れる・・・。
ちきしょ~、泣けてくるぜ。

終盤、人物たちのクロスが、前後するあたり、
暖かくも、痛い印象を、残す。
かくて因果は、めぐる。




終映後そのまま、東京より中央線経由で、阿佐ヶ谷へ直行。
ラピュタ阿佐ヶ谷・レイトショー。

白黒映画・「ある女子高校医の記録・妊娠」。
1968年・大映。
脚本が「ガメラ」と同じ人、らしい。

処女証明書を書いてほしい、と思いつめた表情で、保健室に頼みに来る、
名門女子高校の、生徒。
学校運営上の有力者の家から、彼女は若い男と家出し、休学してしまった・・・。

その原因と行方を、追求しつつ、
学校の校医を兼務する、青年婦人科医師が、
大人達にはなかなか、本音を明かさない、
当時のお嬢様女子高生たちの、実情・生態に迫る、というドラマ展開。

しかし、まあ、いろんな生徒が、いるもんである・・・。

たわいもないハレンチ遊びから、秘密結社ごっこ、
シンナー遊びに、想像妊娠、先輩とのレズ体験、
親との生活感覚的断絶、
会員制ゴーゴー・バーや、サイケな大学生バーへの出入り、
ラリラリ薬物パーティー、ボディ・ペインティングにいたるまで、
さまざまな実態が、ふんだんに出てくる。

企画がそういう、のぞき見的なものだから、
少々やばいお色気?シーンも、それなりにあったりもするのだが。

青春期とは、何だ?という、案外真面目な、ドラマにもなっていた。
終盤はむしろ潔く、あっぱれな面も。
さわやかささえ、残るのだった・・・。


以上。


  1. 2011/02/07(月) 01:22:58|
  2. 劇場用映画
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