小五郎の、日記。
6月26日・土曜。
夕方、東銀座、東劇。(注1)
「イエロー・ハンカチーフ」。
・・・まあ、大体、
元祖?「幸福の黄色いハンカチ」と、似たような展開だが。
高倉健の役が、ウイリアム・ハートに。
渋く力持ちな、壮年男性。
案外、うまくはまってる。
武田鉄矢に相当する、青年の外見と性格が、大きく違う。
あれほどに、能天気なナンパ男ではなく、
もっとナイーブな、青年。
周囲の狭い世界から、キモがられて、旅に出たらしい・・・。
今日ではこのほうが、なじみが出るのだろう。
原作の延長上らしく、アメリカ中央部の話になっている事もあって、
旅館はモーテルになり、炭鉱は石油採掘場に。
ロボコップの話が出るなど、ぐっと自然に思える。
驚いたのが、初代ヒロイン?役の登場。
そうか、ハリウッド、行ってたんだよね。
まさかここで又、お目にかかるとは。
初代と二代目の交差。感慨深い。
大体、わかっていても、終盤は、
やっぱり、気持ちよく、泣けてくるよなあ・・・と。
6月27日・日曜、
昼間、新宿バルト9。(注2)
話題作の「告白」(怖そう!)や、仮面ライダー映画の大入りで、
ロビーが、ものすごい混雑になった。
<入口付近で無く、ロビーでお待ちを・・・>のアナウンスが、繰り返されている。
その影響だろう、観る作品の上映開始が、10分遅れになった。
シネコン・スタッフも、ご苦労様、である。
「SRサイタマノラッパー2」。
予感していた通り、
いきなり、続編からの拝見になった。
そして、内容は実質、
グンマノ女子ラッパー、だった。
群馬の田舎に住む、
こんにゃく屋の、小柄な眼鏡っ娘が、
主役にして、一同の牽引役。
その地元へ、埼玉から、
1作目の主役らしき、男性ラッパー2人が、
今は亡き、伝説のDJラッパー氏の<聖地>を探しに来て、
ドラマが、始まる。
訪問者の言葉が、主人公に、きっかけを与えるのだ。
高校時代の、ライブ女子メンバー達が、
再結成するまでの導入部が、快調。
地方社会の隅っこに、いかにもいそうな、生活者女性たちの、
奮闘する姿が、ユーモラス。
年齢や、ラップが流行りで無い事を、半ば自覚しつつも、
再会すると、対話が自然と、ラップ化してゆくのが、楽しい。
(昔取ったきねづか、ってやつだな、の声)
埼玉VS群馬という、きわめてローカルな、
ラップでの応酬合戦も、リズミカルで、面白い。
会話の最中に、場面が一気にミュージカルと化す、
その呼吸は、素敵だ!
が、しかし、後半が・・・。
哀しすぎる。
せっかく上がりかけた、こちらのテンジョンが、
みるみる、下がってゆくのを感じる・・・。
実家・周囲との温度差も、さる事ながら、
予定外のライブ条件、2歳違いでの意識差、などなど、
女性ならではの、痛~い話が、多いせいだろう・・・。
それと、お家の売り物の、アレを無断で、
アレに流用するのは、ちと、まずいんでないかい?と。
ああ、素朴で美しかった思い出が、
遠くなってゆくよ~、という感じ。
ライブ会場ではない(!)場所での、
一応の、クライマックス・シーンには、
え、ここでなの?と、驚いたが。
ラップ会話と、日常生活感の融合が目指され、
大いに効果を、あげている。
泣かせるじゃないか。
本来、歌と日常生活との関係性とは、
こういうものだったのかも、しれない。
祭りとしての、騒ぎ足りない感は、
全体としてはどうしても、残るけれども・・・ね。
現代のラッパー・ヒロインは、
地に足のついた、覚悟が必要。
まず、生活とのリアルな戦いや、
親や周囲に理解されぬ、寂しさとの戦いが、必要なのだ。
(今でもいるのかね、
<アメリカかぶれ!>って言葉、使う人って・・・?の声)
主人公が、生活派詩人に見えてくる、
シビアだが、どこかユーモラスでもある、一篇。
(で、続編もまだ、あるの?の声・・・)
(あるなら、やっぱり、観たいなあ、の声)
以上。
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- 2010/06/28(月) 21:13:10|
- 劇場用映画
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