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シネマ旅の途上にて

自主映画ウォッチャー、アWorkerのブログ。

<ビーグル警部・秋の叙情詩SP>

旅人、覚書。


10月16日・土曜。

21時。
新宿K’s cinema、レイトショー。


P-kraft・福島拓哉監督の、劇場公開作、
「アワー・ブリーフ・エタニティ」。


昨年秋の、東京国際映画祭での、六本木上映時には、
惜しくも、見逃しており、
その後、一年越しで、
ようやく、劇場公開が始まった。
ずっと待っていた、甲斐があった・・・。

初日より、満席。
早目に劇場を訪れ、かろうじて、入場かなう。


上映前の舞台挨拶では、堀井秀子嬢の司会。

福島監督と出演者一同、割とスムーズに、マイクを次々と回し、
きちんきちんと、挨拶を進行していたが、
とある俳優の、「みんな、かたいよ~!」の一言に、
皆、吹き出す。
これで少しばかり、雰囲気がほぐれた模様。

時折ピースサイン、笑顔の福島監督。
「ようやく、今、とんでもない事が、始まりました・・・」
「そのとんでもない事を、これから、よろしく・・・」
等、劇場公開の喜びと抱負を、アピール。


そして・・・本編が、始まった。


もさもさの黒髪、風来坊のような、
何をして食ってきたのか、さっぱりわからない(かつては稼いだらしいが)、
自らを「高等遊民」と称する、
スナフキン?のごとき、謎の遊び人風、
青年というよりは、ぼちぼち中年にさしかかった、
東京の片隅(新宿・渋谷あたり?)に一人住む、
男性・テル(草野康太)が、主人公。

(その時点で、今の俺の生活感とは、かなり遠いけどね・・・の声)
(ウイリアム・テルみたいな、格好だよね・・・の声)

この男性、行きつけのバーで、
酒を飲み、煙草を吸い、
友人男女らとしゃべり、会話を楽しむ姿も含めて、
明らかに、監督自身の、心情・言動を、
大幅に投影された、姿とみられる・・・。
一目見て、「あ、これは近い・・・」という感じが、する。 
   

ある夜、その男性のもとへ、
寂しがり屋らしき、謎の女性の声で、
電話がかかってくるところから、
物語が、始まっている。

都会人の孤独感を埋めるべく、
一時とりとめもなく、語らう二人。

そんな頃、東京周辺では、
歩行中に突然倒れ、数日で回復する、奇病が流行。

そして別なある日、テルは路上で、
かつての同棲相手・ミオらしき女性(呂美)と、
ばったり、出会う。

彼女は、あなたを知らない、
同棲などした覚えはない、と言うが・・・。

やがて、今の恋人と同居しているミオは、
テルとの同居時代に関する記憶を、失っている事が、
徐々に、判明する。
テルと一緒に、いた事についてのみ、
記憶が、欠落しているのだ。

それは、今東京で流行中の、
奇病の影響に、よるものだった・・・。


で、大筋は、
怪しい雰囲気の学者(?)キツネ(監督自身)の、途中登場等とあいまって、
一種のパニックSF路線へと、向かってゆく。
夜の信号前のシーンなど、どきっ、とさせられる。

互いの愛を確認できなくなり、
戸惑い、泣き崩れる人々・・・。
観ているだけで、もの哀しくなってくる 。

学者が、<あるもの>をしげしげと眺めるシーンも、
泣けてくるものが、ある。
(とある、女性監督映画にも、
 近い感じのものの、シーンが・・・?の声)

東京都内の風景が、二重三重写しになり、
ハイテンポで一気に、入れ替わってゆくシーンあたりは、
この映画の、運動性的ハイライトであろう。

ドラマ的展開としては、
某・有名宇宙戦争映画のごとく、
割にあっさりと、それなりの収束に、向かい始めるが、
人間心情のあり方に、なにがしかの希望を求める、
福島監督作品らしい締め方、ともいえよう。


週末、あるいは独りの夜、
ちょっと、泣いておきたい・・・
そんな気分の方に、おススメな映画、なり。
余韻、未だ残る。


以上。 [<ビーグル警部・秋の叙情詩SP>]の続きを読む
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  1. 2010/10/17(日) 02:20:17|
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