ビーグルGメン・南田捜査員の、事件簿。
5月30日。日曜。
たまの上野オークラ、ピンク映画3本。
1600円。
一本目・「性戯の達人 女体壺さぐり」。
2000年、OP映画。
これが、「愛のむきだし」の、
園子温監督・脚本・出演作品。
夢乃・神崎愛・鈴木敦子、他、出演。
これ、昔ちょいと、見たような覚えが・・・。
お話は、ろくろを回す、陶芸家夫婦と弟子達の、
制作・出品、そして新ライバル出現と、コンクール対戦。
監督自身も、病気がちな、女流陶芸家に悶える夫の役で、力演。
描写は終始、軟体系の、コミカル・ドタバタ調。
つまり、女体のうねりと、ろくろの回転と、性的興奮のシンクロ。
ぬめり、ぬめりとした、人物達の軟体生物的運動性、この魅力に尽きる。
その、ぬめりのユーモラスな有り様でもって、
主役もライバルたちも、ほぼ全篇すべてを、押し通し続ける。
その有り様、潔さすら感じる。
至極変な世界ながら、なぜか、
一服のさわやかさすら、あるのだった・・・。
「CA発情フライト 腰ふりエッチ気流」。
加藤義一監督。
(これも、以前どこかで、観てるような気が?
それとも、似た作品?の声)
中小航空会社の、CA=キャビン・アテンダントの、
なぜか良縁に恵まれぬ、恋模様の日々。
機内のセットが、あまりにも安っぽくて、がっくりくるが、
CA役の結城リナ、上京妹役の日高ゆりあ&ギター男優は、
ほのぼのと好演で、よろしい。
先輩CA役の、後輩を押しのけ、
男性客にがっつき、食らいつく有り様が・・・恐いわ。
「人妻とOL あふれる愛液」
佐藤吏監督の、佳作。
画面こそ、全体に白色基調の、明るいものなれど、
これが、非常に、哀し~いドラマで・・・。
観ていて、何とも、いたたまれない気持ちになった。
特にサラリーマン諸氏には、やりきれない話だろう。
最初の、海岸の白い服の女と、寝ている男のシーンは、
いったい何だ?と思っていたら、
後半部で、その意味が、わかってきたのだった・・・。
海辺の家へ、引越してきた、若きサラリーマン夫婦。
見るからに、幸せいっぱい。
夫は、マンション販売会社の社員で、
若手で社長に大抜擢の、経理部長。
妻との幸せを守るためなら、何でもやる!とばかりに、
仕事に、家庭にと、張り切っていた。
だが、彼女には時折、予知夢を見る、という癖があった。
その幸せが、実は、
砂上の楼閣だった事を、
暗示する、予知夢・・・。
販売会社の、とあるOLが、ある日、
ワンマン若手社長の運営する、この会社の、
ひどい商法と、脱税に、気付いてしまう。
それをネタに、関わっている経理部長を脅し、
もともと惚れていた?事もあり、
浮気を強要する、OL・・・。
今の家庭の幸せを守るために、と割り切って、
やむなく、しぶしぶ、付き合わされていた彼だが。
やがて、OLの恋人?男性が現れて、さらに事態はこじれ、
このOLの、本性ヤンキー?なキャラも、次第に表面化。
(これがこわい!の声)
部長はすべてを、金と土下座で解決しようと、
彼女らを説得するが、失敗。
社長との関係も、次第にこじれ始める。
やがて、ついに、すべての嘘が、
妻にばれる日が、来てしまった・・・。
そして、悲劇が、訪れる・・・。
初めと終盤に挿入される、ビデオカメラの映像。
主役主婦の、とぎれかけた記憶の断片が、
余計に、悲しみをそそる、効果となるのだった・・・。
そして、手持ちカメラらしき、人物の表情への迫り方、
さらには、夫役の、悲惨シーン、猛烈力演・・・。
哀。
ああ、偽造の日輪仮面よ。
その世界崩壊は、あまりにも、あっけなかった・・・。
以上。
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- 2010/05/31(月) 21:39:57|
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ビーグルGメン・大種捜査員の、事件簿。
5月29日、土曜。
レイトショー枠は、渋谷ユーロスペース。
石井裕也監督「君と歩こう」。
入りは、ノーゲストにしては多く、席が埋まり、
まずまず、よろしい。
これ、なんと、
同じ石井監督の「川の底からこんにちは」と、
企画・撮影が、ほぼ同時進行していた作品、だそうだ。
なるほど、こちらで、
あちらでの制作のプレッシャーを、ほぐして、晴らしていたのか・・・と。
いや、なにしろ、おもしろいにはおもしろいんで、
やたらと、笑いまくったんだが。
とにかく、もう、下品含みな、悲喜劇、ドタバタ。
人物達の言動は、むちゃくちゃ。
万事が成り行き任せ、いきあたりばったりな、映画なもんで。
内容は要するに、
30代女性教師と、10代貧乏男子高校生の、駈け落ち事件なんだけど。
映画の途中で明かされる、二人の駈け落ちの発端は、
えらく侘しく、哀しき話で、泣けてくるものなのだが。
では家を出て、駈け落ちして・・・という、
その後の過程で、何かが、おかしくなってゆく。
東京駈け落ち計画をリードし、行動に走る女教師は、
一見しっかり者のようだが、
結構、間抜けなキャラで、笑わせる・・・。
そもそも、わざわざ荷物を用意しておいて、
まずバス停、って決めてあるのに、
いきなり、校門前からダッシュ!するのが、もうおかしい。
それじゃ、すぐ見つかるじゃないか。出発に酔ってるね。
高校生も、やせて見えるからって、学生服姿じゃね・・・。
職質されちゃうぜ。あやしいもん。
渋谷経由で、高円寺・阿佐ヶ谷方面へと逃れ、
住居をゲット、までは順調?だったが。
故郷との縁を断ち切るために、携帯も捨てた後で、
電話をする必要にかられた時(しないほうがいいんじゃ?の声)、
夜の公衆電話で、
「逆探って何秒だっけ?」「洋画だとxx秒・・・」「xx秒位にしとく?」
などとやっているのは、じつに間抜けだ。
それは、昭和の発想。
今はデジタル回線時代、秒殺のはずでは?
向こうは携帯なんだから、余計にまずいだろう。
(しかも、失笑もんの、くだらな~い作業の最中でネ・・・、の声)
後で役に立つから、弁護士になるのよ、と言って、
男子高校生に、初級英語?と法律の勉強をさせる、女性教師だが。
もしなれなかったら、一体、どうするつもりだったのだろうか?
お金なら心配しないで、大人はいっぱい持ってるから、
などど、高校生には言いながら、
呑みかけの缶ビールに、サランラップで蓋をして、
冷蔵庫にしまってるのを見れば、
同居中の高校生でなくても、
女性教師の懐具合は、察せられるだろう・・・と。
カラオケ屋のバイトを隠して、無理な見栄を張るから、そうなる。
・・・などなどのシーンの、随所で、
漫才まがいの、ばかばかしいやりとりが展開し、いやがおうにも、笑わせる。
自主映画界では、毎度おなじみ?長まわし撮影の中で、
会話とおつきあい、どつきあいの妙が、冴える。
とんだ<初体験>(ちょいと汚いな・・・の声)エピソード、
野球小僧との触れ合い(どうしたら、あの人と間違うんだ?の声)、
余所のカップルへの家出・駈け落ち道指南(!?)、など、
あちこちのシーンで、爆笑。
本来クライマックス?のはずの、確保(というのか?)シーンに、
むしろ、脱力感があったくらいだった・・・。
というわけで、おおむね、すご~く、面白い。
一部女性客は、下品で汚い部分に、ちょい引いてたんじゃないか?
と、特に前半は、心配になったが。
そこらを乗り越えちゃえば、後は・・・
相当に、愉快な旅路、だから。
ちなみに、20代男女に、大人がぼちぼち混じった、
観客一同の反応は、きわめて、良かった。
よって、クレヨンしんちゃん風に、
オッケーなら、ぜひ、観れば~?
と、言っとく。
以上。
- 2010/05/31(月) 21:32:41|
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