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シネマ旅の途上にて

自主映画ウォッチャー、アWorkerのブログ。

主水・資金大工面

主水日記。


いつの世にも、金の苦労は絶えない・・・。
と、鬼平でも、ぼやく事だろう。
そこで、これ。


1月26日・水曜。

斎藤寅次郎監督・新東宝映画、昭和23年公開作品、
「誰がために金はある」。

(また、その線かい~!の声)


3部作の、オムニバス式。

OPと、3つをつなぐ部分が、遊園地と子ども達の、のどかなアニメ。
手回しの、のぞきからくりで、3つの話を子どもが観る、というもの。

しかし・・・当時の子どもが、
自分から親にねだって、観るようなタイトルの、映画なんだろうか・・・?
との疑問が、ちょいとわくが。
まあ、いいか。


第1話の主役は、
川田晴久と<あきれたぼういず>、という、コメディー・チーム。

売り出し中のライブ楽団が、下宿の火災で、楽器を失った。
楽器を買い直す資金、10万円が出来ないと、
楽器会社の劇場支配人は、演奏をさせてくれない・・・。

そこで窮余の一策、
チームの誰か一人に、
10万円がすぐ出る、という傷害保険に加入してもらい、
わざと、けがを・・・という、いただけない計画が浮上。

いやいや一人が、引き受けさせられるが、
案の定、作戦は、失敗の連続。
女性マネージャーが、やめさせようとしていた頃になって、
予定外のアクシデントが、ともなってしまい、
一同は、大慌てに・・・。

そのあんまりなドライさに、
笑えるには、笑えるのだが。

何しろ病院が、舞台になるもので、
何とも複雑な気持ちにも、なるのだった・・・。
あまり、いい気持ちはしない面も、ちと、あった。



第2話の主役は、キンゴロー。
そう、落語家の、柳家金語楼。

妻に先立たれた貧乏下宿親父と、
小学生の息子の、親子愛がテーマの、人情喜劇。

運動会のリレー競争では、大家の息子に、勝つなよ!
機嫌損ねると、追い出されるから!
と気を揉んでいた、親父だが。
本当は、堂々と、勝ってほしいのだ。

しかし、大家から借りた引越し料すら、
以前息子の急病で、使いつくしており、
大家からは、立ち退きの催促が・・・。
子どもにまともな運動着も、買ってやれない。

そこで、知人に勧められて、意に染まぬながらも、
闇市?方面の運び屋の、手伝いに・・・。

その金で、万事にかたを付けて、
運動会の当日に臨む、親父だったが・・・。

ラストが、ちょっと泣かせる、粋な計らい。




第3話の、主役は・・・
コメディアンのキドシンこと、木戸新一。

実際にあったらしい事件が、発端。

造幣局から運搬中の、
百円札(当時の高額紙幣)の束が、
輸送中の車両から、落ちた。
群がる、市民。

その騒動の中で、
キドシンのお人よしサラリーマンが、
会社の大事なカバンを、なくして、叱られてしまった。

損害は、20年間、天引きに。
これでは、社内の恋人との、結婚どころではない・・・。

宿直部屋で、一人考えた彼は、
翌日から、ある無茶な行動に、出る。
はらはらものの、賭け。

その結果は、予期した以上の大金と、
出世のチャンスを、彼に招いてくれた。

だが、同時にそれらすべては、
大いなる逃亡劇への、序曲だったのだ・・・。


このキドシンが、とにかく、すごい。

くねくねとした、関節外したような、両足の動かし方。
やはりくねくねとした、身体の柔らかい女性達との踊りは、目を見張る。

そして、早回しの、派手な大チェイス。
体育技とでもいうべき、大車輪の活躍を見せつける。
ありえねえ~!大笑い。
「子宝騒動」などのサイレント・コメディー映画を、
ものしてきた斎藤監督の、面目躍如、なり。



いやはや。
慣れない事は、するもんじゃないな~、と。
やっぱり、金は、天下の回りもの。
無理せず、仕事で地道に、作ろうっと・・・・ね。



以上。


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  1. 2011/01/26(水) 23:17:47|
  2. 劇場用映画
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