ビーグル警部の、事件簿。
いや~、素晴らしい。この立体感!
設定と筋には、「ん?」とひっかかるところも、
多々、あったんだが。
シネコンで、たっぷり、愉快に、堪能したぞよ。
「アリス・イン・ワンダーランド」(3D・字幕版)。
結局、「アバター」よりも先に、観る事になってしまったな・・・。
フフフ。
「ん?」と思った理由は、2つ、だな。
まず、ヒロインのアリスが、小学生位じゃなく、
高校生位の、ティーンエイジャー、という事。
なぜティム・バートン監督は、わざわざ、そうしたのか?
(単なる、女性の好み・・・じゃないよね~?の声)
それと、2つ目は、
彼女は、ただ運命と災難に、
追いまわされ、転げまわって、状況を受け入れるだけではなく、
次第に、自ら判断し、
積極的な、攻めの行動に、移ってゆく事、だな。
周囲の安全誘導に、あえて、逆らってまでも。
これは、いままでの絵本や映像化では、
あまり見られなかった、アリスの特徴だ。
では、彼女はなぜ、
あえてそういう行動に、打って出るに至ったのか?
その理由は、そう、
あの多感な時期に、急速に芽生え始めていた、
自我、自立心、
そして、将来への展望を考える、
意志の力と、判断力ゆえだろう。
要するに、もともと、以前より、
亡き父親の影響で、
自分の住む世界以外の、外の世界へと抱く夢が、
自然と、広がっていたのだな。
(この辺は、バートン監督らしいな・・・の声)
そこへいきなり、周囲の大人に仕組まれていた、
お見合い話が、来た。
さらに、ダメ押しで、
ワンダーランドヘの、急速落下・・・。
状況に、もみくちゃにされ続ける中で、
彼女の中で、何かが、弾けた。
すべてを、目前に迫り来る状況任せと、
他人の判断任せにされる事に、飽きたのだな。
いい加減、みんな、自分で決めさせてくれ!
という、気持ちだな。
で、ジョニー・デップの、あの帽子屋を、補佐役として、
あのわがままで、理不尽な、
赤の王女や部下と、戦う!というわけだ。
一人の少女の、意志の、力。
これが、単なるナンセンスを越えた、
今回の映画化のテーマ、だったんだな。
ま、いかにも、アメリカンで向上心の強いタイプの、
ヒロイン、だな。
その分、いつもの数学者的?理屈こねまわしや、
ナンセンスな状況自体の、ファンタジー性は、
彼女の理知的、現実的な台詞が、
かなり薄めて、さめさせてしまった感は、あるな。
若干の不満があるとすれば、
このファンタジー映画に似つかわしくない、
そのヒロインの、クールさだろう。
しかし、それらすべてをも、
凌駕(りょうが)する存在感を持つ者が、いるとすれば・・・
あの真っ赤な悪役、赤のトランプ女王!
恐怖政治の、典型。
あんまりひどいので、滑稽のきわみ。
これぞ、グロいナンセンス、笑わされてしまうよ。
二言目にはすぐさま、「首を刎ねよ~!」では、
皆には愛されないから、
余計に根性が、ひねくれきっている。
「愛されるよりも、恐れられるほうがマシ!」とは・・・。
やれやれ、まったく、救われない女王だ。
こういう人物とのお付き合いは、ご免こうむりたいものだねえ。
さて、そろそろ、
リアルな日常世界へと、帰還するか・・・。
だがな、一歩だけ大人になった、アリスよ。
覚えておきたまえ・・・。
君が生きて、その夢を見る限り、
その手ごたえの記憶が、君の脳裏にある限り、
君の中に、ワンダーランドは・・・あるんです。
アリスの世界は、あるんです!
という事を、ね。
では諸君、今宵は、ごきげんよう。
以上。
付記:6/15(火)
ただいまの放送は、
丹波哲郎さんの声色のつもりで、お送り致しました・・・です。
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- 2010/06/09(水) 01:23:52|
- 劇場用映画
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